はじめに

こんにちは。辰巳地所の高場です。

市原市では、小中学校の指定通学路に面した倒壊等の危険性があるブロック塀・擁壁等について、撤去する費用の補助を行っています。

2018年6月18日に発生した大阪北部地震により、大阪府高槻市立寿栄小学校のブロック塀が倒壊し、小学4年生の女児が亡くなりました。

2025年9月30日19時20分頃、杉並区方南町1丁目において、擁壁(高さ4~5m)及び家屋の倒壊が発生しました。区有通路を挟んで対面側のマンション(プラウドシティ方南町)のベランダにがれきの一部が流れ込んでいる様子が報道されていました。

民法では、土地の工作物等の占有者及び所有者の責任が定められています。工作物の所有者の責任は、損害の発生を防止するのに必要な注意をしても免責が認められない無過失責任とされています。

民法第717条

1.土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。

2.前項の規定は、竹木の栽植又は支持に瑕疵がある場合について準用する。

3.前二項の場合において、損害の原因について他にその責任を負う者があるときは、占有者又は所有者は、その者に対して求償権を行使することができる。

前回の南海トラフ沖地震が発生してから、2026年で80年目となります。

地震調査研究推進本部地震調査委員会の長期評価によると、マグニチュード8~9クラスの地震が今後30年以内に発生する確率は80%程度だそうです。

[前回の南海トラフ地震]

・1944年12月7日 昭和東南海地震

・1946年12月21日 昭和南海地震

所有物件に危険ブロック等がある方は、制度の利用を検討されてはいかがでしょうか。

危険ブロック塀等

市内にある高さ1mを超えるコンクリートブロック造、石造、レンガ造、これらに類する構造の塀、門柱及びこれらの基礎、並びにコンクリートや間知石等からなる擁壁

指定通学路

・小中学校の児童や生徒が通学のために通行する道路の区間で、特に安全を確保する必要があるとして定められた通学路(交通安全施設等整備事業の推進に関する法律施行令(昭和41年政令第103号)第4条)

・市原市通学路事故防止対策協議会が承認した通学路

補助対象者

市内にある危険ブロック塀等の所有者等。

自ら工事しようとする場合や、土地の売買を目的としている場合は、補助が受けられません。

補助金額(補助率)

[危険ブロック塀等撤去の補助]

次の(1)(2)のいずれか少ない方の額(上限30万円)

(1)撤去するブロック塀等の長さ(m)×12,000円

(2)実際の工事費

[撤去後のフェンス新設の補助]

次の(1)(2)のいずれか少ない方の額(上限15万円)

(1)新設するフェンスの長さ(m)×10,900円

(2)実際の工事費

補助金を申請するまでの流れ

1.建築指導課に、電話か窓口にて、事前相談を行います。

2.職員が現地に行き、「倒壊等の危険があるかどうか」の調査を行います。
安全性を判断するものではないので、ブロック塀等の耐震診断を希望する場合は、専門家へご相談ください。

3.後日、市から「補助の対象となり得るかどうか」の連絡があります。

4.補助の対象となる場合、必要書類(見積書の写し、図面等)を添えて、申請書類を提出します。

注意点

・補助金の申請手続きの前に工事に着手(契約を含む)した場合は、補助金が受けられません。

・工事を完了し、当該年度の1月末日までに完了実績報告を提出することが必要となります。期日が過ぎた場合は、補助金が受けられません 。

・補助金交付決定後、申請内容に変更が生じた場合や工事を中止する場合には、計画の変更又は中止の手続きが必要となります。

「代理受領制度」を利用し、当初の費用負担を軽減できます

工事業者等が、所有者(申請者)に代わり、市から補助金を受け取る制度です。

所有者(申請者)は、工事費用から補助金額を差し引いた金額のみを支払うため、当初の持ち出し費用が軽減されます。

注意事項として、代理受領制度を利⽤した場合、⼯事業者等にとっては、補助⾦相当額分の⼯事費等が⽀払われる時期が遅くなるため、代理受領制度の利⽤には、⼯事業者等の承諾が必要となります。

お問い合わせ先

・市原市都市部建築指導課

・市原市国分寺台中央1丁目1番地1 第1庁舎3階

・電話:0436-23-9840

・FAX:0436-21-1478

国土交通省「ブロック塀等の点検のチェックポイント」
国土交通省「ブロック塀等の点検のチェックポイント」2018年6月18日に発生した大阪北部地震による塀の倒壊被害を受け、2018年6月21日、国土交通省住宅局建築指導課より、「ブロック塀等の点検のチェックポイント」が公表されました。所有物件にブロック塀等がある方は、一度点検することをおすすめします。...
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高場智浩
千葉県市原市出身/在住。法政大学文学部史学科卒。 賃貸仲介を経て、2015年8月より売買仲介に従事しています。 城南・城西エリア、横浜市、川崎市、熱海市、湯河原町を中心に一都三県において、約400件の購入・売却のお手伝いをさせていただきました。購入・売却・住宅ローン等、不動産に関することは何でもご相談ください。