点検商法とクーリング・オフ
はじめに
こんにちは。辰巳地所の高場です。
近年、悪質業者が自宅を突然訪問し、「無料点検をしている」等と言って、屋根や床下、住宅設備等を点検後、不安をあおり、不必要な工事や法外な価格のリフォーム工事、駆除作業等を行う契約を締結させる点検商法の被害が相次いでいます。
地震や台風、大雨等の自然災害が発生した際には、災害に便乗した点検商法も報告されています。
万が一、契約を締結してしまった場合は、特定商取引法に定める「クーリング・オフ」により、申込みの撤回や契約の解除ができる可能性があります。
尚、クーリング・オフは、「契約は守らなければならない」とする原則の例外であり、すべての取引に適用されるわけではありません。
クーリング・オフができる取引かどうか不明なときや、手続き方法が分からないときは、行政の相談窓口にご相談ください。


特定商取引法とは
出典:消費者庁HP「特定商取引法ガイド」
特定商取引法は、事業者による違法・悪質な勧誘行為等を防止し、消費者の利益を守ることを目的とする法律です。 具体的には、訪問販売や通信販売等の消費者トラブルを生じやすい取引類型を対象に、事業者が守るべきルールと、クーリング・オフ等の消費者を守るルール等を定めています。
クーリング・オフとは
出典:消費者庁HP「特定商取引法ガイド」/独立行政法人国民生活センターHP「クーリング・オフ」
クーリング・オフは、いったん契約の申し込みや契約の締結をした場合でも、契約を再考できるようにし、法律で決められた書面を受け取ってから一定の期間であれば、無条件で契約の申し込みを撤回したり、契約を解除したりできる制度です。
クーリング・オフ期間は、申込書面または契約書面のいずれか早いほうを受け取った日から起算します。
書面の記載内容に不備があるときは、所定の期間を過ぎていてもクーリング・オフできる場合があります。
特定商取引法におけるクーリング・オフができる取引と期間
8日以内
・訪問販売:事業者が消費者の自宅等に訪問して、商品や権利の販売又は役務の提供を行う契約をする取引のこと。 キャッチセールス、アポイントメントセールスを含みます。
・電話勧誘販売:事業者が電話で勧誘を行い、申込みを受ける取引のこと。 電話を一旦切った後、消費者が郵便や電話等によって申込みを行う場合にも該当します。
・特定継続的役務提供:長期・継続的な役務の提供と、これに対する高額の対価を約する取引のこと。 エステティックサロン、美容医療、語学教室、家庭教師、学習塾、パソコン教室、結婚相手紹介サービスの7つの役務が対象とされています。
・訪問購入:事業者が消費者の自宅等を訪問して、物品の購入を行う取引のこと。
20日以内
・連鎖販売取引:個人を販売員として勧誘し、更にその個人に次の販売員の勧誘をさせる形で、販売組織を連鎖的に拡大して行う商品(権利)・役務の取引のこと。
・業務提供誘引販売取引:「仕事を提供するので収入が得られる」という口実で消費者を誘引し、仕事に必要であるとして、商品等を売って金銭負担を負わせる取引のこと(内職商法、モニター商法等)
※上記販売方法・取引でも条件によってはクーリング・オフできない場合があります。
※訪問購入の場合、クーリング・オフ期間内は、消費者(売主)は買取業者に対して売却商品の引き渡しを拒むことができます。
※金融商品や宅地建物の契約等でもクーリング・オフができる取引があります。
※通信販売には、クーリング・オフ制度はありません。
返品の可否や条件についての特約がある場合には、特約に従うことになります。
特約がない場合には、商品を受け取った日を含めて8日以内であれば返品することができますが、その場合、商品の返品費用は消費者が負担します。
クーリング・オフの手続き方法
・クーリング・オフは、書面(はがき可)または電磁的記録で行います。
電磁的記録の例:電子メール・USBメモリ等の記録媒体・事業者が自社のウェブサイトに設けるクーリング・オフ専用フォーム等により通知・FAX
・クーリング・オフの書面等には、事業者が対象となる契約を特定するために必要な情報(契約年月日、契約者名、購入商品名、契約金額等)やクーリング・オフの通知を発した日を記載します。
・クーリング・オフができる期間内に通知します。
・クレジット契約をしている場合は、販売会社とクレジット会社に同時に通知します。
・クーリング・オフを「はがき」で行う場合
送付する前に、はがきの両面をコピーしておきます。「特定記録郵便」または「簡易書留」など、発信の記録が残る方法で代表者あてに送付し、コピーや送付の記録は一緒に保管しておきます。
・クーリング・オフを「電磁的記録」で行う場合
契約書面を確認し、電磁的記録によるクーリング・オフの通知先や具体的な通知方法が記載されている場合には、それを参照して通知します。通知後は送信したメールや、ウェブサイト上のクーリング・オフ専用フォーム等の画面のスクリーンショットを保存しておきます。



出典:独立行政法人国民生活センター「クーリング・オフ通知はがきの記載例」
相談窓口
消費者ホットライン
電話番号:188
最寄りの相談窓口を案内します。
都道府県や政令市の消費生活センター等が話中でつながらない場合、国民生活センターの「平日バックアップ相談」の電話番号がアナウンスされます。
電話番号:03-3446-1623
受付時間:平日10時~12時/13時~16時
千葉県消費者センター
千葉県消費者センターでは、千葉県内に在住・在勤・在学の消費者を対象に、消費生活や多重債務に関する苦情や問い合わせについて、解決のための助言などを行います。
・訪問販売で高額な商品を契約してしまった。
・使った覚えのない電話サービスの利用料金請求がきた。
・クーリング・オフのやり方は。
・サイトでクリックしたら、前触れもなく請求画面になった。
・一人暮らしの母のもとに宗教の信者が押し寄せてきて判を押させられ、「入会」させられ、数珠などを購入させられた。
[相談を受けることができない内容]
・個人間のトラブル、人間関係のトラブル、労働問題、相続や家族関係のトラブル、慰謝料や損害賠償、事業を行っている方からの事業活動に関する相談
・他の消費生活センターや消費生活相談窓口等に相談中の案件
・事業者に対する指導権限はありません。また、事業者の信用性や商品・サービスの評価、価格の妥当性については回答できません。
[千葉県消費者センター]
・住所:〒273-0014 千葉県船橋市高瀬町66-18
・交通:JR京葉線「南船橋」駅 徒歩10分
・相談専用電話番号:047-434-0999
・来所相談の場合は電話にて予約が必要です。
・受付時間:午前9時から午後4時30分まで(月曜日から金曜日)
・午前9時から午後4時まで(土曜日)
※平日・土曜日とも祝祭日と年末年始を除く
・聴覚に障害のある方はFAXで相談できます
FAX番号:047-431-3858
市原市消費生活センター
・住所:〒291-0081 市原市五井中央西1丁目1番地25 サンプラザ市原2階
・受付時間:午前8時30分から午後5時15分まで
※相談受付は午前9時から午後3時30分まで)
・休業日:土曜日、国民の祝日(休日)、12月29日から1月3日





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