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子どもが独立したあと、今の家を売って、駅に近い賃貸やマンションへ移る。

庭の手入れや階段が負担になってきたら、もう少し暮らしやすい場所へ住み替える。

親が一人暮らしになったら、実家を売って、子どもの近くや生活しやすい場所へ移る。

こうした考え方は、決して珍しいものではありません。

特に戸建に長く住んでいる方の場合、年齢を重ねるにつれて、階段、庭、駐車場、買い物、通院、車の運転などが少しずつ気になってくることがあります。

ただ、高齢期の住み替えは、持ち家がいくらで売れるかだけでは決まりません。

賃貸住宅へ移る場合は、入居審査、保証人や緊急連絡先、家賃の支払い、見守り、荷物整理、引越し費用、地域への愛着など、いくつもの課題が重なります。

この記事では、アットホーム調べ「高齢者の賃貸居住に関する調査」をもとに、高齢期の住み替えで考えておきたいことを見ていきます。

老後の住まい、親の住み替え、実家売却、空き家化が気になり始めた方は、早めに話し合うきっかけにしていただければと思います。

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老後の住まいは「売って賃貸へ」だけでは決めきれない

老後の住まいを考えるとき、「持ち家を売って賃貸へ移ればよい」と考える方はいます。

たしかに、持ち家を売却すれば、固定資産税や建物管理、庭の手入れ、修繕の負担を軽くできる場合があります。

駅近の賃貸やマンションに移れば、買い物や通院がしやすくなることもあります。

一方で、賃貸へ住み替えた後は、毎月の家賃、更新、保証会社、緊急連絡先、将来の体調変化などを考える必要があります。

持ち家を売ったあとに、「やはり元の家に戻りたい」と思っても、同じ状態に戻すことは簡単ではありません。

また、親の住まいを子ども世代が考える場合も、売却だけを先に決めるのは難しいものです。

親本人が今の家に住み続けたいと思っているのか。

賃貸に移る気持ちがあるのか。

施設入居を考えているのか。

子どもの近くへ移ることに抵抗がないのか。

こうした気持ちを聞かないまま話を進めると、家族の間で温度差が出てしまうことがあります。

高齢期の住まいは、「売る」「借りる」「住み続ける」のどれか一つを急いで選ぶより、本人の希望、体調、資金、家族の距離、地域への愛着をあわせて考えることが大切です。

アットホーム調べで見えた高齢者の賃貸居住の現実

2026年6月18日にアットホーム株式会社が公表した「高齢者の賃貸居住に関する調査」では、賃貸住宅管理会社と60歳以上の賃貸入居者の双方に調査を行っています。

管理会社側では、直近1年で、オーナーの意向などにより高齢を理由に入居を断ったことのある管理会社が49.2%でした。

関東地方では、その割合が57.3%となっており、その他のエリアより高い傾向が示されています。

一方で、60歳以上の賃貸入居者側を見ると、入居申込みの際に入居を断られた経験がある人は10.7%です。

この数字を見ると、「高齢者は必ず賃貸住宅を借りられない」という話ではありません。

ただし、高齢期の賃貸住み替えでは、管理会社やオーナー側の不安と、入居者側の不安が重なりやすいことがわかります。

管理会社側は、万一の対応、保証人、残置物、家賃滞納、近隣トラブルを心配します。

一方、高齢者本人は、健康、家賃負担、将来も住み続けられるか、引越し費用、荷物整理などを不安に感じています。

住み替えを考えるときは、どちらか一方の事情だけではなく、貸す側・借りる側の両方に課題があることを理解しておくと、準備しやすくなります。

管理会社が不安に感じるのは、万一の対応や残置物の問題

単身高齢者の入居について、管理会社が最も課題と感じているのは「孤独死」で、84.0%という結果でした。

そのほか、事故物件化、残置物処理、体調面、保証人問題、家賃滞納なども不安や課題として挙げられています。

ここで大切なのは、管理会社やオーナーを悪者にしないことです。

賃貸住宅では、入居者に万一のことがあった場合、緊急連絡先への連絡、室内に残された荷物の扱い、原状回復、近隣対応、家賃の支払いなど、実務上の課題が発生します。

特に単身で暮らす高齢者の場合、親族と連絡が取りにくい、保証人を立てにくい、体調の変化に気づきにくいといった事情があることもあります。

こうした不安を減らすために、見守りサービスや孤独死保険などの仕組みもあります。

アットホーム調べでは、高齢者向けの見守りサービスを認知している管理会社は90.1%でした。

ただし、「導入している物件がある」と回答した管理会社は19.5%にとどまっています。

つまり、見守りサービスを知っている管理会社は多いものの、すべての物件で実際に使えるわけではありません。

住み替えを考えるときは、見守りサービス、緊急連絡先、保証会社、残置物対応などについて、入居前に確認できる範囲で見ておくことが大切です。

高齢者本人が感じているのは、健康・家賃・住み続けられるかの不安

高齢者本人にとっても、賃貸住宅への住み替えには不安があります。

アットホーム調べでは、60歳以上の賃貸入居者が現在の暮らしの中で最も不安に感じていることは、「自分の健康悪化」でした。

続いて、生活費・家賃の負担増、将来賃貸に住み続けられるかという不安も上位に入っています。

これは、持ち家から賃貸へ移る場合にも関わる話です。

持ち家であれば、住宅ローンを完済していれば毎月の家賃はありません。

一方で、賃貸住宅へ移ると、毎月の家賃、管理費、更新料、保証料などの支払いが続く場合があります。

年金収入や預貯金の中で、その負担をどのくらい見込むのかは大切です。

また、体調が変化したときに、通院しやすいか、買い物に行けるか、緊急時に頼れる人がいるかも見ておきたいところです。

賃貸へ移ればすべて安心、というわけではありません。

住み替え先での暮らしが続けられるかどうかまで考えることが、高齢期の住まい選びでは欠かせません。

住み替えに消極的な理由は、費用だけではない

アットホーム調べでは、60歳以上の賃貸入居者の48.6%が、賃貸住宅への住替えについて「住替えたくない」と回答しています。

住み替えに迷いがある、または住み替えたくない理由として最も多かったのは、引越し資金の負担でした。

次いで、今の住まいや地域への愛着、荷物整理や手続きの大変さが続いています。

この結果は、持ち家所有者にも通じるものがあります。

長く住んだ家には、家具、衣類、写真、仏壇、趣味の道具、庭木、近所付き合い、通院先、買い物先など、生活の積み重ねがあります。

不動産として見れば、土地と建物かもしれません。

しかし、本人にとっては、思い出や安心感が詰まった場所です。

子ども世代から見ると、「もう少し便利な場所に移ったほうがよいのでは」と感じることもあります。

それでも、本人にとっては、今の家や地域を離れること自体が大きな負担になる場合があります。

高齢期の住み替えでは、資金面だけでなく、荷物、手続き、気持ちの面も含めて考える必要があります。

持ち家を売る前に、住み替え先をどう考えるか

持ち家売却を考えるとき、最初に気になるのは「いくらで売れるか」かもしれません。

もちろん、売却価格は大切です。

ただ、高齢期の住み替えでは、売却価格だけでなく、売った後にどこでどう暮らすかも同じくらい大切です。

たとえば、次のような選択肢があります。

・賃貸住宅へ住み替える

・分譲マンションを購入する

・子どもの近くへ移る

・施設入居を検討する

・今の家に住み続ける

・しばらく保有し、必要な時期に売却する

賃貸に住み替える場合は、初期費用、家賃、管理費、保証会社、緊急連絡先、更新時の費用などを確認します。

分譲マンションを購入する場合は、購入費用のほか、管理費、修繕積立金、固定資産税、駐車場代も見ておく必要があります。

施設入居を考える場合は、入居一時金、月額費用、医療・介護の体制、家族が通いやすい場所かどうかも関係します。

売却資金が入るとしても、住み替え先の費用、引越し費用、荷物の片付け、将来の医療や介護まで含めて考えたいところです。

「売れる金額」だけでなく、「売った後の暮らし」が見えているかどうか。

ここを先に考えておくと、持ち家売却の判断もしやすくなります。

親の住まいを考える子世代が早めに話しておきたいこと

親の住まいの話は、子どもから切り出しにくいものです。

親が元気なうちは、「まだ大丈夫」と思いやすいですし、家を売る話をすると、親が寂しく感じることもあります。

ただ、体調を崩してから、運転が難しくなってから、施設入居が必要になってから、相続が発生してからでは、選択肢が限られることがあります。

元気なうちに、次のようなことを少しずつ話しておくと安心です。

・今の家に住み続けたい気持ちはあるか

・階段や段差に不安はないか

・庭の手入れが負担になっていないか

・車を運転しなくなったら、買い物や通院はどうするか

・一人暮らしになった場合、緊急連絡先は誰にするか

・将来、賃貸やマンションへ移る可能性はあるか

・施設入居を考える時期はあるか

・実家を売る場合、荷物は誰が片付けるか

・相続後に空き家になる可能性はあるか

大切なのは、親を説得することではありません。

まず、親本人がどう暮らしたいのかを聞くことです。

そのうえで、体調、家の状態、地域の生活環境、家族の距離、資金面を一緒に考えていくと、急な判断を避けやすくなります。

千葉市・市原市で高齢期の住まいを考える視点

千葉市と市原市では、高齢期の住まいを考えるときの見方が少し変わります。

千葉市では、駅に近いマンションや生活利便性の高いエリアへの住み替えを考える方もいます。

買い物施設、病院、バス便、駅までの距離、家族の住まいとの近さなどは、高齢期の暮らしやすさに関わります。

戸建からマンションへ移る場合、階段や庭の手入れの負担が減ることがあります。

一方で、管理費、修繕積立金、駐車場代、管理規約、ペットの可否、エレベーターの有無なども確認したいところです。

市原市では、五井・八幡宿・姉崎などの内房線沿線と、内陸部・小湊鉄道沿線で生活動線が変わります。

車を運転できるうちは、戸建でも不便を感じにくいかもしれません。

しかし、運転を控える時期になると、買い物、通院、駅やバス停までの距離が気になりやすくなります。

特に市原市では、車移動を前提にした生活をしている方も多いため、将来車を使わなくなったときの暮らし方を考えておくことが大切です。

自宅を売るのか、リフォームして住み続けるのか、生活しやすい場所へ移るのか。

市原市内でも、駅周辺、住宅地、内陸部、農地や山林が近い地域では、選び方が変わります。

内房・外房エリアでは、車・医療・買い物・空き家管理も見ておきたい

内房・外房エリアには、自然が近い、土地が広い、海に近い、静かに暮らせるといった魅力があります。

長年住み慣れた家や地域から離れたくない方も多いと思います。

一方で、高齢期には、医療機関、買い物施設、公共交通、災害時の避難、家族が駆けつけやすい距離も気になってきます。

特に、車の運転を控える時期になると、暮らし方が大きく変わることがあります。

また、親が施設へ入居したり、子どもの近くへ移ったりしたあと、実家が空き家になるケースもあります。

空き家は、誰も住まなくなってから急に劣化が進むことがあります。

雨漏り、庭木、草木、害虫、近隣への影響、郵便物、火災保険、固定資産税など、管理することは少なくありません。

内房・外房エリアの戸建や土地、空き家をどうするかは、売却、賃貸、保有、空き家管理を含めて早めに考えておきたいところです。

「まだ住めるから大丈夫」と思っていても、数年空き家になると、売却前の片付けや修繕が大きな負担になることがあります。

売却・賃貸・保有・施設入居を一度に決めようとしない

高齢期の住まいは、一度にすべてを決めようとすると負担が大きくなります。

持ち家を売る。

貸す。

住み続ける。

施設入居を考える。

子どもの近くへ移る。

相続後に売却する。

空き家管理をしながら時期を待つ。

選択肢はいくつかあります。

売却すれば、固定資産税や管理の負担を減らせる場合があります。

ただし、住み慣れた家を手放す判断でもあります。

賃貸に出す場合は、家賃収入を得られる可能性がありますが、修繕、管理、入居者対応、将来売却への影響を考える必要があります。

保有する場合は、家族の思い出を残せる一方、固定資産税、火災保険、庭木管理、建物の劣化への対応が続きます。

施設入居を考える場合も、費用、場所、家族の通いやすさ、医療・介護の体制を見ておく必要があります。

どれが正解という話ではありません。

本人の体調、資金、家族の状況、地域への愛着、住み替え先、相続の見通しによって、合う選択肢は変わります。

大切なのは、元気なうちに、選べる状態で考え始めることです。

急に売る、急に引っ越す、急に片付けるという流れになると、本人にも家族にも負担がかかりやすくなります。

まとめ|高齢期の住まいは、元気なうちに選択肢を見ておきたい

老後に持ち家を売って賃貸へ住み替えることは、一つの選択肢です。

ただし、高齢期の住み替えは、売却価格だけで決まるものではありません。

賃貸へ移る場合は、入居審査、保証人、緊急連絡先、見守り、家賃、更新、荷物整理、引越し費用などを考える必要があります。

アットホーム調べでは、高齢を理由に入居を断ったことのある管理会社が49.2%という結果がある一方、60歳以上の賃貸入居者で入居を断られた経験がある人は10.7%でした。

高齢者だから必ず賃貸住宅を借りられない、ということではありません。

ただ、管理会社側にも、高齢者本人にも、それぞれ不安があることは知っておきたいところです。

持ち家を売るのか、貸すのか、住み続けるのか。

賃貸に移るのか、マンションを買うのか、施設入居を考えるのか。

親の住まいをどうするのか、実家が空き家になる可能性はあるのか。

こうした話は、体調を崩してからではなく、元気なうちに少しずつ考えておくことが大切です。

千葉市・市原市・内房・外房エリアでは、駅距離、車の利用、買い物、通院、公共交通、空き家管理など、地域ごとに見るべき点も変わります。

高齢期の住まいは、ひとつの正解を急いで選ぶより、今の暮らしとこれからの暮らしを並べて考えることから始めてみましょう。

参考情報

確認日:2026年6月21日

  • アットホーム株式会社「高齢者の賃貸居住に関する調査」(アットホーム調べ)
  • 国土交通省「住宅セーフティネット制度 ~誰もが安心して暮らせる社会を目指して~」
  • 国土交通省「住宅セーフティネット法等の一部を改正する法律について」
  • 政府広報オンライン「単身高齢者などの賃貸住宅への入居の不安を解消!改正『住宅セーフティネット法』がスタート」

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高齢期の住み替えを考える場合は、いきなり売却だけを決めるのではなく、住み替え先、資金計画、荷物整理、家族の意向、空き家管理まで含めて考えることが大切です。

売却については、仲介手数料を相場の半額を基本にご相談いただけます。

ただし、物件価格や取引条件によって個別確認が必要です。

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    高場智浩
    千葉県市原市出身/在住。法政大学文学部史学科卒。 賃貸仲介を経て、2015年より不動産売買仲介に従事しています。 城南・城西エリア、横浜市、川崎市、熱海市、湯河原町を中心に一都三県で、約400件の購入・売却のお手伝いをさせていただきました。購入・売却・住宅ローンなど、不動産に関するご相談を、わかりやすく丁寧にサポートいたします。
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