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はじめに

エアコンの効きが悪くなってきた、以前より電気代が高く感じる、運転中の音やにおいが気になる。

毎日使う設備だからこそ、少し調子が悪くなるだけで「そろそろ買い替えた方がいいのかな」と迷う方は多いと思います。

特に最近は、「2027年にエアコンの省エネ基準が変わる」という話題を見かけることも増えました。なかには、「今のエアコンが使えなくなるのでは」「早めに買い替えないと損なのでは」と不安に感じている方もいるかもしれません。

結論からいうと、エアコンは何年経ったら必ず交換しなければならない、というものではありません。

ただし、古いエアコンを使い続ける場合は、故障、修理部品、安全性、電気代、設置環境をあわせて見る必要があります。

また、中古住宅やリフォーム済戸建、リノベーションマンションを購入する場合は、室内にエアコンが付いていても、それが「設備」として引き継がれるのか、「残置物」として置かれているだけなのかによって、考え方が変わります。

この記事では、エアコンの寿命と買い替え時期の目安、2027年の省エネ基準の考え方、住宅購入時に確認したいポイントを、不動産実務の視点も交えて整理します。

エアコンの寿命は何年くらい?

税務上の耐用年数と実際の寿命は別物

エアコンの寿命について調べると、「耐用年数6年」という数字を見かけることがあります。

これは、主に税務上の減価償却で使われる法定耐用年数の話です。冷房用・暖房用機器は、税務上の耐用年数表では6年とされています。

ただし、この6年は「家庭用エアコンが6年で壊れる」という意味ではありません。

たとえば、家庭で使っているエアコンが7年目、8年目になったからといって、すぐに交換しなければならないわけではありません。反対に、まだ5年しか使っていなくても、使用環境や設置状況によっては不具合が出ることもあります。

税務上の耐用年数と、日常生活での実際の使用寿命は分けて考えるとわかりやすいです。

設計上の標準使用期間は買い替え判断の目安になる

家庭用エアコンには、製造年や「設計上の標準使用期間」などが表示されていることがあります。

これは、通常の使用条件のもとで安全に使用できる期間の目安を示すものです。長く使った製品は、見た目には問題がなくても、内部の部品や配線が劣化している場合があります。

多くの家庭用エアコンでは、10年前後が一つの確認タイミングになります。

もちろん、10年を過ぎたから必ず故障するわけではありません。きちんと手入れされていて、使用頻度が少なく、設置環境もよければ、問題なく使えるケースもあります。

一方で、異音、異臭、停止、エラー表示、水漏れなどがある場合は、年数に関係なく早めに販売店やメーカー、専門業者へ相談した方が安心です。

使用環境によって寿命は変わる

エアコンの寿命は、使い方や設置環境によってかなり変わります。

たとえば、夏も冬も長時間使う部屋のエアコンは、使用時間が長くなりやすく、負担も大きくなります。

日差しが強い部屋、戸建の2階、マンションの最上階や角部屋などは、室温が上がりやすく、冷房運転の負荷がかかりやすいことがあります。

室外機の置き場所も大切です。直射日光が強く当たる場所、風通しが悪い場所、雨風を受けやすい場所、海に近く塩分を含んだ風の影響を受けやすい場所では、室外機まわりの劣化にも注意が必要です。

エアコン本体の年数だけでなく、「どのような部屋で、どれくらい使われてきたか」を見ることが、買い替え判断の第一歩です。

まだ使える?買い替えを考えたいサイン

冷暖房の効きが明らかに悪い

設定温度を下げても部屋が涼しくならない、暖房を入れてもなかなか暖まらない。

このような症状があるときは、買い替えを考える前に、まず基本的な部分を確認します。

フィルターが汚れている、室外機のまわりに物が置かれている、カーテンや家具の配置で空気の流れが悪くなっているだけでも、効きが悪く感じることがあります。

掃除や環境の見直しで改善することもありますが、それでも変わらない場合は、冷媒、センサー、コンプレッサー、基板などに不具合が出ている可能性もあります。

特に、購入から10年前後経っている場合は、修理できるか、修理費がどれくらいか、買い替えた場合の費用と比べてどうかを見ながら判断するとよいでしょう。

異音・異臭・水漏れ・エラー表示がある

運転中に聞き慣れない音がする、焦げたようなにおいがする、室内機から水が漏れる、何度もエラー表示が出る。

このような症状がある場合は、無理に使い続けない方が安心です。

エアコンは電気を使う機器であり、室内機だけでなく室外機にも多くの部品があります。長期間使っていると、内部の部品や配線が劣化していることもあります。

異音や異臭があるときは、自己判断で分解したり、市販の洗浄剤で内部まで無理に洗浄したりせず、販売店やメーカー、専門業者へ相談しましょう。

特に内部洗浄は、誤った方法で行うと故障や事故につながるおそれがあります。フィルター掃除など日常的な手入れと、専門的な内部洗浄は分けて考えることが大切です。

修理費が高い、部品がない、年式が古い

エアコンが故障したとき、修理すれば使える場合もあります。

ただ、古い機種になると、修理用の部品が手に入りにくくなることがあります。メーカーごとに補修用性能部品の保有期間は定められていますが、製造終了から長い年数が経っていると、修理そのものが難しくなるケースもあります。

また、修理費が高額になる場合は、買い替えた方が現実的なこともあります。

たとえば、基板やコンプレッサーなど主要部品の故障で修理費が高くなる場合や、すでに10年以上使っている場合は、修理しても別の部分が故障する可能性があります。

「修理できるか」だけでなく、「修理後にどれくらい使えそうか」「買い替えた場合の電気代や快適性はどうか」まで含めて考えると、判断しやすくなります。

電気代が気になり始めた

古いエアコンを使っていると、電気代が気になることがあります。

ただし、電気代が上がった理由をエアコンだけに決めつけるのは早いかもしれません。

電気料金単価の変化、使用時間の増加、部屋の断熱性、設定温度、フィルターの汚れ、家族構成の変化など、さまざまな要因があります。

それでも、10年以上前の機種と新しい省エネ機種では、消費電力量に差が出ることがあります。夏や冬に長時間使う部屋であれば、本体価格だけでなく、今後の光熱費も含めて買い替えを検討する価値はあります。

買い替える場合は、部屋の広さに合った能力かどうか、同じ出力帯で比較しているか、必要以上に高機能な機種を選んでいないかも見ておきたいところです。

2027年のエアコン省エネ基準で何が変わる?

2027年に今のエアコンが使えなくなるわけではない

最近、「エアコンの2027年問題」という言葉を目にすることがあります。

これは、家庭用エアコンについて、2027年度以降の省エネ基準が新しくなることに関連した話題です。

ここでまず押さえておきたいのは、2027年になったら現在使っているエアコンが使えなくなる、という話ではないことです。

今あるエアコンをすぐに買い替える必要があるわけではありません。修理ができなくなる制度でもありません。

もちろん、古い機種で部品がない、故障が続いている、安全面に不安があるといった場合は別です。その場合は、2027年の基準とは関係なく、買い替えを検討した方がよいケースもあります。

大切なのは、「2027年だから急いで買う」のではなく、自宅のエアコンの状態を見て判断することです。

新基準はメーカー側の省エネ性能に関する制度

2027年度以降の新しい省エネ基準は、主にメーカーが販売するエアコンの省エネ性能に関する制度です。

エアコンは、トップランナー制度という仕組みの対象になっています。これは、製品全体の省エネ性能を高めていくための制度です。

一般の購入者にとっては、細かい基準値をすべて理解する必要はありません。

暮らしの中では、「今後、省エネ性能を意識したエアコン選びがより大切になる」と考えるとわかりやすいです。

エアコンを購入するときは、本体価格だけでなく、部屋の広さに合った能力、省エネ性能、使用時間、必要な機能、設置費用を含めて見ることが大切です。

価格だけでなく光熱費や使い方も含めて考える

2027年の省エネ基準については、「エアコンの価格が上がるのでは」といった話題もあります。

たしかに、省エネ性能の高い製品が増えれば、本体価格に影響が出る可能性はあります。

ただ、価格は制度だけで決まるものではありません。需要と供給、原材料価格、輸送費、為替、メーカーの機能設計、販売時期など、さまざまな要素で変わります。

そのため、「2027年になると必ず高くなる」「今買えば必ず得」といった断定は避けた方がよいでしょう。

買い替えを考えるときは、本体価格だけでなく、今後の光熱費、設置する部屋の使い方、修理費、工事費まで含めて検討すると現実的です。

たとえば、ほとんど使わない部屋のエアコンなら、急いで高性能機種に交換する必要はないかもしれません。

一方で、リビングや寝室など、夏も冬も長時間使う部屋であれば、省エネ性能や快適性を重視した方が、長い目で見て納得しやすい場合があります。

中古住宅・リフォーム済戸建・マンション購入時に確認したいこと

既存エアコンは「設備」か「残置物」か

中古住宅やリフォーム済戸建、リノベーションマンションを見学すると、すでにエアコンが設置されていることがあります。

そのときに確認したいのが、そのエアコンが「設備」として引き渡されるものなのか、それとも売主が置いていく「残置物」なのかという点です。

設備として契約内容に含まれる場合は、契約時の設備表などで状態を確認することになります。

一方、残置物として扱われる場合は、売主がサービスで置いていくものに近い扱いとなり、引渡し後に故障しても売主に修理や交換を求めにくいことがあります。

「エアコン付き」と見える物件でも、そのエアコンがどのような扱いなのかは、契約前に確認しておきたいところです。

特に築年数の経った中古住宅では、エアコンが古いまま残っていることもあります。見学時に動いたとしても、入居後も長く使えるとは限りません。

製造年と設置場所を確認する

エアコンを見るときは、室内機の見た目だけで判断しない方が安心です。

まず、製造年を確認します。室内機の下部や側面、銘板などに表示されていることがあります。

あわせて、室外機の状態も見ておきたいところです。

室外機が直射日光を強く受ける場所にある、周囲に物が多く風通しが悪い、雨風を受けやすい、海に近いエリアでサビが目立つ、といった場合は、使用年数以上に負担がかかっている可能性があります。

また、室内機と室外機をつなぐ配管の状態、配管カバーの有無、ドレンホースの劣化、室外機の置き場の安定感なども確認できると理想的です。

中古住宅の内見では、建物本体や水回りに目が行きがちですが、エアコンも入居後の快適性と費用に関わる設備です。

入居前に交換した方がよいケース

エアコンの交換は、入居前に済ませた方がスムーズな場合があります。

たとえば、壁紙の張り替えをする予定がある場合、古いエアコンを外した部分だけ壁紙の色が違って見えることがあります。交換予定があるなら、内装工事とタイミングを合わせた方がきれいに仕上がることもあります。

また、家具を搬入する前であれば、工事の作業スペースを確保しやすくなります。

夏前や冬前はエアコン工事が混み合いやすいため、引渡しから入居までの期間が短い場合は、早めに段取りを考えておくと安心です。

特に真夏の入居では、エアコンが使えない状態が数日続くだけでも大きな負担になります。

物件購入時には、住宅ローンや引越しの準備に意識が向きやすいですが、エアコン交換のタイミングも意外と大切です。

エアコン費用も住宅購入時の諸費用に入れて考える

住宅購入時の費用というと、物件価格、登記費用、住宅ローン費用、火災保険、仲介手数料などを思い浮かべる方が多いと思います。

ただ、入居後すぐに必要になる費用も忘れないようにしたいところです。

エアコンを交換する場合は、本体代だけでなく、取付工事費、既存エアコンの撤去費、リサイクル費用、配管カバー、専用コンセント、電圧切替、室外機置場の調整などが必要になることがあります。

戸建では、2階の部屋に設置する場合や、室外機を1階に置く場合など、配管が長くなり追加費用がかかることもあります。

マンションでは、室外機置場や配管ルートが決まっていることが多く、管理規約や施工方法の確認が必要になる場合もあります。

「エアコンは後で考えればいい」と思っていると、入居直前にまとまった出費になることがあります。

住宅購入を検討するときは、エアコン交換費用も入居後費用の一つとして見込んでおくと、資金計画に余裕を持ちやすくなります。

千葉市・市原市周辺で住まいを探すときの実務ポイント

海に近いエリアでは室外機まわりも確認する

千葉市や市原市周辺には、海に近いエリアもあります。

海沿いの地域では、建物や設備が潮風の影響を受けることがあります。エアコンの室外機も例外ではありません。

すべての物件で大きな影響が出るわけではありませんが、室外機にサビが目立つ、架台が傷んでいる、配管カバーが劣化している場合は、交換や補修の必要性も視野に入れておきたいところです。

内見時には、室内のきれいさだけでなく、バルコニーや建物外部の設備も確認しておくと安心です。

日当たりの強い部屋や戸建の2階は冷房負荷を見ておく

南向きで日当たりのよい部屋は、明るく気持ちよく暮らせる一方で、夏場は室温が上がりやすくなります。

戸建の2階や、屋根に近い部屋も熱がこもりやすいことがあります。

そのような部屋では、エアコンの能力が部屋の広さに合っているか、断熱性や窓の大きさに対して無理がないかを見ておきたいところです。

単に「6畳用」「10畳用」という表示だけでなく、部屋の形、日当たり、断熱性、使用時間も影響します。

購入後に「エアコンはあるのに効きが悪い」と感じることがないように、必要に応じて交換や能力の見直しを考えておくとよいでしょう。

最上階・角部屋・吹き抜けのある住まいは能力不足に注意する

マンションの最上階や角部屋は、開放感や採光の良さが魅力です。

ただ、外気の影響を受けやすい面もあります。夏は暑く、冬は冷えやすいと感じることもあります。

戸建で吹き抜けや広いLDKがある場合も、空間全体を冷暖房するには、エアコンの能力や設置位置が大切です。

リフォーム済戸建やリノベーションマンションでは、内装がきれいに仕上がっているため、設備の年式や能力に意識が向きにくいことがあります。

しかし、実際に暮らし始めると、冷暖房の快適性は毎日の生活に直結します。

住まいを選ぶときは、間取りやデザインだけでなく、「この部屋を快適に冷暖房できるか」という視点も持っておくと、入居後の満足度が変わってきます。

まとめ

エアコンの寿命は、単純に「何年経ったら交換」と決められるものではありません。

税務上の耐用年数、設計上の標準使用期間、実際の使用年数、故障症状、修理部品の有無、電気代、設置環境をあわせて見ることが大切です。

2027年の省エネ基準についても、現在使っているエアコンが急に使えなくなるわけではありません。

ただし、10年前後使っているエアコンで、効きが悪い、異音や異臭がある、水漏れする、修理費が高い、部品がないといった場合は、買い替えを検討するタイミングかもしれません。

中古住宅やリフォーム済戸建、リノベーションマンションを購入する場合は、既存エアコンが設備なのか残置物なのか、製造年はいつか、室外機の状態はどうか、入居前に交換した方がよいかを確認しておきましょう。

住宅購入では、物件価格や住宅ローンだけでなく、入居後すぐに必要になる設備費用も大切です。

エアコンは、毎日の快適さに関わる身近な設備です。焦って決める必要はありませんが、住まい選びや入居準備の段階で確認しておくと、後から慌てずに済みます。

参考情報

確認日:2026年6月13日

  • 国税庁「主な減価償却資産の耐用年数表」
  • 経済産業省「長期使用製品安全表示制度」
  • 資源エネルギー庁「27年4月からエアコンの新たな省エネ基準がスタート!エアコンについて知っておくべきポイントは?」
  • 資源エネルギー庁「エアコンディショナー|トップランナー制度」
  • 独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)「その“レトロ”ちょっと待った~! ~古いエアコン・扇風機の事故に注意~」
  • 一般社団法人日本冷凍空調工業会「長期使用製品安全表示制度について|家庭用エアコン」

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    高場智浩
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