エアコン2027年問題とは?賃貸オーナーが知っておきたい省エネ基準と設備管理のポイント
エアコン2027年問題は「すぐに全台交換が必要」という話ではない
「エアコン2027年問題」という言葉を見て、賃貸物件のオーナー様の中には不安を感じた方もいるかもしれません。
「2027年以降、今のエアコンは使えなくなるのか」
「古いエアコンは修理できなくなるのか」
「所有しているアパートや貸家のエアコンを、早めに全部交換した方がよいのか」
このような疑問を持つのは自然です。
ただ、最初に整理しておきたいのは、エアコン2027年問題は「今使っているエアコンが急に使えなくなる」という話ではないことです。
2027年4月から家庭用エアコンの新たな省エネ基準が始まります。
これは、エアコンメーカーに対して、出荷する製品全体の省エネ性能を高めていくことを求める制度です。
既存の賃貸物件に設置されているエアコンを、2027年になったら必ず交換しなければならない、という制度ではありません。
また、2027年度基準によって、今あるエアコンの修理が一律でできなくなるわけでもありません。
一方で、賃貸オーナーにとって、エアコンは入居者の生活に直結する大切な設備です。
真夏にエアコンが故障すれば、入居者の不満やトラブルにつながりやすくなります。
古い機種では、部品の入手が難しくなったり、修理より交換の方が現実的になったりすることもあります。
そのため、エアコン2027年問題は、賃貸オーナーが慌てて全台交換する話ではなく、所有物件の設備状況を見直すきっかけとして考えるのが現実的です。
エアコン2027年問題とは?
2027年4月から新たな省エネ基準が始まる
エアコン2027年問題とは、2027年4月から家庭用エアコンの新たな省エネ基準が始まることに関連して、エアコンの価格や商品構成、買い替え時期などへの影響が話題になっているものです。
エアコンは、家庭の電力使用量にも大きく関係する家電です。
そのため、省エネ性能の高い製品への移行を進めることは、エネルギー政策上も重要なテーマになっています。
新たな基準によって、今後は省エネ性能の高い機種が中心になっていく可能性があります。
ただし、基準が変わるからといって、賃貸物件に設置済みのエアコンを一斉に交換しなければならないわけではありません。
トップランナー制度はメーカーに対する制度
エアコンの省エネ基準は、トップランナー制度に基づくものです。
トップランナー制度とは、家電や自動車などの機器について、省エネ性能の高い製品を基準に、将来の目標基準を定める制度です。
エアコンの場合も、メーカーが出荷する製品全体として、省エネ性能を高めていくことが求められます。
ここで大切なのは、制度の対象が主にメーカー側であるという点です。
賃貸オーナーに対して、「所有物件の古いエアコンを2027年までに交換しなさい」と直接求めている制度ではありません。
現在使っているエアコンが使えなくなるわけではない
2027年4月から新たな省エネ基準が始まっても、現在使っているエアコンが使えなくなるわけではありません。
賃貸物件に設置しているエアコンも、正常に動いていて安全上の問題がなければ、そのまま使用を続けること自体は可能です。
もちろん、古いエアコンは故障リスクが高くなりやすく、電気代や効きの悪さ、異音、水漏れなどが気になることもあります。
そのため、年式や状態によっては交換を検討した方がよい場合もあります。
ただし、それは2027年問題だけが理由ではなく、通常の設備管理として考えるべきことです。
基準未達製品が一律に製造・出荷禁止になるわけではない
エアコン2027年問題では、「基準を満たさないエアコンは製造も出荷もできなくなる」といった説明を見かけることがあります。
しかし、トップランナー制度は、個々の製品すべてに対して一律に出荷禁止をかける制度ではありません。
メーカーが年度ごとの出荷製品全体で基準達成を目指す仕組みです。
そのため、2027年度以降に、基準値を満たさない製品が一律に製造・出荷禁止になると考えるのは正確ではありません。
賃貸オーナーとしては、過度な不安を持つよりも、今後、省エネ性能の高い機種が増えていく可能性があること、低価格帯の選択肢や価格帯が変わる可能性があることを、設備更新の計画に入れておく程度が現実的です。
賃貸オーナーが気にしたいのは「基準」よりも設備管理
エアコン2027年問題で賃貸オーナーが本当に気にしたいのは、省エネ基準の細かい数値そのものではありません。
実務上は、所有物件に設置されているエアコンの年式、故障履歴、部品保有期間、交換時期、入居者対応の方が重要です。
真夏の故障は入居者満足度に直結する
賃貸物件でエアコンが故障すると、入居者の生活に大きな影響が出ます。
特に6月から9月頃は、エアコンが使えないだけで日常生活に支障が出やすい時期です。
単身者向けのワンルームや1Kでは、居室のエアコンが使えないと、ほぼ生活空間全体に影響します。
戸建賃貸でも、リビングや寝室のエアコン故障は大きな不満につながります。
真夏に故障してから交換業者を探すと、工事が混み合っていて、すぐに対応できないことがあります。
そのため、古いエアコンが多い物件では、故障してから考えるのではなく、事前に状況を整理しておくことが大切です。
古い機種は部品保有期間を確認する
2027年度基準によって、既存エアコンの修理が一律でできなくなるわけではありません。
ただし、古い機種では、メーカーの補修用部品の保有期間が過ぎている場合があります。
部品がない場合、故障内容によっては修理ではなく交換になることがあります。
賃貸物件では、エアコンが1台だけではなく、複数台設置されていることもあります。
各部屋のエアコンについて、製造年、型番、過去の修理履歴を整理しておくと、管理会社や工事業者とのやり取りがスムーズになります。
省エネ性能の高い機種は光熱費の説明材料になる
賃貸物件では、エアコンの電気代は入居者が負担することが一般的です。
そのため、オーナー側から見ると、エアコンの省エネ性能は直接の支出に見えにくいかもしれません。
ただ、省エネ性能の高いエアコンが設置されていることは、入居者にとって魅力になる場合があります。
「新しいエアコンが付いている」
「省エネ性能の高い機種に交換済み」
「入居前に設備を見直している」
こうした情報は、募集時の説明材料になります。
もちろん、省エネ機種に交換すれば必ず家賃が上がる、必ず空室対策になる、とは言い切れません。
それでも、古い設備が多い物件では、入居者の印象を改善する一つの材料になりやすいです。
設備として貸している場合は対応の遅れに注意する
賃貸物件のエアコンには、大きく分けて「設備」として貸しているものと、「残置物」として扱われるものがあります。
設備として契約書や設備表に記載されているエアコンが故障した場合、原則として貸主側で対応することになります。
一方、前入居者が置いていったエアコンを残置物として扱っている場合は、契約内容によって対応が変わることがあります。
重要なのは、入居時点でエアコンの扱いを明確にしておくことです。
設備なのか、残置物なのか。
故障時は誰が修理・交換するのか。
入居者が勝手に撤去してよいのか。
こうした点が曖昧だと、故障時にトラブルになりやすくなります。
エアコン故障と賃料減額の関係
賃貸物件でエアコンが故障した場合、単なる設備修理の問題だけでなく、賃料減額の話につながることがあります。
ここは不安を煽る必要はありませんが、オーナーとして基本を知っておくと安心です。
設備として設置しているエアコンは貸主対応が基本になる
賃貸借契約でエアコンが設備として扱われている場合、通常は貸主側が修理や交換に対応します。
入居者の使い方に問題がある場合や、契約上の扱いが特殊な場合は別ですが、通常使用による故障であれば、貸主側の対応が必要になることが多いです。
そのため、管理会社へ連絡が入ったときに、対応方針をすぐ決められるようにしておくことが大切です。
「修理見積もりを取る」
「一定年数を超えていれば交換する」
「入居中の緊急性が高い場合は管理会社判断で手配する」
こうした判断ラインを事前に決めておくと、対応が遅れにくくなります。
民法611条では一部使用不能時の賃料減額が関係する
民法611条では、賃借物の一部が、賃借人の責めに帰することができない事由により使用収益できなくなった場合、賃料はその割合に応じて減額されると定められています。
エアコン故障がすぐに賃料減額に直結するかどうかは、物件の状況、契約内容、故障した設備、季節、部屋の使い方、対応状況によって変わります。
ただ、貸主側としては、設備不具合の連絡を受けたら、放置せず、できるだけ早く状況を確認することが大切です。
賃料減額ガイドラインではエアコン不具合の目安も示されている
公益財団法人 日本賃貸住宅管理協会では、貸室・設備等の不具合による賃料減額ガイドラインを公表しています。
このガイドラインでは、エアコンが作動しない場合の減額割合の目安も示されています。
ただし、これはあくまで目安です。
実際には、季節、地域、間取り、設置台数、代替手段、修理までの日数、借主・貸主双方の対応状況などによって判断が変わります。
「ガイドラインに書いてあるから必ずその通りになる」と考えるのではなく、トラブル予防のための参考資料として見ておくのがよいでしょう。
契約書・設備表・入居時説明でトラブルを減らす
エアコン故障時のトラブルを減らすには、入居時の書類整備が大切です。
具体的には、次の点を確認しておくと安心です。
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 設備表 | エアコンが設備か残置物かを明記する |
| 賃貸借契約書 | 修理・交換の負担者を確認する |
| 入居時チェック | 作動確認、リモコン、異音、水漏れの有無 |
| 管理会社との取り決め | 故障時の連絡先、見積もり、交換判断 |
| 写真記録 | 型番、設置状況、製造年を残しておく |
入居者とのトラブルは、故障そのものよりも「対応が遅い」「説明が曖昧」「誰が負担するのか分からない」という部分から起きやすいです。
契約時と入居時に整理しておくことで、故障時の対応がしやすくなります。
賃貸物件で確認したいエアコンの棚卸し項目
エアコン2027年問題をきっかけに、賃貸物件のエアコンを一度棚卸ししておくと、今後の管理がしやすくなります。
難しい作業ではありません。
まずは、どの部屋にどのエアコンが付いているかを一覧にすることから始めます。
設置年・製造年
最初に確認したいのは、エアコンの製造年です。
エアコン本体の側面や下部に貼られているラベルに、メーカー名、型番、製造年が記載されていることがあります。
設置年が分かる場合は、設置年も記録しておきましょう。
製造から10年前後を超えているエアコンは、故障時に修理より交換を検討する場面が増えやすくなります。
ただし、10年を超えたら必ず交換という意味ではありません。
使用頻度、設置環境、故障履歴、入居状況を見て判断します。
メーカー・型番・冷媒の種類
メーカー名と型番も記録しておきたい情報です。
型番が分かれば、メーカーサイトや取扱説明書で仕様を確認しやすくなります。
また、古い機種かどうかを見るうえで、使用している冷媒の種類が参考になる場合もあります。
ただし、冷媒だけで交換を判断するのは避けた方がよいです。
実際には、年式、故障内容、修理費、部品の有無、入居者への影響を総合的に見ます。
設置場所と台数
賃貸物件では、部屋ごとにエアコンの重要度が違います。
ワンルームや1Kであれば、居室のエアコンが生活全体に直結します。
ファミリー向け物件では、リビング、主寝室、子ども部屋など、設置場所によって優先度が変わります。
戸建賃貸では、全室にエアコンがあるのか、一部の部屋だけなのかも確認しましょう。
設備として貸している台数が多いほど、将来的な交換費用も大きくなります。
過去の修理履歴
過去に何度も修理しているエアコンは、交換を検討した方がよい場合があります。
たとえば、次のような履歴がある場合です。
- 冷えない・暖まらない
- 水漏れ
- 異音
- 基板交換
- 冷媒漏れ
- リモコン不良
- 室外機の不具合
同じような故障が繰り返されている場合、次回も入居中にトラブルになる可能性があります。
修理履歴は、管理会社に確認すると分かることもあります。
入居中か空室か
エアコン交換は、入居中よりも空室時の方が進めやすいことがあります。
入居中の場合、入居者との日程調整、室内作業、家具の移動、在宅対応などが必要です。
空室時であれば、原状回復工事や室内クリーニングとあわせて交換しやすくなります。
そのため、古いエアコンがある物件では、退去時や募集前のタイミングで交換を検討すると、効率よく進められる場合があります。
交換費用と優先順位
エアコンの交換費用は、機種、設置場所、配管状況、室外機置場、電源、隠ぺい配管の有無などで変わります。
一棟アパートで複数台を交換する場合は、まとめて見積もりを取る方法もあります。
棚卸しでは、次のように優先順位をつけると分かりやすいです。
| 優先度 | 状況の例 |
|---|---|
| 高い | 製造年が古い、故障履歴がある、生活上重要な部屋に設置 |
| 中程度 | 年式は古いが正常稼働、退去時に交換しやすい |
| 低い | 比較的新しい、故障履歴がない、使用頻度が低い部屋 |
全台を一度に交換する必要はありません。
費用対効果と入居者対応を見ながら、優先順位を決めることが大切です。
交換を検討しやすいエアコン・まだ様子を見やすいエアコン
エアコンの交換判断は、年式だけでは決まりません。
ここでは、賃貸オーナーが判断しやすいように、交換を検討しやすいケースと、まだ様子を見やすいケースを整理します。
交換を優先しやすいケース
交換を優先しやすいのは、次のようなケースです。
- 製造からかなり年数が経っている
- 冷えない、暖まらないなどの不具合がある
- 過去に何度も修理している
- 部品の入手が難しい
- 真夏や真冬に故障すると生活への影響が大きい
- 入退去のタイミングで室内工事がしやすい
- 募集時の印象を改善したい
特に単身向け物件では、居室のエアコンが使えないと生活への影響が大きくなります。
故障履歴がある古いエアコンは、入居前に交換しておく方が安心な場合があります。
点検・清掃で様子を見るケース
一方で、すぐ交換しなくてもよい場合もあります。
たとえば、比較的新しい機種で、故障履歴がなく、通常通り作動している場合です。
このような場合は、フィルター清掃、室内機・室外機の確認、ドレンホースの詰まり確認などで様子を見る選択肢もあります。
ただし、入居者から「効きが悪い」「音が大きい」「水が漏れる」といった連絡がある場合は、早めに確認した方がよいでしょう。
小さな不具合を放置すると、後で大きな修理や交換につながることがあります。
空室時・退去時に交換を検討するケース
賃貸物件では、空室時や退去時がエアコン交換を検討しやすいタイミングです。
原状回復工事、クロス張替え、室内クリーニングとあわせて工事ができるため、入居中よりも日程調整がしやすくなります。
また、募集写真に新しいエアコンが写ることで、物件の印象が良くなる場合もあります。
ただし、交換したからといって必ず早く決まる、必ず賃料を上げられるとは限りません。
他の設備、築年数、立地、賃料設定、競合物件とのバランスも見て判断しましょう。
売却前は「交換」よりも「状況整理」が有効な場合もある
賃貸物件や相続した実家を売却する場合、古いエアコンを交換すべきか迷うことがあります。
この場合、必ずしも交換が正解とは限りません。
買主が購入後にリフォームする予定であれば、売主側でエアコンを交換しても評価されにくいことがあります。
反対に、収益物件として入居中のまま売却する場合は、設備の修繕履歴や管理状況が説明材料になることがあります。
売却前は、交換するかどうかを単独で判断するのではなく、査定価格、販売方針、買主層、リフォーム予定を見ながら考えるのが現実的です。
エアコン交換の時期は、夏の繁忙期を避けて考える
エアコン交換は、時期によって手配のしやすさが変わります。
賃貸オーナーにとっては、故障してから慌てるよりも、計画的に検討する方が負担を減らしやすくなります。
6〜8月は故障・工事依頼が集中しやすい
6〜8月頃は、エアコンの使用頻度が高くなり、故障の連絡も増えやすい時期です。
同時に、工事業者への依頼も集中しやすくなります。
この時期にエアコンが故障すると、すぐに交換したくても、工事日程が取りにくいことがあります。
入居者にとっては、真夏にエアコンが使えない状態が長引くと大きな負担になります。
そのため、古いエアコンや故障履歴のあるエアコンは、夏前に状態を確認しておくと安心です。
春・秋は入居者との日程調整がしやすい場合がある
春や秋は、エアコンの使用頻度が比較的低く、交換工事の日程調整がしやすい場合があります。
入居中の物件でも、真夏や真冬に比べると、入居者の負担を抑えやすいことがあります。
退去後の空室であれば、原状回復工事やクリーニングと合わせて交換することもできます。
賃貸経営では、故障してから対応するより、工事しやすい時期に計画的に進めることがトラブル予防につながります。
一棟物件では複数台をまとめて見積もる方法もある
一棟アパートや複数戸の賃貸物件を所有している場合、エアコンが何台も設置されていることがあります。
古いエアコンが複数ある場合は、1台ずつ故障のたびに対応するより、まとめて見積もりを取る方法もあります。
ただし、全台を一度に交換する必要があるとは限りません。
年式や故障履歴、入居状況を見ながら、優先順位をつけて段階的に進める方法もあります。
管理会社や工事業者と相談しながら、費用とタイミングを整理しましょう。
管理会社と事前に判断ラインを決めておく
エアコン故障時に対応が遅れる原因の一つは、判断ラインが決まっていないことです。
管理会社から連絡が来るたびに、修理か交換かを一から考えていると、時間がかかります。
たとえば、次のようなルールを事前に決めておくと対応しやすくなります。
- 製造から一定年数を超えた場合は交換を優先する
- 修理見積もりが一定額を超えたら交換を検討する
- 真夏・真冬はスピードを優先する
- 入居中は管理会社判断で一次対応できる範囲を決める
- 空室時は募集前に設備点検を行う
物件ごとにルールを決めておくことで、入居者対応もスムーズになります。
補助金・自治体制度は「対象者」と「申請時期」を確認する
エアコンを交換する際、省エネ家電の補助金や自治体制度が使える場合があります。
ただし、補助制度は対象者、対象製品、申請時期、予算、工事前申請の有無などが制度ごとに異なります。
国や自治体の省エネ家電支援が使える場合がある
国や自治体では、省エネ家電の購入や住宅の省エネ改修を支援する制度が実施されることがあります。
エアコン交換が対象になる制度もありますが、すべての交換工事が対象になるわけではありません。
対象となる製品、省エネ性能、購入店舗、申請者、設置場所、申請期限などを確認する必要があります。
補助金を使う場合は、購入や工事の前に制度内容を確認しましょう。
工事後の申請では対象外になる制度もあります。
東京都など、地域限定制度は対象エリアに注意する
省エネ家電支援制度の中には、東京都など特定の自治体に限定された制度もあります。
辰巳地所の主な対応エリアである市原市・千葉市、千葉県内の物件では、東京都の制度が使えない場合があります。
一方で、千葉県内の市町村が独自に省エネ家電や住宅改修に関する支援を行うこともあります。
補助制度は年度ごとに変わるため、所有物件の所在地で使える制度を確認することが大切です。
賃貸オーナー・法人・個人で対象が異なる場合がある
補助制度では、申請できる人が限定されていることがあります。
個人が自宅用に購入する場合は対象でも、賃貸オーナーが賃貸物件用に交換する場合は対象外ということもあります。
法人名義の物件、個人所有の貸家、区分マンション、管理組合、居住用か賃貸用かによって扱いが変わる場合もあります。
補助金を前提に費用計画を組む前に、賃貸物件でも使える制度かを確認しましょう。
工事前申請が必要な制度もある
補助金でよくある注意点が、工事前申請です。
制度によっては、事前に申請し、交付決定を受けてから購入・工事を行う必要があります。
先にエアコンを購入してしまうと、補助対象外になる場合があります。
管理会社や工事業者に任せる場合でも、誰が申請するのか、いつ申請するのか、必要書類は何かを確認しておきましょう。
補助金は便利ですが、確実にもらえる前提で判断しすぎない方が安心です。
市原市・千葉市で賃貸物件を所有しているオーナーの実務ポイント
市原市・千葉市周辺で賃貸物件を所有している場合、エアコン管理は入居者満足度や売却時の説明にも関係します。
地域性や物件タイプに合わせて、確認するポイントを整理しておきましょう。
単身向け物件ではエアコン故障が退去理由になりやすい
市原市・千葉市の駅周辺や大学・勤務先に近いエリアでは、単身向け物件を所有しているオーナーもいると思います。
ワンルームや1Kでは、居室のエアコンが生活空間全体に影響します。
真夏にエアコンが故障し、対応が遅れると、入居者の不満が大きくなりやすいです。
特に築年数が経っている物件では、エアコンの年式を確認し、故障前の交換を検討することもあります。
戸建賃貸では設置台数と残置物扱いを確認する
戸建賃貸では、複数の部屋にエアコンが設置されていることがあります。
リビング、寝室、子ども部屋など、どのエアコンが設備で、どれが残置物なのかを整理しておきましょう。
相続した実家を貸している場合、前から付いていたエアコンをそのまま使っていることもあります。
その場合、賃貸借契約上の扱いが曖昧になりやすいです。
設備表を見直し、故障時の負担や撤去の扱いを確認しておくことが大切です。
相続した実家を貸している場合は設備表を見直す
相続した実家や空き家を賃貸に出している場合、エアコンだけでなく、給湯器、照明、換気扇、ウォシュレット、ガスコンロ、浄化槽など、設備全体の確認が必要です。
古い設備が多い物件では、入居後に次々と故障することがあります。
エアコン2027年問題をきっかけに、設備表を見直し、設備と残置物の区分を整理しておくと、後のトラブルを減らしやすくなります。
特に戸建賃貸では、部屋数が多く、設備の数も増えやすいため、一覧表を作っておくと管理しやすくなります。
売却を考えている場合は、交換前に査定と販売方針を確認する
賃貸物件や相続した実家を売却する予定がある場合、エアコンを交換する前に、売却方針を確認した方がよいことがあります。
買主が投資家なのか、自己居住目的なのか、リフォーム前提なのかによって、設備交換の評価は変わります。
収益物件として売る場合は、入居者がいる状態で設備が正常に使えることが説明材料になります。
一方、空き家を売る場合は、買主が購入後にリフォームや解体を予定していることもあります。
その場合、売主側でエアコンを新品に交換しても、費用に見合う評価を得にくいかもしれません。
売却前の設備交換は、不動産会社と査定や販売方針を確認してから判断するのが安心です。
賃貸物件を売却する前に、エアコンは交換すべき?
賃貸物件を売却する前に、古いエアコンを交換すべきかは悩ましいところです。
結論から言うと、物件の状態や売却方針によって変わります。
交換すれば必ず高く売れるわけではない
エアコンを交換すれば、見た目や印象は良くなる場合があります。
ただし、交換したからといって、必ず高く売れるとは限りません。
不動産の価格は、立地、築年数、土地面積、建物状態、賃貸中か空室か、利回り、周辺相場など、さまざまな要素で決まります。
エアコン交換費用を売却価格に上乗せできるかは、物件ごとの判断になります。
交換前に、売却査定と費用対効果を確認しましょう。
古い設備は告知・設備表で整理する
エアコンを交換しない場合でも、古い設備をそのまま曖昧にして売却するのは避けたいところです。
売却時には、付帯設備表や物件状況報告書などで、設備の有無や状態を整理します。
エアコンについても、動作確認済みなのか、故障しているのか、残置物扱いなのか、撤去予定なのかを明確にしておくことが大切です。
買主にとっても、設備状況が分かっていれば、購入後のリフォームや交換費用を見込みやすくなります。
収益物件では修繕履歴が説明材料になる
アパートや賃貸中の戸建など、収益物件として売却する場合、修繕履歴は買主への説明材料になります。
エアコンの交換履歴、給湯器の交換履歴、外壁塗装、屋根修繕、設備修理などが整理されていると、買主が管理状況を把握しやすくなります。
修繕履歴があるから必ず高く売れるわけではありません。
それでも、管理状況を説明しやすい物件は、買主が検討しやすくなる場合があります。
売却前は不動産会社と費用対効果を確認する
売却前にエアコンを交換するか迷ったら、まず不動産会社に相談するのが現実的です。
交換した方がよいのか。
現況のまま説明して売る方がよいのか。
撤去した方がよいのか。
買主層や販売方針によって判断は変わります。
特に、相続した実家、空き家、貸家、区分マンションでは、設備交換よりも、残置物整理、雨漏り確認、境界確認、浄化槽や給湯器の状態確認の方が優先される場合もあります。
売却前の費用は、かければよいというものではありません。
どこに費用をかけると売却しやすくなるのかを、物件ごとに整理しましょう。
まとめ|エアコン2027年問題は、設備管理を見直すきっかけとして考える
エアコン2027年問題は、賃貸オーナーが慌てて全台交換する話ではありません。
2027年4月から新たな省エネ基準が始まりますが、現在使っているエアコンが使えなくなるわけではなく、基準未達製品が一律に製造・出荷禁止になるわけでもありません。
また、2027年度基準によって、既存エアコンの修理が一律でできなくなるわけでもありません。
賃貸オーナーにとって大切なのは、省エネ基準そのものよりも、所有物件のエアコンの年式、故障履歴、部品保有期間、入退去時期、入居者対応を整理することです。
真夏の故障は入居者満足度に直結しやすく、対応が遅れると賃料減額や退去リスクにつながる場合もあります。
そのため、古いエアコンがある物件では、設備の棚卸しを行い、交換を優先する部屋、点検で様子を見る部屋、退去時に交換を検討する部屋を分けて考えるとよいでしょう。
市原市・千葉市を中心に、賃貸物件や相続した実家を所有している方は、エアコンだけでなく、給湯器、残置物、雨漏り、境界、浄化槽、告知事項なども含めて、設備状況を整理しておくと安心です。
売却を考えている場合は、エアコンを交換する前に、査定と販売方針を確認することをおすすめします。
参考情報
確認日:2026年6月13日
- 資源エネルギー庁「27年4月からエアコンの新たな省エネ基準がスタート!エアコンについて知っておくべきポイントは?」
- 資源エネルギー庁「エアコンディショナー|トップランナー制度」
- 内閣府 消費者委員会資料「省エネ法に基づくエアコン告示の改正概要について」
- 環境省「フロン排出抑制法」ポータルサイト FAQ
- 国土交通省「民間賃貸住宅に関する相談対応事例集」
- 公益財団法人 日本賃貸住宅管理協会「貸室・設備等の不具合による賃料減額ガイドライン」
- e-Gov法令検索「民法」
- 各自治体の省エネ家電・住宅改修等の補助制度
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辰巳地所では、市原市・千葉市を中心に、千葉県内および一都三県の不動産購入・売却をサポートしています。
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