クラブツーリズム

先日、自宅マンションの掲示板に「バルコニーでの喫煙に関する注意書」が貼り出されていました。これが掲示されるのは今回で2回目です。

近年、多くのマンションでは管理規約や使用細則によって、バルコニーなどの共用部分での喫煙を禁止しています。とはいえ、残念ながらそのルールを遵守しない住人がいるのも事実です。賃貸物件であれば我慢できなければ引っ越すという選択も可能ですが、中古マンションを購入した場合はそう簡単にはいきません。

そこでこの記事では、中古マンションの購入にあたり、後悔やご近所トラブルを避けるための事前のチェックポイントと、万が一の際の対処法についてまとめました。

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中古マンション購入前にチェックすべき4つのポイント

内見時や契約前に、以下のポイントをしっかりと確認しておきましょう。

1. 現地確認(掲示板・共用廊下・バルコニー)

お部屋の中だけでなく、共用部分の様子はマンションの「今の状態」をよく表しています。

  • 掲示板の確認
    エントランスの掲示板は必ずチェックしましょう。騒音やゴミ出しのマナー違反に関する注意書が多数掲示されているマンションは、日常的にトラブルが起きている可能性があるため注意が必要です。
  • 対象住戸に至るまでの廊下
    以前、私が取引に関わった渋谷区のマンションでは、廊下に面した部屋の窓を開けて喫煙している住人がおり、喫煙のたびに共用廊下にタバコの臭いが充満して問題になっていました。対象のお部屋へ向かう廊下の雰囲気や臭いも意識して確認しましょう。
  • 対象住戸のバルコニー
    実際にバルコニーに出て、隣接する住戸の様子を確認します。可能であれば、住人が在宅している確率が高い「夕方以降」や「土日祝日の日中」など、時間帯や曜日を変えて複数回内見することをおすすめします。

2. 管理人にヒアリングする

管理人は管理会社の窓口として、マンション内のクレームや相談を住人から直接受けていることが多い立場です。内見の際などに、現在トラブルが起きていないか、過去に大きな問題はなかったか、さりげなくヒアリングしてみましょう。

3. 売主・物元(売主側の仲介会社)に確認する

売主や、物件を預かっている売主側の仲介会社に直接確認するのも確実な方法です。もしトラブルの存在を知っていながら隠して売却し、後で発覚した場合、「契約不適合責任」に問われるリスクがあるため、基本的には正直に答えてもらえるはずです。

4. 重要事項調査報告書や総会議事録を確認する

書類からトラブルの火種を読み解くことも重要です。

  • 重要事項調査報告書
    管理会社が発行する資料で、中古マンション取引の初期段階で取得するものです。通常は売主側の仲介会社が手配・保管しています。
  • 定期(臨時)総会議案書・議事録
    過去に議論されたトラブルや今後の修繕予定などが記載されています。最近は大手不動産仲介会社を中心に、これらの書類を事前に取得しているケースが増えているため、可能であれば入手して必ず目を通すようにしましょう。

実際にあった「バルコニー喫煙」に関する裁判例

バルコニーでの喫煙は、場合によっては裁判に発展することもあります。

【名古屋地方裁判所 2012年12月判決】

70代の女性が、真下の階に住む60代の男性に対し「バルコニーでの喫煙による煙で体調が悪化した」として、150万円の損害賠償を求めた事例です。

女性は2008年頃に入居して以来、階下からのタバコの煙に悩まされていました。男性側は「使用細則にバルコニーでの喫煙を禁止する明確な規則はない」と反論しました。

裁判所は、管理組合が掲示等で注意喚起を行った2011年5月以降も、男性が喫煙を続けた行為は「不法行為」にあたると判断し、男性に対して5万円の慰謝料支払いを命じました。

このように、規約に明記されていなくても、注意喚起を無視した迷惑行為は法的な責任を問われる可能性があります。

万が一、入居後にトラブルになったら?

どれだけ事前に確認しても、入居後にトラブルに巻き込まれる可能性はゼロではありません。問題が発生した場合は、以下の鉄則を守って冷静に対処しましょう。

  • 直接の苦情は避ける
    感情的になって直接文句を言いに行くと、「逆恨み」や「嫌がらせ」など、さらに深刻なトラブルに発展する危険性があります。当事者同士での直接的な解決は避けましょう。
  • 詳細な記録をつける
    「いつ」「どのくらいの頻度で」「どこから」煙(または騒音など)が来るのか、日時とともに細かくメモを取ります。この記録が、後で管理会社や管理組合に動いてもらう際の重要な「客観的根拠」となります。
  • 管理会社・管理組合を介して対応する
    記録を持参した上で相談し、まずは「掲示板への注意喚起」や「全戸へのポスティング(書面通知)」といった形で、個人を特定せずにマンション全体へ向けて対応してもらうのが最も安全な解決の糸口です。

万が一トラブルになった場合

分譲マンションでは直接文句を言いに行くと「逆恨み」や「嫌がらせ」に発展するリスクがあります。管理会社や管理組合を介するのが鉄則です。

管理会社・管理組合に相談し、掲示板への注意喚起や、全戸配布の書面で通知してもらいましょう。

「いつ」「どのくらいの頻度で」「どこから」煙が来るのか等、記録をつけておくことで、管理会社・管理組合が動く際の「根拠」になります。

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    高場智浩
    千葉県市原市出身/在住。法政大学文学部史学科卒。 賃貸仲介を経て、2015年より売買仲介に従事しています。 城南・城西エリア、横浜市、川崎市、熱海市、湯河原町を中心に一都三県で、約400件の購入・売却のお手伝いをさせていただきました。購入・売却・住宅ローン等、不動産に関することは何でもご相談ください。