不動産エージェントの選び方|レインズの利用制限と宅建業者へ依頼する重要性
SNSで見かける不動産エージェントに依頼する前に確認したいこと
近年、SNS上では不動産エージェントを名乗るアカウントの発信が目立つようになりました。
X(旧Twitter)、TikTok、Instagram、Threadsなどで、不動産売買の注意点、住宅ローン、仲介手数料、物件の選び方、不動産業界の裏側などを発信している方もいます。
中には、実務経験が豊富で、消費者にとって役立つ情報を分かりやすく伝えているアカウントもあります。
不動産会社の公式サイトだけでは分かりにくい実務の話を、SNSで知ることができるのは、消費者にとってメリットです。
一方で、SNS上の発信だけでは分からないこともあります。
たとえば、次のような点です。
- その人がどの宅建業者に所属しているのか
- 宅建業免許を持つ会社はどこなのか
- 媒介契約を結ぶ相手は誰なのか
- 重要事項説明を行う宅地建物取引士は誰なのか
- レインズを誰が確認・登録するのか
- 契約書作成や物件調査の責任を誰が負うのか
- 個人情報や物件情報をどのように管理しているのか
- トラブル時の責任者は誰なのか
SNSで信頼できそうだと感じることと、実際の不動産取引を安全に任せられる体制があることは、分けて考える必要があります。
匿名・半匿名の発信だけでは責任体制が見えにくい
SNSでは、匿名やハンドルネームで活動する不動産アカウントもあります。
匿名だから悪い、ということではありません。
匿名・半匿名だからこそ、業界の実情や本音に近い情報を発信しやすい面もあります。
ただし、実際に売却や購入を依頼する段階では、匿名のままでは不十分です。
不動産売買では、宅建業免許、媒介契約、重要事項説明、契約書作成、物件調査、住宅ローン、個人情報管理など、責任の所在を明確にすべき場面が多くあります。
SNS上での発信は、情報収集の入口としては役立ちます。
しかし、取引を依頼する段階では、所属する宅建業者、免許番号、担当者の立場、会社の責任体制を確認しましょう。
問題は働き方ではなく、レインズ利用と情報管理
不動産エージェントという働き方自体を一律に否定する必要はありません。
業務委託型のエージェントの中にも、丁寧に仕事をしている方や、特定分野に詳しい方はいます。
問題は、働き方そのものではありません。
大切なのは、レインズを誰が適正に利用できるのか、情報管理をどのように行っているのか、会社として責任を持てる体制があるのかという点です。
特にレインズは、一般の方や外部の個人が自由に使えるシステムではありません。
レインズのユーザID・パスワードは、会員である宅建業者の事業所ごとに発行され、その事業所のみが利用できるものです。
会員が業務を委託した個人事業主、いわゆる不動産エージェントや外交員などに、ID・パスワードを貸与して利用させることはできません。
担当者個人ではなく、宅建業者としての責任体制を見る
不動産売買では、担当者個人の知識や経験も大切です。
しかし、それだけで判断するのは危険です。
実際の取引では、次のような会社としての体制が重要になります。
- 宅建業免許を持つ会社が責任主体になる
- レインズを適正に利用できる体制がある
- 物件調査を会社として確認する
- 重要事項説明を宅地建物取引士が行う
- 契約書や重要事項説明書を適切に作成する
- 個人情報・物件情報を適切に管理する
- トラブル時の相談先が明確である
SNSで見かけた不動産エージェントに相談する場合でも、最終的には「どの宅建業者に依頼するのか」を確認することが大切です。
レインズとは何か
レインズとは、国土交通大臣の指定を受けた指定流通機構が運営する、不動産会社向けの物件情報交換システムです。
正式には「不動産流通標準情報システム」と呼ばれます。
不動産会社は、売却依頼を受けた物件情報をレインズに登録したり、他社が登録した物件情報を確認したりすることで、取引の相手方を探します。
宅建業者向けの物件情報交換システム
レインズは、宅建業者が不動産取引を円滑に進めるための情報基盤です。
売主から売却依頼を受けた不動産会社が物件情報を登録し、買主側の不動産会社がその情報を確認して購入希望者へ紹介することがあります。
この仕組みによって、売主にとっては買主を広く探しやすくなり、買主にとっては市場に出ている物件情報へアクセスしやすくなります。
ただし、レインズは誰でも見られる一般向けサイトではありません。
SUUMO、アットホーム、HOME’Sなどの不動産ポータルサイトとは性質が異なります。
一般の方は直接利用できない
一般の売主や買主は、レインズを直接閲覧することはできません。
レインズを利用できるのは、指定流通機構の会員である宅建業者です。
そのため、一般の方が「レインズに載っている物件を自分で検索する」「レインズのIDを借りて見る」といったことはできません。
売主の場合、専任媒介契約や専属専任媒介契約で売却を依頼した物件については、登録証明書に記載された売主専用画面から、自分の物件の登録内容や取引状況を確認できる仕組みがあります。
ただし、それは自分が売却を依頼した物件の確認であり、レインズ全体を自由に閲覧できるという意味ではありません。
売却・購入の現場で重要な情報基盤
レインズは、売却でも購入でも重要です。
売却では、専任媒介契約・専属専任媒介契約を結んだ場合、不動産会社にレインズ登録義務があります。
買主側では、不動産会社がレインズやポータルサイト、業者間情報などを確認しながら物件を探します。
そのため、不動産会社や担当者がレインズを適正に利用できる体制にあるかどうかは、売主・買主双方にとって重要です。
レインズを利用できるのは誰か
レインズは、会員である宅建業者の事業所ごとにユーザID・パスワードが発行されます。
そして、そのID・パスワードは、その事業所のみが利用できます。
ここは、この記事で特に重要なポイントです。
会員である事業所ごとにID・パスワードが発行される
レインズのID・パスワードは、個人の営業担当者が自由に持つものではありません。
会員である事業所ごとに発行され、その事業所の業務として利用するものです。
そのため、同じ会社グループであっても、別の事業所や関連会社が勝手にID・パスワードを使うことはできません。
レインズ情報は、物件情報や取引状況に関わる重要な業務情報です。
適切な管理が求められます。
ID・パスワードを「他の者」に貸与してはいけない
レインズのユーザID・パスワードは、「他の者」に貸与したり、何らかの方法でレインズを利用させたりしてはいけないとされています。
ここでいう「他の者」には、顧客だけでなく、業務委託先、関連会社、自社の他の事業所なども原則として含まれます。
つまり、宅建業者の会員事業所が取得したID・パスワードを、別の人や別の組織に使わせることはできません。
「実務上便利だから」「担当者が外部委託だから」「同じグループだから」といった理由で、ID・パスワードの貸与が認められるわけではありません。
業務委託先の個人事業主・不動産エージェントも「他の者」に含まれる
特に重要なのが、業務委託先の個人事業主です。
レインズの利用に関する資料では、会員が業務を委託した個人事業主は、「不動産エージェント」「外交員」などの名称を問わず、「他の者」に該当する例として挙げられています。
つまり、業務委託型の不動産エージェントに、会員事業所のレインズID・パスワードを貸与し、直接レインズを利用させることはできません。
不動産エージェントという名称で活動していても、レインズ利用のルールが変わるわけではありません。
この点は、消費者がSNSで見かけた不動産エージェントへ相談する際にも知っておきたい重要なポイントです。
他の会員のID・パスワードも使えない
他の会員のユーザID・パスワードを使ってレインズを利用することもできません。
この「他の会員」には、関連会社だけでなく、自社の他の事業所も含まれます。
不動産会社の内部でも、事業所ごとのID・パスワード管理が必要です。
そのため、「別事業所のIDを使う」「関連会社のIDを使う」「業務委託先が他の会員のIDを使う」といった運用は問題になります。
ID・パスワード管理で注意すべきこと
レインズのID・パスワードは、適切に管理しなければなりません。
不動産会社にとっては、単なるログイン情報ではなく、重要な業務情報へアクセスするための鍵です。
推測されやすいパスワードや掲示は避ける
容易に推測できるパスワード設定は避ける必要があります。
また、ユーザID・パスワードを事業所内に掲示するような管理も不適切です。
誰でも見られる場所にID・パスワードが貼られている状態では、情報管理として危険です。
レインズ情報は、物件情報や取引状況に関わるため、適切なアクセス管理が求められます。
パスワード変更や退職者対応も必要
パスワードは定期的に変更することが求められます。
また、レインズを利用していた従業員が退職した場合には、速やかにパスワード変更等の措置を行う必要があります。
退職者が以前のID・パスワードを使える状態が残っていると、情報漏えいや不正利用のリスクがあります。
会社として、誰が利用できるのか、退職・異動時にどう管理するのかを整えておく必要があります。
「他の者」による不正使用でも会員が責任を負う
「他の者」によってID・パスワードの不正使用等があった場合でも、その会員が責任を負うことになります。
これは非常に重要です。
業務委託先や外部のエージェントにID・パスワードを使わせた結果、問題が起きたとしても、「外部の人がやったことだから会社は関係ない」とは言いにくいということです。
不動産会社は、レインズID・パスワードを適切に管理し、誰に使わせるのか、そもそも使わせてよい相手なのかを厳格に判断する必要があります。
業務委託型エージェントに依頼するときの注意点
業務委託型エージェントに相談すること自体が、直ちに問題というわけではありません。
ただし、依頼する側としては、担当者個人だけではなく、その背景にある宅建業者の体制を確認する必要があります。
担当者個人ではなく所属会社と免許を確認する
不動産エージェントに相談するときは、まず次の点を確認しましょう。
- どの宅建業者に所属しているのか
- その会社の宅建業免許番号は何か
- 媒介契約を結ぶ相手は誰か
- 重要事項説明を行う宅地建物取引士は誰か
- 契約書作成や物件調査は誰が責任を持つのか
- トラブル時の責任者は誰か
SNSアカウントのプロフィールや担当者個人の発信だけでは、責任体制までは分かりません。
名刺、会社概要、宅建業免許番号、所属団体、媒介契約書の相手方を確認することが大切です。
レインズを誰が確認し、誰が責任を持つのか
業務委託型エージェントは、会員事業所のID・パスワードを借りて自由にレインズを使うことはできません。
そのため、物件情報の確認やレインズ登録を誰が行うのかを確認する必要があります。
たとえば、次のように聞いてみるとよいでしょう。
- レインズの確認は所属会社のどなたが行いますか?
- 物件調査は誰が責任を持ちますか?
- 売主の場合、レインズ登録証明書は交付されますか?
- 買主の場合、物件情報の確認ルートはどうなっていますか?
- 重要事項説明や契約書作成は誰が担当しますか?
曖昧な説明しかない場合は、注意が必要です。
物件調査・重要事項説明・契約責任の所在
不動産売買では、物件調査と重要事項説明が非常に重要です。
道路、用途地域、建築制限、権利関係、管理規約、修繕履歴、越境、境界、インフラ、契約不適合責任など、確認すべきことは多くあります。
これらを誰が調査し、誰が説明し、誰が責任を持つのかを確認しましょう。
不動産エージェント個人が窓口であっても、最終的に宅建業者として責任を持つ会社が明確であることが重要です。
情報管理体制があるか
不動産売買では、本人確認書類、収入資料、住宅ローン情報、登記情報、相続関係資料など、個人情報を多く扱います。
そのため、情報管理体制も重要です。
次のような点を確認しましょう。
- 資料をどのように受け渡しするのか
- 個人情報をどこで保管するのか
- 業務委託先がどこまで情報にアクセスするのか
- 社内でチェックする体制があるのか
- 取引完了後の資料管理はどうなるのか
情報管理を軽く扱う担当者や会社には、慎重になった方がよいでしょう。
免許を持つ宅建業者へ依頼する重要性
不動産売買では、免許を持つ宅建業者へ依頼することが重要です。
もちろん、宅建業免許を持つ会社であれば必ず安心というわけではありません。
しかし、宅建業者であることは、不動産売買を適正に進めるための前提になります。
宅建業免許のある会社が取引の責任主体になる
宅建業を営むには、宅地建物取引業法に基づく免許が必要です。
売買仲介を依頼する場合、媒介契約を結ぶ相手は宅建業者です。
担当者がどれだけ親切でも、実際に契約上の責任を負うのは宅建業者です。
そのため、依頼前には宅建業免許番号、会社名、所在地、代表者、所属団体などを確認しましょう。
レインズの適正利用が期待できる
レインズは、会員である宅建業者の事業所が利用する仕組みです。
免許を持つ宅建業者へ依頼することで、レインズ登録や物件情報確認を、会社として適正に行う体制が期待できます。
売主の場合、専任媒介契約・専属専任媒介契約では、レインズ登録、登録証明書の交付、業務報告などが重要になります。
買主の場合も、不動産会社がレインズや業者間情報を適切に確認できる体制にあることが重要です。
重要事項説明・契約書作成・調査体制を確認できる
宅建業者へ依頼することで、重要事項説明や契約書作成、物件調査の体制を確認できます。
不動産売買では、契約前の説明不足や調査不足がトラブルにつながります。
担当者個人の営業力だけでなく、会社として調査・説明・契約をチェックする体制があるかを見ましょう。
トラブル時の相談先が明確になる
不動産取引で問題が起きたとき、相談先が明確であることも重要です。
宅建業者であれば、会社の責任者、所属団体、行政庁など、相談や確認のルートがあります。
一方、個人のエージェントとのやり取りだけが前面に出ている場合、トラブル時にどこへ相談すればよいのか分かりにくくなることがあります。
依頼前に、会社として誰が責任を持つのかを確認しましょう。
処分事例から学べること
2026年3月30日付のREINS INFORMATIONでは、会員4社の処分が掲載されています。
その中には、業務委託契約を締結した「不動産エージェント」に対し、レインズのユーザID・パスワードを貸与し、レインズを利用させたことを理由とする処分事例が含まれています。
業務委託エージェントへのID貸与が問題になった事例
公表資料では、ある会員が業務委託契約を締結した「不動産エージェント」に対し、レインズのユーザID・パスワードを貸与し、レインズを利用させたことが処分理由として記載されています。
また、別の会員についても、業務委託契約を締結した「不動産エージェント」にレインズのユーザID・パスワードを貸与し、レインズを利用させたことが処分理由とされています。
ここで重要なのは、「不動産エージェント」という働き方が問題なのではなく、レインズID・パスワードの貸与と情報管理の問題です。
問題は個人の営業スタイルではなくID・情報管理
処分事例から分かるのは、個人の営業スタイルそのものではなく、レインズのID・パスワード管理が非常に重要であるということです。
レインズ情報は、宅建業者の会員事業所が適正に利用すべき情報です。
業務委託先の個人事業主にID・パスワードを貸与して利用させることは、レインズのルール上問題になります。
この点を消費者側も理解しておく必要があります。
会社が管理・監督できる体制があるか
不動産取引を依頼する際は、会社として管理・監督できる体制があるかを見ましょう。
特に、業務委託型エージェントが窓口になる場合は、次の点が重要です。
- 所属会社はどこか
- 宅建業免許はあるか
- レインズ確認は誰が行うか
- 物件調査を誰が行うか
- 契約前に会社内チェックがあるか
- 重要事項説明を行う宅地建物取引士は誰か
- トラブル時の責任者は誰か
担当者個人が前面に出ていても、会社としての管理体制が整っているかを確認することが大切です。
媒介の依頼を受けていない物件登録の禁止
今回の資料では、レインズへの物件登録についても重要な注意喚起がされています。
それが、媒介の依頼を受けていない登録の禁止です。
レインズ登録には書面による媒介依頼が必要
売買・賃貸物件を問わず、レインズへ登録する媒介物件は、口頭ではなく書面によって依頼を受けている必要があります。
つまり、媒介契約を結んでいない物件を勝手にレインズへ登録することはできません。
媒介契約に基づく物件情報の登録は、媒介契約に定めた事項と合致し、レインズの各入力項目に適切な内容を登録する必要があります。
「契約していないのに登録されている」は問題
資料では、「契約していないのにレインズに登録されている」「媒介の更新をしていないのにレインズから削除されない」などの申し出が多く寄せられているとされています。
書面による媒介依頼を受けていないことが確認された場合、処分等の対象となるとされています。
売主・貸主としては、媒介契約を結んでいない物件が勝手に登録されていないか、媒介契約終了後も登録が残っていないかを確認することも大切です。
媒介契約が終了したら削除が必要
媒介契約の期限が切れ、更新しない場合は、直ちにレインズから削除する必要があります。
これは売主にとっても重要です。
売却を依頼する会社を変えた場合や、媒介契約を更新しなかった場合に、以前の不動産会社の登録が残っていると、情報管理や販売活動に混乱が生じることがあります。
媒介契約を終了した場合は、レインズ上の登録がどう扱われるのかも確認しましょう。
売主が確認したいポイント
不動産を売却する場合、売主は次の点を確認しましょう。
宅建業免許番号
まず、依頼先が宅建業免許を持つ会社か確認します。
会社名、免許番号、所在地、代表者、所属団体などを確認しましょう。
「担当者が誰か」だけでなく、「どの会社と媒介契約を結ぶのか」が重要です。
媒介契約を結ぶ相手
売却を依頼する場合、媒介契約を結ぶ相手は宅建業者です。
業務委託型エージェントが窓口であっても、契約上の相手方となる宅建業者を確認しましょう。
媒介契約書の会社名、免許番号、担当者、契約期間、レインズ登録の有無、報告方法を確認します。
レインズ登録証明書
専任媒介契約・専属専任媒介契約では、レインズ登録義務があります。
登録後は、不動産会社から登録証明書を受け取りましょう。
登録証明書は、自分の物件がレインズに登録されたことを確認する重要な書類です。
売主専用画面と取引状況
登録証明書には、売主専用画面へアクセスするための情報が記載されています。
2025年1月からは、登録証明書に2次元コードが掲載され、売主専用画面へアクセスしやすくなっています。
売主専用画面では、登録内容や取引状況を確認できます。
取引状況が事実と違う場合や、説明と違う表示になっている場合は、不動産会社に確認しましょう。
活動報告と他社問い合わせ対応
専任媒介契約・専属専任媒介契約では、不動産会社から業務処理状況の報告を受けます。
報告では、次のような点を確認しましょう。
- 問い合わせ件数
- 内見件数
- レインズ経由の反応
- 他社からの問い合わせ
- 買主の反応
- 価格見直しの提案
- 広告改善の提案
「反響なし」だけで終わる報告ではなく、次に何を改善するのかまで確認することが大切です。
媒介契約の期限と更新の有無
媒介契約には期間があります。
専任媒介契約・専属専任媒介契約では、契約期間は3か月以内で定められます。
契約期間が終わり、更新しない場合は、レインズから削除される必要があります。
売却を依頼する会社を変える場合や売却を一時中止する場合は、レインズ登録がどうなるのかも確認しましょう。
買主が確認したいポイント
不動産を購入する場合も、担当者個人だけでなく会社の体制を確認することが大切です。
担当者の所属会社
買主は、担当者がどの宅建業者に所属しているのかを確認しましょう。
不動産エージェントとして活動している場合でも、どの会社の責任で取引を行うのかを確認する必要があります。
名刺、会社概要、宅建業免許番号、所属団体などを確認しましょう。
物件情報の確認ルート
買主が見ている物件情報が、どのように確認されたものかも大切です。
ポータルサイト情報だけなのか、売主側不動産会社へ確認したのか、レインズ掲載情報を宅建業者が確認しているのか。
物件の販売状況や申込み状況は変わるため、担当者がどのように確認しているかを聞いてみましょう。
レインズ掲載物件を扱える体制
レインズ掲載物件を確認するには、宅建業者として適正な利用体制が必要です。
業務委託型エージェントが窓口であっても、所属会社がどのようにレインズ情報を確認し、買主へ案内するのかを確認しましょう。
「自分で全部見られます」という説明だけではなく、会社としての確認体制があるかが重要です。
住宅ローン・契約・重要事項説明のサポート
不動産購入では、物件探しだけでなく、住宅ローン、資金計画、重要事項説明、売買契約、引渡しまでのサポートが必要です。
担当者の説明が分かりやすいか、物件のデメリットも説明してくれるか、住宅ローンの条件を整理してくれるか、契約前に疑問を解消してくれるかを確認しましょう。
個人に任せるのではなく会社の責任体制を見る
買主にとっても、担当者個人の魅力だけで依頼先を決めるのは危険です。
大切なのは、会社としての責任体制です。
物件調査、重要事項説明、契約書作成、住宅ローン対応、引渡しまで、どこまで会社として確認してくれるのかを見ましょう。
信頼できる不動産会社・担当者の見極め方
不動産会社や担当者を選ぶときは、次のような点を確認しましょう。
免許・所属・責任者を明示する
信頼できる会社や担当者は、宅建業免許番号、会社名、所在地、担当者の所属、責任者を明確に示します。
反対に、担当者個人のプロフィールばかりが前面に出て、会社の責任体制が分かりにくい場合は注意が必要です。
レインズの仕組みを説明できる
売主・買主に対して、レインズの仕組みを分かりやすく説明できるかも重要です。
売主には、レインズ登録、登録証明書、売主専用画面、取引状況の確認方法を説明できること。
買主には、レインズは一般の方が直接見られるものではなく、宅建業者が確認する仕組みであることを説明できること。
こうした基本を丁寧に説明できる会社は、安心感があります。
できること・できないことを正直に伝える
不動産取引では、できることとできないことがあります。
たとえば、「どの物件でも必ず扱える」「必ず安く買える」「必ず高く売れる」といった断定的な説明には注意が必要です。
信頼できる担当者は、できることだけでなく、できないことや確認が必要なことも説明します。
情報管理を軽く扱わない
レインズID・パスワード、本人確認資料、住宅ローン資料、登記情報などを軽く扱う会社には注意が必要です。
情報管理の姿勢は、会社の信頼性に直結します。
資料の受け渡し方法、保管方法、共有範囲、退職者や業務委託先への情報管理などを軽く考えていないか確認しましょう。
契約前に不安点を説明してくれる
媒介契約や売買契約の前に、疑問や不安をきちんと説明してくれるかも重要です。
不動産売買では、契約してからでは戻りにくい場面があります。
そのため、契約前に、レインズ、媒介契約、販売活動、住宅ローン、重要事項説明、契約条件について納得できるまで確認しましょう。
よくある質問
業務委託の不動産エージェントは違法ですか?
業務委託型の不動産エージェントという働き方自体が、直ちに違法というわけではありません。
ただし、レインズID・パスワードの貸与や不適切な利用、情報管理、責任体制には注意が必要です。
依頼する場合は、所属する宅建業者、免許番号、責任者、レインズ確認の方法、契約書類の作成体制を確認しましょう。
匿名の不動産エージェントに相談しても大丈夫ですか?
情報収集としてSNSの発信を参考にすること自体は問題ありません。
ただし、実際に売却や購入を依頼する段階では、匿名のままでは不十分です。
所属会社、宅建業免許番号、媒介契約を結ぶ相手、重要事項説明を行う宅地建物取引士、レインズ確認の方法を確認しましょう。
業務委託エージェントはレインズを見られないのですか?
業務委託先の個人事業主である不動産エージェントは、会員事業所のID・パスワードを借りて自由にレインズを利用することはできません。
レインズID・パスワードは会員事業所ごとに発行され、その事業所のみが利用できるものです。
物件情報の確認を誰が行うのか、所属会社がどのように対応するのかを確認しましょう。
宅建業者なら必ず安心ですか?
宅建業免許を持つ会社であれば必ず安心、というわけではありません。
ただし、不動産売買を適正に進めるうえで、宅建業免許を持つ会社が責任主体になることは重要です。
免許の有無に加えて、担当者の説明、会社の管理体制、レインズの適正利用、活動報告、物件調査の内容を確認しましょう。
レインズに載っている物件はどの不動産会社でも扱えますか?
レインズに登録されている物件は、他の宅建業者も情報を確認し、買主へ紹介できる可能性があります。
ただし、売主側の事情、取引状況、物件の条件、売主側不動産会社の対応などにより、必ずどの会社でも同じように扱えるとは限りません。
購入を検討する場合は、担当する宅建業者に販売状況を確認してもらいましょう。
売主はレインズ登録を確認できますか?
専任媒介契約・専属専任媒介契約で売却を依頼した場合、不動産会社から登録証明書を受け取ることができます。
登録証明書に記載された情報や2次元コードから、売主専用画面で登録内容や取引状況を確認できます。
登録内容に不明点がある場合は、不動産会社へ確認しましょう。
媒介契約が終わった後もレインズに残ることはありますか?
媒介契約の期限が切れ、更新しない場合は、直ちにレインズから削除する必要があります。
もし、媒介契約を終了したのに登録が残っているような場合は、不動産会社に確認しましょう。
売却依頼先を変更する場合も、以前の登録がどうなっているか確認しておくと安心です。
依頼前に何を確認すればよいですか?
依頼前には、少なくとも次の点を確認しましょう。
- 宅建業免許番号
- 会社名・所在地・責任者
- 担当者の所属
- 媒介契約を結ぶ相手
- レインズ登録や確認を誰が行うか
- 重要事項説明を行う宅地建物取引士
- 契約書作成や物件調査の体制
- 情報管理の方法
- トラブル時の相談先
担当者個人だけでなく、会社としての体制を見ることが大切です。
まとめ
SNSで不動産エージェントの発信を見て、「この人に相談してみたい」と感じることもあるかもしれません。
そのこと自体は自然です。
匿名・半匿名の発信や、実務に詳しい投稿は、不動産売買を考えるうえで参考になることがあります。
ただし、不動産売買を実際に依頼する段階では、SNS上の発信内容だけで判断してはいけません。
レインズを誰が適正に利用できるのか、宅建業免許を持つ会社がどこなのか、重要事項説明や契約書作成の責任は誰が負うのか、情報管理体制はどうなっているのか。
こうした点を確認する必要があります。
レインズのユーザID・パスワードは、会員である事業所ごとに発行され、その事業所のみが利用できます。
顧客、業務委託先、関連会社、自社の他の事業所など「他の者」にID・パスワードを貸与したり、何らかの方法でレインズを利用させたりすることはできません。
この「他の者」には、会員が業務を委託した個人事業主、つまり「不動産エージェント」「外交員」などの名称を問わず含まれます。
また、2026年3月30日付のREINS INFORMATIONでは、業務委託契約を締結した不動産エージェントにレインズのユーザID・パスワードを貸与し、レインズを利用させたことを理由とする処分事例も公表されています。
消費者としては、業務委託型エージェントを一律に避ける必要はありません。
ただし、依頼する場合は、必ず次の点を確認しましょう。
- 宅建業免許を持つ会社がどこか
- 媒介契約を結ぶ相手は誰か
- レインズを誰が確認・登録するのか
- 重要事項説明や契約書作成の責任者は誰か
- 情報管理体制は整っているか
- トラブル時の相談先は明確か
- 売主の場合、登録証明書や売主専用画面を確認できるか
不動産売買は、人生の中でも大きな取引です。
担当者個人の営業力やSNSでの発信力だけでなく、免許、責任体制、情報管理、レインズの適正利用まで確認し、安心して任せられる宅建業者へ相談することが大切です。
参考資料
(2)レインズで取り扱う情報の重要性等に鑑み、会員以外の者(「他の者」)にレインズを利用させることは厳に禁じられており、「他の者」に対して当機構から発行されたユーザID・パスワードを貸与すること及び何らかの方法でレインズを利用させることはできません。「他の者」には、顧客、業務委託先、関連会社や自社の他の事業所も原則として含まれますのでご留意ください。
【「他の者」に該当する例】
・顧客
・自社システムの構築・運営・改善等業務を委託したシステム会社
・会員がその業務を委託した個人事業主(「不動産エージェント」「外交員」などの名称を問いません。)
・関連会社や自社の他の事業所(他機構圏域の場合も含みます。)出典:2026年3月23日付 公益財団法人東日本不動産流通機構他「レインズの利用およびユーザID・パスワードの取り扱いについて」

参考情報
確認日:2026年6月9日
- 2026年3月23日付「レインズの利用およびユーザID・パスワードの取り扱いについて」
- 2026年3月30日付「REINS INFORMATION」
- 東日本不動産流通機構「レインズとは」
- 東日本不動産流通機構「媒介契約制度」
- 東日本不動産流通機構「売却依頼物件のレインズ登録内容が確認できます」
- 国土交通省「レインズの機能強化について、物件の売主向けのリーフレットを作成しました!」
- 国土交通省「宅地や建物の(専属)専任媒介契約を締結したら レインズの『ステータス管理機能』を活用しましょう!」
- 国土交通省「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」
- e-Gov法令検索「宅地建物取引業法」
- 国土交通省「宅地建物取引業法施行規則の規定による標準媒介契約約款」
- 国土交通省「不動産情報ライブラリ」
辰巳地所のご紹介
辰巳地所では、市原市・千葉市を中心に、千葉県内および一都三県の不動産売買をサポートしています。
不動産売買では、担当者個人の説明だけでなく、宅建業者としての責任体制、レインズ登録・確認、物件調査、重要事項説明、住宅ローン、契約書類の作成まで、総合的に確認することが大切です。
当社では、売主様・買主様に対して、媒介契約の内容、レインズ登録、登録証明書、売却活動の進め方、物件調査、契約時の注意点などをできるだけ分かりやすくご説明しています。
売却では、相続した実家、空き家、古家付き土地、マンション、使う予定のない土地、市街化調整区域・農地・山林など、物件ごとの特性を確認しながら、売却方法を整理いたします。
購入では、物件情報の確認、住宅ローン、重要事項説明、契約条件、引渡しまでの流れを、実務目線でサポートいたします。
必要に応じて、司法書士、土地家屋調査士、税理士、解体業者、残置物撤去業者などの専門家とも連携しながら、不動産売買を進めてまいります。
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