いえらぶCLOUDへの不正アクセスとは?流出した可能性がある情報と注意点を解説
不動産業界向けのクラウドサービスを提供する株式会社いえらぶGROUPは、同社のクラウドサービスに対する不正アクセスについて、調査状況と今後の対応を公表しました。
今回の事案では、悪意ある第三者によるシステムへの不正アクセスと、システム上の脆弱性が発端となり、データ流出インシデントが発生したとされています。
不動産会社では、物件を探しているお客様の氏名、連絡先、希望条件、問い合わせ内容など、多くの個人情報を取り扱います。そのため、今回の不正アクセスは、サービス提供会社だけでなく、同サービスを利用していた不動産会社や、物件探しをした一般のお客様にも関係する可能性があります。
この記事では、2026年4月30日にいえらぶGROUPが公表した第二報をもとに、不正アクセスの概要、流出した可能性がある情報、流出事実が確認されていない情報、利用者が注意すべき点について解説します。
いえらぶGROUPが公表した不正アクセスの概要
いえらぶGROUPの発表によると、2026年4月5日に、悪意ある第三者によるシステムへの不正アクセスが発生しました。
この不正アクセスは、システムに存在していた脆弱性が発端となり、データ流出につながる事案に発展したとされています。
その後、2026年4月6日に異常アクセスを検知し、アクセス遮断を実施。あわせて、該当するアクセス箇所の修正を行い、社内調査を開始しました。
さらに、2026年4月8日には、社内調査の結果、不正アクセス、情報漏えい、外部サイトへの流出のおそれを検知したため、個人情報保護委員会と警察へ報告。外部の専門家による調査と再発防止対応も開始されています。
つまり今回の事案は、単なるシステム障害ではなく、外部からの不正アクセスによって、登録されていた情報の一部が流出した可能性がある問題です。
流出した可能性がある情報
いえらぶGROUPの発表では、外部専門機関によるフォレンジック調査(※1)の結果、同社の社内調査内容との相違は認められなかったとされています。
また、外部サイトの調査により、流出していた情報との関連の可能性が極めて高いことも認められたと説明されています。
さらに、攻撃者がインフォスティーラー(※2)等を用いて、いえらぶGROUPのクライアントのアカウント情報を窃取していた可能性が高いことも判明しています。
※1 フォレンジック調査:不正アクセスや情報漏えいが発生した際に、アクセス履歴やシステムの記録などを専門的に分析し、侵入経路や被害範囲を確認する調査のこと。
※2 インフォスティーラー:端末内に保存されたログイン情報などを盗み取る悪意のあるプログラムのこと。
流出した可能性がある情報として、いえらぶGROUPは以下の内容を挙げています。
- 氏名
- メールアドレス
- 電話番号
- 住所
- その他希望物件条件
- 物件探しをした個人と法人とのやり取り履歴の一部
ここでいう「その他希望物件条件」とは、物件探しの際に入力・伝達した希望エリア、予算、物件種別、間取り、購入または賃貸の希望条件などが含まれる可能性があります。
また、「やり取り履歴の一部」には、不動産会社との問い合わせ内容や連絡内容の一部が含まれる可能性があります。
ただし、すべての利用者について、これらすべての情報が流出したという意味ではありません。実際に対象となる情報は、利用した不動産会社、問い合わせ内容、登録されていた情報の範囲によって異なると考えられます。
流出事実が確認されていない情報
一方で、いえらぶGROUPの発表では、以下の情報については流出事実が確認されていないと説明されています。
- クレジットカード情報
- 要配慮個人情報
- マイナンバー情報
対象となる可能性がある人
今回の不正アクセスは、いえらぶGROUPのクラウドサービスに関連する事案です。
そのため、直接いえらぶGROUPとやり取りをした方だけでなく、同社のクラウドサービスを利用していた不動産会社に問い合わせをした方も、対象となる可能性があります。
たとえば、以下のような経験がある方は注意しておくとよいでしょう。
- 不動産会社へ物件の問い合わせをした
- 賃貸物件や売買物件の資料請求をした
- 内見予約をした
- 来店予約をした
- 希望条件を伝えて物件紹介を依頼した
- メールや電話で不動産会社とやり取りをした
もちろん、これらに該当するすべての方の情報が流出したという意味ではありません。
実際に対象となるかどうかは、利用した不動産会社、登録されていた情報、サービスの利用状況によって異なります。
不安な場合は、過去に問い合わせをした不動産会社の公式サイトを確認し、今回の件に関するお知らせが掲載されていないか確認するとよいでしょう。
不審な電話・メール・郵送物に注意
いえらぶGROUPは、心当たりのない電話やメール等について注意を呼びかけています。
特に注意したいのは、今回の事案に便乗した不審な連絡です。
たとえば、以下のような連絡には注意が必要です。
- 不動産会社を名乗る不審な電話
- いえらぶGROUPを装ったメール
- 個人情報の再入力を求めるメール
- 不審なURLが記載されたSMS
- 身に覚えのない郵送物
- 補償や確認を名目にした連絡
- パスワード変更を急がせる案内
メールやSMSに記載されたURLをそのまま開くのは避けたほうが安全です。
本当に必要な案内かどうかを確認する場合は、メール内のリンクではなく、公式サイトを検索してアクセスするか、過去にやり取りした正規の連絡先に確認しましょう。
また、電話で個人情報を聞かれた場合も、すぐに答えないことが大切です。一度電話を切り、公式サイトに掲載されている窓口から確認するほうが安心です。
いえらぶGROUPの今後の対応
いえらぶGROUPは、今回の事案について、不動産会社などの関係者に対して順次対応を進めているとしています。
また、対象となる個人に対しても、順次、個別に案内を行う方針です。
ただし、連絡先が不明な場合など、個別の通知が難しい場合には、公表をもって案内に代えるとされています。
そのため、個別連絡が届いていない場合でも、過去に関連する不動産会社を利用した心当たりがある方は、公式発表や利用した不動産会社のお知らせを確認しておくとよいでしょう。
再発防止策として公表された内容
いえらぶGROUPは、今回の事案を受けて、第三者調査機関の提言も考慮しながら、再発防止策を実施・強化するとしています。
公表されている主な再発防止策は、以下のとおりです。
- 脆弱性の根本修正
- 多要素認証の導入
- アクセス監視および遮断の強化
- IP制限機能の無償化
- 従業員への情報セキュリティ教育の強化
特に、多要素認証やIP制限、アクセス監視の強化は、不正ログインや不審なアクセスを防ぐうえで重要な対策です。
不動産会社にとっても、クラウドサービスを利用する以上、システム提供会社任せにするのではなく、自社でもアカウント管理やアクセス権限の見直しを行う必要があります。
不動産会社にも求められる情報管理
不動産会社は、物件情報だけでなく、お客様の個人情報を多く取り扱います。
売買であれば、氏名、住所、電話番号、メールアドレスに加えて、勤務先、年収、住宅ローンに関する情報、家族構成、購入希望条件などを扱う場面もあります。
賃貸でも、勤務先、収入、保証人、入居者情報など、重要な情報を取り扱います。
そのため、不動産会社には、物件紹介や契約手続きだけでなく、個人情報を適切に管理する姿勢が求められます。
今後、不動産会社を選ぶ際には、対応の丁寧さや仲介手数料だけでなく、個人情報の取り扱いやセキュリティに対する姿勢も確認しておきたいポイントです。
たとえば、以下のような点は確認材料になります。
- 個人情報保護方針が掲載されているか
- 問い合わせフォームが安全に利用できるか
- 不要な個人情報まで求められていないか
- 情報管理について説明があるか
- トラブル発生時に速やかに公表しているか
- 外部サービス利用時の管理体制を意識しているか
不動産取引は、人生の中でも大きな金額が動く取引です。だからこそ、安心して相談できる会社を選ぶことが大切です。
まとめ
いえらぶGROUPのクラウドサービスにおいて、悪意ある第三者による不正アクセスが発生し、システムの脆弱性をきっかけに、データが外部に流出した可能性があると公表されました。
流出した可能性がある情報には、氏名、メールアドレス、電話番号、住所、その他希望物件条件、物件探しをした個人と法人とのやり取り履歴の一部などが含まれます。
一方で、クレジットカード情報、要配慮個人情報、マイナンバー情報については、流出事実は確認されていないとされています。
過去に不動産会社へ問い合わせをしたことがある方は、心当たりのない電話、メール、郵送物に注意しましょう。不審な連絡を受けた場合は、すぐに応答したり、URLを開いたりせず、公式窓口から確認することが大切です。
今回の事案は、不動産取引における個人情報管理の重要性を改めて考えさせるものです。
物件選びだけでなく、安心して情報を預けられる不動産会社かどうかも、これからの会社選びでは重要な判断材料になるでしょう。
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