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PayPay銀行は2026年7月1日、住宅ローンの基準金利を年2.930%から年3.280%へ引き上げました。引き上げ幅は0.350%です。

住宅の購入を考えている方にとって、「住宅ローン金利がまた上がった」と聞くと、毎月の返済額がどこまで増えるのか、今のうちに借りたほうがよいのかと気になるところではないでしょうか。

ただ、今回の「3.280%」は住宅ローン利用者全員にそのまま適用される借入金利ではありません。また、すでにPayPay銀行で変動金利を利用している方についても、2026年7月1日から一斉に借入金利が3.280%になるわけではありません。

今回の改定を見る際には、「金利が上がった」という部分だけではなく、基準金利と実際の借入金利の違いや、既存利用者の金利が見直されるタイミングまで知っておくことが大切です。

この記事では、PayPay銀行が2026年7月に住宅ローン基準金利を引き上げた背景を、日本銀行の金融政策とあわせて解説します。

くらしのマーケット

PayPay銀行は2026年7月に住宅ローン基準金利を3.280%へ引き上げ

PayPay銀行は2026年7月1日、住宅ローンの基準金利を次のように変更しました。

基準金利
変更前年2.930%
2026年7月1日以降年3.280%
引き上げ幅+0.350%

PayPay銀行は今回の変更について、日本銀行の政策金利引き上げに伴う市場金利の変動を踏まえたものと説明しています。

ここで注意したいのが、「基準金利」と「実際に住宅ローンを借りる際の金利」は同じではないことです。

PayPay銀行では、基準金利をもとに、契約時に決まった金利の引下幅を差し引いて実際の借入金利を決定します。

つまり、

基準金利 − 契約時の金利引下幅 = 実際の借入金利

という考え方です。

そのため、「PayPay銀行の住宅ローン金利が3.280%になった」とだけ理解すると、実態とは少しずれてしまいます。

また、新規で住宅ローンを利用する場合、申込時ではなく実際に借り入れる日の金利が適用されます。物件購入の申込みや住宅ローンの事前審査をした時点から融資実行までに金利が変われば、当初確認していた金利とは異なる可能性があります。

2024年4月から見ると基準金利は1%上昇

今回の改定だけを見ると0.350ポイントの上昇ですが、少し長い期間で見ると金利環境の変化がより分かりやすくなります。

PayPay銀行が公表している変動金利の基準金利は、次のように推移しています。

改定時期基準金利
2024年4月2.280%
2024年10月2.430%
2025年4月2.680%
2025年10月2.680%
2026年4月2.930%
2026年7月3.280%

2024年4月の2.280%と2026年7月の3.280%を比べると、2年余りで1%上昇したことになります。

特に2026年は、4月に2.680%から2.930%へ引き上げられ、さらに7月には3.280%となりました。

住宅ローンの変動金利は長い間かなり低い水準が続いてきました。その感覚を持っている方にとっては、ここ数年の変化が大きく感じられるかもしれません。

一方で、過去の基準金利の推移だけから今後の動きを予測することもできません。PayPay銀行自身も、過去の推移と今後の金利には相関関係があるものではないと案内しています。

背景にあるのは日銀の2026年6月の追加利上げ

今回のPayPay銀行の基準金利引き上げを考えるうえで外せないのが、日本銀行の金融政策です。

日本銀行は2026年6月16日の金融政策決定会合で、無担保コールレート(オーバーナイト物)が1.0%程度で推移するよう促す方針を決定し、翌6月17日から適用しました。

「政策金利」と聞いても、住宅ローンとの関係が分かりにくいかもしれません。

日本銀行が政策金利を動かすと、金融機関同士がお金を融通する短期金融市場の金利などにも影響が及びます。そこから各金融機関の預金金利や貸出金利などへ波及するため、変動金利型住宅ローンの金利環境にも関係してきます。

PayPay銀行も、今回の住宅ローン基準金利の変更理由を「日本銀行の政策金利引き上げに伴う市場金利の変動を踏まえて」と明記しています。

日銀が利上げを判断した背景

日本銀行の2026年6月の公表資料を見ると、単に「物価が高いから金利を上げた」というほど単純な話ではありません。

当時、消費者物価は政府のエネルギー負担緩和策などの影響から足元では2%を下回っていたものの、原油価格の上昇を起点に企業間取引での価格転嫁が進み、その影響が消費者向けの商品やサービスへ広がる可能性が指摘されていました。

加えて、中長期の予想物価上昇率が上昇していたことから、基調的な物価上昇率が2%の「物価安定の目標」を上回っていくリスクも考慮されています。

一方、原油価格の上昇は家計や企業にとって負担にもなります。日本銀行は中東情勢や原油価格、雇用・所得環境、企業収益など複数の要素を見ながら、金融緩和の度合いを調整する判断をしています。

住宅ローン利用者から見ると「日銀が利上げした」という結果が目に入りやすいのですが、その背景では物価、賃金、景気、海外情勢などが複雑に関係しています。

日銀の利上げ幅とPayPay銀行の引き上げ幅は同じではない

ここで一つ区別しておきたいことがあります。

PayPay銀行が2026年7月に行った基準金利の引き上げ幅は0.350%です。

しかし、住宅ローンの基準金利は日本銀行が直接決めているわけではありません。

政策金利の変更は市場金利へ影響を与えますが、それを踏まえて住宅ローンの基準金利をどの水準に設定するかは金融機関の商品設計に関わります。

PayPay銀行は今回の改定理由として市場金利の変動を挙げていますが、「なぜ3.280%なのか」という具体的な算定内訳までは公表していません。したがって、日銀の政策金利とPayPay銀行の基準金利を機械的に同じ幅で動くものとして考えないほうがよいでしょう。

これは他の金融機関と住宅ローンを比較するときにも大切な点です。

「日銀が利上げしたから、すべての銀行の変動金利が同じだけ上がる」と決まっているわけではありません。

「基準金利3.280%」がそのまま借入金利になるわけではない

住宅ローンを検討している方にとって、実際に知りたいのは基準金利そのものよりも「自分はいくらの金利で借りられるのか」ではないでしょうか。

PayPay銀行では、基準金利から契約時の引下幅を差し引いて借入金利を決めます。引下幅は契約内容などによって異なるため、基準金利だけでは実際の借入金利を判断できません。

また、PayPay銀行ではソフトバンクのスマートフォンなど一定の条件を満たす利用者を対象に住宅ローンの金利優遇を設けており、「スマホ/ネット/でんき優遇割」では通常の金利から最大年0.130%の引き下げが案内されています。適用には所定の条件があります。

このような優遇もあるため、金融機関を比較するときは「基準金利が何%か」だけを見るより、実際に自分へ適用される金利や条件を確認する必要があります。

さらに住宅ローンでは、金利以外にも事務手数料や団体信用生命保険の内容、繰上返済の条件などに違いがあります。

表示されている金利だけを比べて金融機関を決めると、後になって「思っていた条件と違った」ということにもなりかねません。

すでに変動金利で借りている場合、7月からすぐ変わるわけではない

今回のニュースを見て、すでにPayPay銀行で住宅ローンを借りている方が最も気になるのは、「自分の返済額も2026年7月から増えるのか」という点でしょう。

PayPay銀行の2026年7月1日の案内では、2026年6月30日までに変動金利で住宅ローンを借り入れている利用者について、次回の借入金利の見直しを10月1日に行うとしています。

PayPay銀行では、変動金利の基準金利自体は毎月見直しますが、すでに借り入れている利用者の金利見直しについては、4月1日と10月1日の年2回を基準日としています。

4月1日を基準日とする新しい借入金利は6月の約定返済日の翌日から、10月1日を基準日とする場合は12月の約定返済日の翌日から適用されます。

ここで特に注意したいのは、2026年7月の基準金利3.280%が、そのまま既存利用者の次回見直しに使われると決まっているわけではないことです。

既存利用者については、10月1日時点の基準金利をもとに見直す仕組みです。7月から10月までの間に基準金利が変更されれば、その状況も変わります。

また、契約時の引下幅は利用者によって異なります。

現在PayPay銀行で住宅ローンを利用している方は、一般的なニュース記事だけで自分の金利を判断せず、契約内容やPayPay銀行の契約内容照会で確認したほうが確実です。

PayPay銀行には「5年ルール」「125%ルール」がない

変動金利型の住宅ローンについて調べると、「金利が上がっても5年間は毎月返済額が変わらない」「返済額が見直されても以前の1.25倍まで」といった説明を目にすることがあります。

いわゆる「5年ルール」と「125%ルール」です。

ただし、これらは変動金利型住宅ローンに必ず適用される共通ルールではありません。

PayPay銀行の商品要項には、「返済額5年間一定ルール」と「返済額見直し125%ルール」の取り扱いはないことが明記されています。

これは、PayPay銀行の住宅ローンを検討する際に知っておきたい特徴の一つです。

5年ルールや125%ルールは、金利が上昇した際の毎月返済額の急激な変化を抑える効果があります。一方で、返済額が据え置かれても利息負担そのものがなくなるわけではありません。

反対に、このルールを採用していない住宅ローンでは、金利の変化が返済額へ反映される仕組みも異なります。

そのため、「5年ルールがあるほうが良い」「ないから危険」と単純に判断するのではなく、金利が変わったときに自分の返済額がどのように見直される商品なのかを確認しておくことが大切です。

特に長期間にわたって変動金利で借りる予定なら、現在の金利だけでなく、将来金利が上昇した場合の家計への影響も含めて考えておきたいところです。

PayPay銀行の住宅ローンにはどのような特徴があるのか

PayPay銀行の住宅ローンには、金利以外にもいくつか特徴があります。

2026年8月10日時点の公式サイトでは、借入期間は最長50年で、35年を超える場合には所定の金利上乗せがあります。また、商品要項上の借入金額は500万円以上2億円以下です。

保証料は不要で、ホームページから行う一部繰上返済の手数料は無料。一方、借入時には借入金額の2.20%(税込)の事務手数料がかかります。

手続き面では書類をスマートフォンから提出でき、契約書への電子署名などオンラインを活用した仕組みが採用されています。団信についても、全疾病・自然災害・失業保障付きのプランやペアローン連生団信が案内されています。保障内容や金利上乗せ、加入条件はプランによって異なるため、利用時には個別の確認が必要です。

こうした特徴を見ると、住宅ローンを選ぶ際には単純な金利ランキングだけでは比較しにくいことが分かります。

金利が少し低くても事務手数料や団信条件が異なることがありますし、反対に金利以外のサービスに魅力を感じる場合もあります。

自分が何年くらい借りる予定なのか、繰上返済を考えているのか、団信でどこまで保障を求めるのかなどによって、適した住宅ローンは変わります。

今後も住宅ローン金利は上がるのか

2026年7月にPayPay銀行の基準金利が引き上げられたことで、「今後も変動金利は上がり続けるのではないか」と心配になる方もいるでしょう。

しかし、将来の住宅ローン金利を正確に予測することはできません。

日本銀行は2026年7月31日の金融政策決定会合では、無担保コールレート(オーバーナイト物)が1.0%程度で推移するよう促す方針を維持しました。つまり、6月に政策金利を引き上げた後、7月会合では追加の引き上げを行っていません。

一方、6月の公表文では、経済・物価・金融情勢に応じて引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく考えも示されています。そのタイミングやペースについては、中東情勢の影響なども見ながら判断するとしています。

したがって、「これから必ず金利が上がる」とも、「今回で金利上昇は終わった」とも言えません。

住宅購入は数千万円単位となり、住宅ローンの返済期間も30年、35年、場合によってはそれ以上になります。その期間の金利を予想して購入時期を決めるのは現実的ではありません。

むしろ、現在の金利で返済できるかだけではなく、将来金利が多少上昇した場合でも家計を維持できる借入額になっているかを確認するほうが、住宅購入では大切です。

変動金利か固定金利かも「今後の金利予想」だけで決めない

金利上昇のニュースが増えると、「変動金利はもう避けたほうがよいのでは」と考える方もいれば、「それでも固定金利より低いから変動金利を選びたい」という方もいるでしょう。

どちらか一方がすべての人に適しているわけではありません。

変動金利は一般に金利変動の影響を受ける一方、固定金利では一定期間の返済額を見通しやすくなります。ただし、金利水準や固定期間、固定期間終了後の条件は金融機関によって異なります。

たとえば、家計に十分な余裕があり、金利が上がった際にも繰上返済などを検討できる世帯と、毎月の住宅ローン返済額をできるだけ一定にしておきたい世帯では、金利タイプを選ぶ基準も変わるでしょう。

住宅ローンを選ぶ際には、「これから金利が上がるか下がるか」を当てにいくよりも、自分の収入、生活費、教育費、老後資金などを踏まえ、どの程度の変動までなら無理なく対応できるのかを考えておくほうが現実的です。

金利上昇局面では住宅購入にかかる総費用にも目を向けたい

住宅ローン金利が上昇すると、どうしても「0.1%でも低い金融機関を探したい」と考えたくなります。

もちろん住宅ローン金利は、長期間の返済総額に関係する大切な条件です。

ただ、住宅購入時に必要になるお金は住宅ローンの利息だけではありません。

登記関係費用、住宅ローンの事務手数料、火災保険料、固定資産税などの精算金、仲介物件であれば仲介手数料など、さまざまな費用が発生します。

住宅価格だけを見ていたときより、資金計画を作ってみると思った以上に現金が必要になることも珍しくありません。

そのため、住宅ローン金利が上昇している時期ほど、「最も低い金利を探す」という一部分だけではなく、購入時に必要となる費用全体を見ていくことをおすすめします。

たとえば仲介手数料は、利用する不動産会社や物件の取引条件によって負担が変わる費用の一つです。

新築戸建やリノベーションマンションなどでは、売主様から仲介会社へ仲介手数料が支払われる物件もあります。そのような物件を買主様の仲介手数料無料で取り扱う不動産会社を利用できれば、購入時の諸費用を抑えられる可能性があります。

金利は金融市場の状況によって動きますが、購入時の諸費用については、物件や取引方法を確認することで負担を見直せる部分があります。

住宅ローンと購入諸費用を別々に考えず、「この住宅を購入するために最終的にどのくらいの費用が必要なのか」という視点で確認していくと、より現実的な資金計画を立てやすくなります。

まとめ|金利の予想だけで住宅購入を決めない

PayPay銀行は2026年7月1日、住宅ローンの基準金利を年2.930%から年3.280%へ引き上げました。PayPay銀行は、その背景として日本銀行の政策金利引き上げに伴う市場金利の変動を挙げています。

2024年4月に2.280%だった基準金利は、2026年7月には3.280%となり、2年余りで1%上昇しました。

ただし、3.280%はあくまで基準金利です。実際の借入金利は契約時の引下幅などによって決まり、すでに変動金利で借りている方についても2026年7月1日から一斉に3.280%が適用されるわけではありません。

また、PayPay銀行では5年ルール・125%ルールを採用していません。変動金利を検討する際には、現在表示されている金利だけでなく、金利上昇時に返済額がどのように変わるのかまで確認しておきたいところです。

今後の政策金利や住宅ローン金利がどのように動くかを正確に予測することはできません。

住宅購入を検討するときは、「今買えば得」「もう少し待てば金利が下がる」といった予想だけで判断せず、購入価格、借入額、毎月返済額、自己資金、購入諸費用まで含めて考えることが大切です。

住宅ローン金利が以前より上がったからこそ、無理のない借入額になっているかを確認するとともに、仲介手数料をはじめとする購入時の費用を抑えられる部分がないかにも目を向けてみてはいかがでしょうか。

参考情報

確認日:2026年8月10日

PayPay銀行「住宅ローン基準金利の変更について(7月1日)」
URL:https://www.paypay-bank.co.jp/news/2026/0701.html

PayPay銀行「変動金利の基準金利 改定履歴」
URL:https://www.paypay-bank.co.jp/mortgage/interest/change.html

PayPay銀行「商品要項-住宅ローン」
URL:https://www.paypay-bank.co.jp/mortgage/detail/index.html

PayPay銀行「住宅ローン(購入・借り換え)」
URL:https://www.paypay-bank.co.jp/mortgage/index.html

日本銀行「金融市場調節方針の変更について」(2026年6月16日)
URL:https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2026/k260616a.pdf

日本銀行「当面の金融政策運営について」(2026年7月31日)
URL:https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2026/k260731a.pdf

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住宅ローンについても、住宅ローンアドバイザー・FPの視点から、借入額や毎月返済額だけでなく、購入後の生活を圧迫しない資金計画を一緒に考えます。

住宅ローン金利が上昇している時期だからこそ、金利だけに目を向けるのではなく、物件価格、住宅ローン、仲介手数料を含めた購入費用全体を確認しながら進めていくことが大切です。

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    千葉県市原市出身/在住。法政大学文学部史学科卒。 賃貸仲介を経て、2015年より不動産売買仲介に従事しています。 城南・城西エリア、横浜市、川崎市、熱海市、湯河原町を中心に一都三県で、約400件の購入・売却のお手伝いをさせていただきました。購入・売却・住宅ローンなど、不動産に関するご相談を、わかりやすく丁寧にサポートいたします。
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