令和8年地価公示で見る千葉県の地価動向|住宅地・商業地・工業地と不動産売買の見方
千葉県県土整備部用地課は、「令和8年地価公示に基づく地価動向について《千葉県》」を公表しています。
令和8年地価公示の基準日は令和8年1月1日、公表日は令和8年3月18日です。
この資料では、千葉県内53市区町村の1,238地点を対象に、住宅地、商業地、工業地、宅地見込地、林地などの地価動向が整理されています。
令和8年地価公示では、千葉県の全用途平均の県平均変動率は5.0%となりました。
住宅地は4.6%、商業地は5.8%、工業地は9.3%の上昇です。
数字だけを見ると、千葉県の地価は全体として上昇傾向にあるといえます。
ただし、地価公示は個別物件の売買価格そのものではありません。
地価公示価格は、標準地の1㎡当たりの正常な価格であり、建物を含まない土地のみの価格です。
また、千葉県全体では上昇地点が多い一方で、横ばい地点や下落地点もあります。
東京圏と地方圏、住宅地・商業地・工業地でも動きは異なります。
この記事では、令和8年地価公示をもとに、千葉県の地価動向を整理しながら、不動産購入・売却時にどのように参考にすればよいかを解説します。
この記事で使う資料について
本記事では、千葉県県土整備部用地課の「令和8年地価公示に基づく地価動向について《千葉県》」を使用します。
この資料は、令和8年地価公示の千葉県内の地価動向をまとめたものです。
千葉県「令和8年地価公示に基づく地価動向について」とは
地価公示は、地価公示法第2条に基づき、国土交通省土地鑑定委員会が毎年1回、標準地の正常な価格を調査し、公示する制度です。
令和8年地価公示では、千葉県内53市区町村の1,238地点で調査が実施されています。
内訳は、住宅地954地点、宅地見込地5地点、商業地206地点、工業地68地点、林地5地点です。
地価公示価格は標準地の正常価格
地価公示価格は、毎年1月1日時点における、標準地の1㎡当たりの正常な価格です。
正常な価格とは、売り手・買い手双方に売り急ぎや買い進みなどの特殊な事情がない取引で成立すると認められる価格を指します。
つまり、特別な事情に左右されにくい、客観的な土地価格を示すものです。
建物を含まない土地のみの価格である点に注意
地価公示価格は、建物を含まない土地のみの価格です。
建物や、使用・収益を制限する権利がない、更地としての価格を示しています。
そのため、実際の中古戸建や新築戸建、マンション、古家付き土地の価格とそのまま一致するものではありません。
建物の有無、建物の状態、道路、土地形状、面積、駅距離、周辺環境などによって、実際の売買価格は変わります。
前回記事のREINS成約データとは性格が異なる
2026年2月に当サイトで公開した市場記事では、東日本不動産流通機構のREINSデータをもとに、成約件数、成約価格、新規登録価格など、実際の流通市場の動きを整理しました。
一方、今回の地価公示は、標準地の正常な価格を示す資料です。
REINSデータは「実際に売買された市場の動き」を見るための資料です。
地価公示は「土地価格の基準となる方向性」を見るための資料です。
この2つは性格が異なるため、混同しないようにしましょう。
まず結論|千葉県の地価は上昇傾向だが、地域差と用途差が大きい
令和8年地価公示では、千葉県の地価は全体として上昇傾向にあります。
ただし、すべての地域・すべての用途で同じように上がっているわけではありません。
住宅地、商業地、工業地で上昇率は異なります。
また、東京圏と地方圏でも動きに差があります。
全用途平均は5.0%で前年と同水準
千葉県の全用途平均の県平均変動率は5.0%です。
前年も5.0%であり、同水準となっています。
全用途平均とは、林地を除く住宅地、商業地、工業地、宅地見込地を含めた平均です。
全用途平均の県平均価格は171,200円/㎡で、前年の160,300円/㎡から10,900円上昇しています。
住宅地は4.6%、商業地は5.8%、工業地は9.3%
用途別に見ると、住宅地の県平均変動率は4.6%です。
商業地は5.8%、工業地は9.3%となっています。
特に工業地は、住宅地や商業地より高い上昇率です。
ただし、工業地の上昇は、物流や産業需要の影響を受けるものであり、住宅地の価格と同じように読むことはできません。
東京圏と地方圏で動きが異なる
千葉県内でも、東京圏と地方圏では地価の動きに差があります。
住宅地では、東京圏の平均変動率が4.9%上昇であるのに対し、地方圏は0.1%上昇です。
商業地では、東京圏が7.0%上昇、地方圏が0.1%上昇です。
同じ千葉県内でも、東京圏に分類されるエリアと地方圏に分類されるエリアでは、地価の動きが大きく異なります。
地価公示だけで売買価格は判断できない
地価公示は、土地価格の方向性を知るうえで参考になります。
しかし、個別物件の売買価格そのものではありません。
たとえば、同じ市内でも、駅距離、道路、土地面積、形状、用途地域、建物の有無、建物状態、周辺成約事例によって価格は変わります。
地価公示は、購入や売却の判断材料の一つとして活用し、最終的には個別調査や査定を行うことが大切です。
地価公示とは何か
地価公示は、不動産価格を考えるうえで重要な指標です。
ただし、実際の売買価格そのものではないため、制度の性格を理解しておく必要があります。
毎年1月1日時点の標準地価格
地価公示は、毎年1月1日時点の標準地の価格を調査し、公示する制度です。
標準地は、地域の地価水準を示すために選ばれた地点です。
令和8年地価公示では、千葉県内53市区町村の1,238地点で調査が行われました。
一般の土地取引の指標になる
地価公示は、一般の土地取引価格に対して指標を与えることを目的としています。
土地を売買する際に、地域の地価水準を知るための参考になります。
ただし、個別の売買価格は、地価公示価格だけで決まるものではありません。
公共事業用地や土地取引規制の基準にも使われる
地価公示は、公共事業用地の取得価格算定や、国土利用計画法に基づく土地取引の規制における土地価格算定の基準にも使われます。
つまり、民間の土地取引だけでなく、公的な価格算定の場面でも重要な役割を持つ制度です。
実勢価格・路線価・固定資産税評価額との違い
不動産価格には、地価公示価格のほかにも、実勢価格、相続税路線価、固定資産税評価額などがあります。
実勢価格は、実際の売買で成立する価格です。
相続税路線価は、相続税や贈与税の評価に使われます。
固定資産税評価額は、固定資産税などの課税の基礎となります。
それぞれ目的が異なるため、同じ土地でも価格が違うことがあります。
千葉県全体の地価動向
令和8年地価公示では、千葉県全体としては上昇傾向が続いています。
ただし、横ばい地点や下落地点もあるため、県全体を一括りにしすぎないことが大切です。
県内53市区町村・1,238地点で調査
令和8年地価公示では、千葉県内53市区町村、1,238地点で調査が行われました。
住宅地、商業地、工業地、宅地見込地、林地など、用途別に調査されています。
調査地点のうち、継続調査地点は1,201地点です。
全用途平均の県平均変動率は5.0%
全用途平均の県平均変動率は5.0%です。
前年も5.0%で、同水準となっています。
資料では、全用途平均の平均変動率は平成26年以降、上昇傾向にあるとされています。
上昇1,058地点、横ばい80地点、下落58地点
全用途平均の継続調査地点1,196地点のうち、1,058地点で上昇、80地点で横ばい、58地点で下落しました。
上昇地点が多い一方で、下落地点もあります。
千葉県全体では上昇傾向ですが、すべての地点で地価が上がっているわけではありません。
平均価格は171,200円/㎡
全用途平均の県平均価格は171,200円/㎡です。
前年の160,300円/㎡から10,900円上昇しています。
市区町村別の平均価格順位では、浦安市が494,600円/㎡で第1位、市川市が430,800円/㎡で第2位、船橋市が294,400円/㎡で第3位です。
上昇しているが全地点が同じ動きではない
地価公示を見ると、千葉県全体としては上昇傾向にあります。
しかし、流山市や松戸市、千葉市美浜区など上昇率が高い地域がある一方、銚子市、九十九里町、白子町など、下落している地域もあります。
不動産購入・売却では、県平均ではなく、対象地の近隣エリアを見ることが重要です。
住宅地の地価動向
住宅購入を検討している方にとって、住宅地の地価動向は特に気になる部分です。
令和8年地価公示では、千葉県の住宅地も上昇しています。
住宅地の県平均変動率は4.6%
住宅地の県平均変動率は4.6%です。
前年の4.5%から、わずかに上昇しました。
調査対象53市区町村のうち、37市区町で上昇、4市町で横ばい、12市町村で下落しています。
住宅地の平均価格は130,000円/㎡
住宅地の県平均価格は130,000円/㎡です。
前年の122,900円/㎡から7,100円上昇しています。
市区町村別の平均価格順位では、浦安市が393,400円/㎡で第1位、市川市が306,700円/㎡で第2位、習志野市が204,400円/㎡で第3位です。
流山市・松戸市・鎌ケ谷市の上昇率が高い
住宅地の市区町村別平均変動率では、流山市が13.3%で第1位です。
第2位は松戸市の8.7%、第3位は鎌ケ谷市の7.5%です。
いずれも東京方面へのアクセスや住宅需要との関係が考えられるエリアです。
ただし、上昇率が高い地域でも、個別の土地や建物の価格は条件によって変わります。
銚子市・九十九里町など下落地点もある
住宅地で下落率が大きい市区町村を見ると、銚子市がマイナス2.8%、山武郡九十九里町がマイナス1.2%、長生郡白子町と長生郡長生村がマイナス0.9%です。
千葉県全体では住宅地が上昇しているものの、地域によっては下落が続く場所もあります。
「千葉県の住宅地はすべて上がっている」とは考えないようにしましょう。
住宅購入では地価だけでなく総額を見る
住宅購入では、土地価格だけで判断できません。
新築戸建では、土地価格に加えて建物価格、外構費、諸費用、住宅ローン費用、火災保険料などが関係します。
中古戸建では、建物状態、リフォーム費用、耐震性、雨漏り、シロアリ、道路条件も確認が必要です。
マンションでは、地価よりも管理状態、管理費・修繕積立金、築年数、駅距離などの影響も大きくなります。
商業地の地価動向
商業地は、駅前、繁華街、幹線道路沿い、商業施設周辺などの動きが反映されやすい用途です。
住宅地とは異なる要因で価格が動くことがあります。
商業地の県平均変動率は5.8%
商業地の県平均変動率は5.8%です。
前年の5.7%から、わずかに上昇しました。
調査対象49市区町村のうち、34市区で上昇、7市町で横ばい、8市町村で下落しています。
商業地の平均価格は386,500円/㎡
商業地の県平均価格は386,500円/㎡です。
前年の357,800円/㎡から28,700円上昇しています。
住宅地の県平均価格130,000円/㎡と比べると、商業地は大きく高い水準です。
流山市・千葉市稲毛区・船橋市の上昇率が高い
商業地の市区町村別平均変動率では、流山市が12.8%で第1位です。
第2位は千葉市稲毛区の9.7%、第3位は船橋市の9.6%です。
駅周辺や商業集積、交通利便性の高いエリアでは、商業地の地価が上昇しやすい傾向があります。
市川市・浦安市・船橋市は平均価格上位
商業地の市区町村別平均価格では、市川市が1,357,100円/㎡で第1位です。
第2位は浦安市の1,103,800円/㎡、第3位は船橋市の760,300円/㎡です。
標準地別では、船橋市本町4丁目、千葉市中央区富士見2丁目、市川市八幡2丁目などが価格上位に挙げられています。
商業地の上昇は住宅地とは別に読む
商業地の地価上昇は、住宅地の価格上昇と同じ意味ではありません。
商業地は、駅前の店舗需要、オフィス需要、商業施設、交通量、再開発などの影響を受けやすい用途です。
住宅購入者にとっては、商業地の地価そのものよりも、駅周辺の利便性や生活環境を見るうえで参考になります。
工業地の地価動向
令和8年地価公示では、工業地の上昇率が目立ちます。
ただし、工業地は住宅地とは異なる需要に基づくため、読み方に注意が必要です。
工業地の県平均変動率は9.3%
工業地の県平均変動率は9.3%です。
前年の9.9%より上昇率はやや低くなりましたが、住宅地や商業地より高い上昇率です。
調査対象24市区町すべてで上昇
工業地は、調査対象24市区町のすべてで上昇しました。
継続調査地点68地点もすべて上昇しています。
千葉県の工業地では、物流・工業需要の強さがうかがえます。
千葉市美浜区・松戸市・印西市の上昇率が高い
工業地の市区町別平均変動率では、千葉市美浜区が15.5%で第1位です。
第2位は松戸市の15.0%、第3位は印西市の13.5%です。
標準地別では、千葉市美浜区新港の地点が変動率上位に並んでいます。
物流・工業需要が地価に影響する
工業地は、物流施設、倉庫、工場、港湾、幹線道路、インターチェンジへのアクセスなどの影響を受けます。
住宅地とは異なる需要が地価に反映されるため、住宅購入者が工業地の上昇率だけを見て判断するのは適切ではありません。
住宅購入者も周辺環境として確認したい
工業地の上昇は、住宅購入者にとっても無関係ではありません。
周辺に物流施設や工場が増えると、雇用や地域経済に影響する一方、交通量、騒音、道路混雑などが住環境に影響することもあります。
住宅購入時には、周辺の用途地域、工業施設、幹線道路、交通量も確認しましょう。
東京圏と地方圏の違い
千葉県の地価動向を見るうえで重要なのが、東京圏と地方圏の違いです。
同じ千葉県内でも、東京圏に分類されるエリアと地方圏に分類されるエリアでは、地価の動きが異なります。
東京圏の住宅地は4.9%上昇
東京圏の住宅地の平均変動率は4.9%上昇です。
継続調査地点848地点のうち、789地点で上昇、40地点で横ばい、19地点で下落しています。
東京圏の住宅地では、上昇地点が多くなっています。
地方圏の住宅地は0.1%上昇
地方圏の住宅地の平均変動率は0.1%上昇です。
継続調査地点74地点のうち、21地点で上昇、26地点で横ばい、27地点で下落しています。
東京圏と比べると、地方圏では横ばい・下落地点の割合が高くなっています。
東京圏の商業地は7.0%上昇
東京圏の商業地の平均変動率は7.0%上昇です。
継続調査地点166地点のうち、165地点で上昇、1地点で横ばい、下落地点はありませんでした。
東京圏の商業地では、ほぼすべての継続地点で地価が上昇しています。
地方圏の商業地は0.1%上昇
地方圏の商業地の平均変動率は0.1%上昇です。
継続調査地点35地点のうち、12地点で上昇、11地点で横ばい、12地点で下落しています。
商業地でも、東京圏と地方圏では動きに大きな差があります。
市原市は資料上、東京圏に分類される
今回の資料では、市原市は東京圏30市区町の一つに分類されています。
ただし、市原市内でも、八幡宿、五井、姉崎、ちはら台、郊外部などで条件は異なります。
市原市が東京圏に分類されているからといって、市内のすべての土地や住宅価格が同じように上昇するわけではありません。
購入・売却では、市内のエリアごとに近隣成約事例を確認する必要があります。
地価公示を不動産購入でどう使うか
地価公示は、不動産購入時に土地価格の方向性を知る参考になります。
ただし、購入価格そのものを決める資料ではありません。
土地価格の方向性を知る参考になる
地価公示を見ることで、地域全体の土地価格が上昇傾向にあるのか、横ばいなのか、下落傾向なのかを把握できます。
特に土地や戸建を購入する場合、周辺の地価動向を知ることは参考になります。
ただし、地価公示価格は標準地の価格です。
購入しようとしている土地と条件が違う場合、そのまま比較することはできません。
個別物件の購入価格とは違う
実際の購入価格は、地価公示価格だけで決まりません。
駅距離、道路、接道、土地形状、面積、用途地域、建ぺい率・容積率、上下水道、造成、高低差、建物の有無などが関係します。
中古戸建では、建物状態やリフォーム履歴も重要です。
マンションでは、土地の持分だけでなく、建物、管理状態、修繕積立金、共用部分、駅距離なども価格に影響します。
新築戸建は土地価格・建物価格・諸費用を分けて見る
新築戸建を購入する場合は、土地価格、建物価格、外構費、諸費用を分けて考えることが大切です。
販売価格には土地と建物が含まれていることが多いため、地価公示だけで価格の妥当性を判断するのは難しい場合があります。
また、購入時には仲介手数料、登記費用、住宅ローン関係費用、火災保険料、固定資産税等の精算金もかかります。
リノベーションマンションは地価より管理状態も重要
リノベーションマンションの場合、地価公示よりも、マンション全体の管理状態や建物の維持管理が重要になることがあります。
管理費・修繕積立金、長期修繕計画、大規模修繕履歴、管理組合の財務状況を確認しましょう。
室内がきれいにリノベーションされていても、建物全体の管理状態は別に見る必要があります。
仲介手数料無料の対象可否も確認する
新築戸建やリノベーションマンションは、物件によって買主様の仲介手数料を無料でご案内できる場合があります。
地価や物件価格だけでなく、購入時の諸費用も確認することが大切です。
SUUMO・アットホーム・HOME’Sなどで気になる物件を見つけた場合は、物件URLを送って、仲介手数料無料の対象になるか確認するとよいでしょう。
地価公示を不動産売却でどう使うか
地価公示は、不動産売却時にも参考になります。
ただし、査定価格そのものではありません。
査定価格そのものではなく参考指標として使う
地価公示は、土地価格の方向性を知るための参考指標です。
売却査定では、地価公示だけでなく、近隣の成約事例、現在の競合物件、道路、面積、建物状態、築年数、管理状態などを確認します。
地価公示が上がっているからといって、所有物件が必ず高く売れるとは限りません。
近隣成約事例とあわせて見る
売却価格を考えるうえで重要なのは、近隣成約事例です。
同じ市区町村でも、駅距離や道路、土地面積、建物状態によって価格は変わります。
地価公示は全体の方向性を知るために使い、具体的な売出価格は近隣成約事例と個別条件をもとに考えましょう。
土地・戸建は道路・境界・建物状態が重要
土地や戸建の売却では、道路、接道、境界、越境、上下水道、用途地域、建物状態が重要です。
古家付き土地の場合は、解体費や残置物処分費も関係します。
中古戸建として売る場合は、雨漏り、シロアリ、耐震性、リフォーム履歴も確認されます。
地価上昇エリアでも売出価格を高くしすぎない
地価が上昇しているエリアでも、売出価格を高くしすぎると、販売期間が長くなることがあります。
売却では、希望価格と市場価格のバランスが重要です。
近隣成約事例を確認し、現実的な売出価格を設定することが大切です。
地価下落エリアでも個別需要を確認する
地価が下落しているエリアでも、個別の需要がある物件はあります。
駅に近い、道路が良い、土地形状が良い、建物状態が良い、生活利便性が高いなど、買主に評価される条件があれば、売却の可能性はあります。
地価の平均変動率だけで判断せず、個別物件の強みを整理しましょう。
前回の市場記事との違い
今回の記事は、2026年2月に当サイトで公開した市場記事とは扱うデータの性格が異なります。
どちらも不動産市場を理解するために役立ちますが、使い方を分けることが大切です。
地価公示は標準地の正常価格
地価公示は、標準地の1㎡当たりの正常な価格です。
建物を含まない土地のみの価格であり、個別物件の売買価格そのものではありません。
土地価格の方向性を見るための指標として使います。
REINSデータは成約・新規登録など流通市場の動き
REINSデータは、実際に成約した物件や新規登録された物件の動きを見るための資料です。
成約件数、成約価格、新規登録価格などを確認できます。
地価公示とは異なり、流通市場の動きを把握するために役立ちます。
公示地価と実勢価格は同じではない
公示地価と実勢価格は同じではありません。
実勢価格は、実際の売買で成立する価格です。
売主・買主の事情、市場の需給、物件の個別条件によって変わります。
地価公示は、実勢価格を考える際の参考にはなりますが、直接の売買価格ではありません。
両方を見ることで市場を立体的に把握できる
地価公示とREINSデータは、どちらか一方だけを見れば十分というものではありません。
地価公示で土地価格の方向性を確認し、REINSデータで実際の流通市場を確認することで、市場をより立体的に把握できます。
購入・売却を検討する場合は、両方のデータを参考にしつつ、個別調査を行うことが大切です。
データを見るときの注意点
地価公示は便利な資料ですが、読み方には注意が必要です。
平均値を個別物件にそのまま当てはめることはできません。
県平均を個別物件にそのまま当てはめない
千葉県の全用途平均変動率は5.0%です。
しかし、これは県全体の平均です。
個別の土地や建物が5.0%上がったという意味ではありません。
購入・売却では、対象物件の近隣成約事例や個別条件を確認しましょう。
市区町村平均でもエリア差がある
市区町村別の平均変動率や平均価格も参考になります。
ただし、同じ市内でも、駅前、住宅街、郊外、幹線道路沿い、工業地周辺などで価格は異なります。
市原市や千葉市でも、地区ごとの違いを確認する必要があります。
建物価格は含まれていない
地価公示価格は、建物を含まない土地のみの価格です。
中古戸建や新築戸建の価格には、建物価格が含まれます。
マンション価格にも、建物部分や管理状態、共用部分の価値が反映されます。
地価公示価格だけで、建物付き不動産の価格を判断しないようにしましょう。
標準地と売買対象地の条件は異なる
標準地は、地域の地価水準を示すために選ばれた地点です。
売買対象地とは、面積、形状、道路、用途地域、駅距離、周辺環境が異なることがあります。
標準地の価格を参考にする場合でも、対象物件の条件に合わせて調整する必要があります。
最終判断には個別調査・査定が必要
地価公示は、不動産購入・売却の参考になります。
しかし、最終判断には個別調査や査定が必要です。
購入では、物件調査、役所調査、住宅ローン、諸費用、ハザードマップを確認しましょう。
売却では、近隣成約事例、現地状況、道路、境界、建物状態、管理状態を確認しましょう。
よくある質問
令和8年地価公示で千葉県の地価は上がっていますか?
千葉県の全用途平均の県平均変動率は5.0%で、前年と同水準です。
住宅地は4.6%、商業地は5.8%、工業地は9.3%上昇しています。
ただし、すべての地点で上昇しているわけではありません。
上昇地点が多い一方で、横ばい地点や下落地点もあります。
地価公示価格は実際の売買価格ですか?
いいえ、地価公示価格は実際の売買価格そのものではありません。
地価公示価格は、標準地の1㎡当たりの正常な価格です。
建物を含まない土地のみの価格であり、個別物件の売買価格は、道路、面積、形状、建物状態、周辺成約事例などによって変わります。
市原市は東京圏に含まれますか?
今回の資料では、市原市は東京圏30市区町の一つに分類されています。
ただし、市原市内でも、八幡宿、五井、姉崎、ちはら台、郊外部などで条件は異なります。
市原市全体を一括りにせず、対象物件の周辺事例を確認することが大切です。
千葉県で住宅地の上昇率が高いのはどこですか?
住宅地の市区町村別平均変動率では、流山市が13.3%で第1位です。
第2位は松戸市の8.7%、第3位は鎌ケ谷市の7.5%です。
ただし、市区町村平均であり、個別の土地や住宅価格が同じ割合で上昇するわけではありません。
工業地の地価上昇は住宅購入にも関係しますか?
工業地の地価上昇は、住宅地価格そのものとは別の動きです。
ただし、物流施設や工場、幹線道路、雇用環境などは、周辺地域の環境に影響することがあります。
住宅購入時には、周辺の用途地域、交通量、騒音、生活利便性も確認しましょう。
地価が上がっているなら早く買うべきですか?
地価が上がっているからといって、必ず早く買うべきとは限りません。
購入では、物件価格、諸費用、住宅ローン、生活環境、将来の資金計画を総合的に確認する必要があります。
焦って購入するのではなく、無理のない資金計画を立てることが大切です。
地価が上がっているなら高く売れますか?
地価上昇は売却時の参考材料になりますが、必ず高く売れるとは限りません。
売却価格は、近隣成約事例、物件の状態、道路、面積、築年数、管理状態、売出価格の設定などによって変わります。
地価公示は参考にしつつ、個別査定で確認しましょう。
まとめ
令和8年地価公示では、千葉県の全用途平均の県平均変動率は5.0%となりました。
住宅地は4.6%、商業地は5.8%、工業地は9.3%の上昇です。
全用途平均の県平均価格は171,200円/㎡、住宅地は130,000円/㎡、商業地は386,500円/㎡、工業地は107,500円/㎡です。
千葉県全体としては上昇傾向にありますが、すべての地域・地点で同じように上昇しているわけではありません。
継続調査地点1,196地点のうち、1,058地点で上昇、80地点で横ばい、58地点で下落しています。
住宅地では、東京圏の平均変動率が4.9%上昇、地方圏は0.1%上昇です。
商業地では、東京圏が7.0%上昇、地方圏が0.1%上昇です。
同じ千葉県内でも、東京圏と地方圏では動きに差があります。
市原市は今回の資料上、東京圏に分類されています。
ただし、市原市内でもエリアごとに条件は異なるため、市原市全体を一括りに見るのは適切ではありません。
地価公示は、標準地の1㎡当たりの正常な価格です。
建物を含まない土地のみの価格であり、個別物件の売買価格そのものではありません。
不動産購入では、地価公示を参考にしつつ、物件価格、建物価格、諸費用、住宅ローン、ハザードマップ、道路条件を確認しましょう。
不動産売却では、地価公示だけでなく、近隣成約事例、建物状態、道路、境界、管理状態を確認することが大切です。
地価公示は、不動産市場を理解するための有用な資料です。
ただし、最終的な購入判断・売却価格は、個別物件ごとに確認しましょう。
参考情報
確認日:2026年6月11日
- 千葉県「令和8年地価公示に基づく地価動向について《千葉県》」
- 国土交通省「地価公示」
- 国土交通省「標準地・基準地検索システム」
- 国土交通省「不動産情報ライブラリ」
- 国税庁「路線価図・評価倍率表」
- 総務省または市町村「固定資産税評価額」に関する情報
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