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家賃上昇リスクに備えるには?賃貸を続ける不安と自宅購入で考えたい住居費対策
家賃上昇リスクに備えるには?賃貸を続ける不安と自宅購入で考えたい住居費対策家賃上昇リスクにどう備えるべきかを解説。家賃の値上げと借地借家法32条の基本、賃貸を続けるメリット・リスク、自宅購入で住居費を安定させる考え方、千葉県・市原市・千葉市で新築戸建やリノベーションマンションを検討する際の注意点を整理します。...

賃貸住宅を探していると、「以前より家賃が高くなった気がする」と感じる方もいるのではないでしょうか。

アットホーム株式会社が2026年8月27日に公表した「全国主要都市の『賃貸マンション・アパート』募集家賃動向(2026年7月)」を見ると、首都圏では募集家賃が前年を上回る動きが広く見られます。千葉県についても、マンションは全ての面積帯、アパートも調査対象となる全ての面積帯で前年同月を上回りました。

ただし、ここでいう「家賃」は、一般にイメージする賃料だけではありません。

今回の調査では、入居者が1カ月に支払う「賃料+管理費・共益費等」を家賃として集計しています。また、実際に契約された成約家賃ではなく、アットホームに登録・公開された物件の「募集家賃」です。

数字だけを見ると家賃上昇の大きさが気になりますが、どのようなデータなのかを確認しながら見ていくことが大切です。

今回は、千葉県の2026年7月の募集家賃を中心に、マンションとアパートそれぞれの動きや、賃貸住宅を探す際のデータの見方について解説します。

くらしのマーケット

2026年7月は首都圏のマンション募集家賃が全面積帯で前年を上回る

まず、全体の動きを見てみましょう。

2026年7月のマンション平均募集家賃は、東京23区、東京都下、神奈川県、埼玉県、千葉県の首都圏5エリアすべてで、全ての面積帯が前年同月を上回りました

全国13エリアで見ると、30~50㎡の「カップル向き」マンションは6カ月連続ですべてのエリアが前年同月を上回っています。

アパートについても、30㎡以下の「シングル向き」が5カ月連続ですべての調査エリアで前年同月を上回りました。

2026年6月の調査でも、首都圏5エリアのマンションは全ての面積帯で前年同月を上回っていました。少なくとも今回の7月だけに限った動きではなく、ここ数カ月は高い募集家賃が続いている様子がうかがえます。

では、千葉県では具体的にどのくらいだったのでしょうか。

千葉県のマンションは全ての面積帯で前年同月を上回る

2026年7月の千葉県の賃貸マンションは、全ての面積帯で平均募集家賃が前年同月を上回りました。

千葉県・賃貸マンションの平均募集家賃

面積帯平均募集家賃前月比前年同月比
30㎡以下(シングル向き)76,164円+0.3%+7.9%
30~50㎡(カップル向き)94,312円-0.6%+4.7%
50~70㎡(ファミリー向き)127,437円+0.2%+10.6%
70㎡超(大型ファミリー向き)164,001円-1.3%+4.4%

※アットホーム調べ

特に目につくのが、50~70㎡のファミリー向きです。

平均募集家賃は12万7,437円で、前年同月と比べて10.6%上昇しました。金額では前年同月より1万2,188円高い水準です。

一方、前月との比較では、カップル向きと大型ファミリー向きが下落しています。

そのため、「千葉県のマンション家賃が毎月一方向に上がり続けている」と見るのは適切ではありません。前年と比べれば高い水準にあるものの、月ごとには上がる面積帯もあれば、下がる面積帯もあります。

千葉県のアパートは3タイプすべてで前年・前月を上回る

アパートでは、マンションよりもはっきりした動きが見られました。

アットホームの調査では、アパートの70㎡超は募集物件数が少ないため対象外となっており、30㎡以下、30~50㎡、50~70㎡の3タイプが集計されています。

千葉県・賃貸アパートの平均募集家賃

面積帯平均募集家賃前月比前年同月比
30㎡以下(シングル向き)62,982円+1.7%+14.4%
30~50㎡(カップル向き)73,983円+0.4%+4.6%
50~70㎡(ファミリー向き)96,378円+0.3%+6.9%

※アットホーム調べ

3タイプすべてで前年同月だけでなく前月も上回っています。

なかでも30㎡以下のシングル向きは前年同月比14.4%上昇し、平均募集家賃は6万2,982円となりました。

また、シングル向きとカップル向きは2015年1月以降の最高値です。シングル向きは4カ月連続、カップル向きは3カ月連続で最高値を更新しています。

単身者向けのアパートを探している方にとっては、募集条件の変化を感じやすい時期かもしれません。

ただし、これは千葉県内すべての単身向けアパートが1年間で14.4%値上がりした、という意味ではありません。

あくまで、今回の調査対象となった募集物件を平均した数字です。

「募集家賃が上昇」をどう読めばよい?

家賃に関する数字を見るときは、「何を平均したものなのか」を確認する必要があります。

今回のアットホーム調査では、不動産情報サイト「アットホーム」に登録・公開された居住用賃貸マンション・アパートが対象です。重複する物件はユニーク化して集計されています。

そして、ここでいう「平均募集家賃」は成約価格ではありません。

たとえば募集時に8万円だった物件が、実際にどのような条件で契約されたかまでは、この資料からは分かりません。

もう一つ注意したいのが、地域の範囲です。

今回の「千葉県」は県全体の集計であり、市原市、千葉市、船橋市、柏市などを個別に示した数字ではありません。

同じ千葉県でも、駅からの距離、築年数、間取り、設備、周辺環境によって家賃は大きく変わります。

そのため、

「30~50㎡なら千葉県では9万4,312円が適正」

というような使い方をする数字ではありません。

地域全体の動きをつかむための一つの目安として見るのがよいでしょう。

首都圏でも続く募集家賃の上昇

千葉県だけが特別な動きをしているわけではありません。

2026年7月は、首都圏のマンション全5エリアで全ての面積帯が前年同月を上回りました。

ただし、各地域を細かく見ると動きは一様ではありません。

東京23区のマンションでは、30㎡以下のシングル向きが25カ月連続で2015年1月以降の最高値を更新していましたが、2026年7月は前月比で26カ月ぶりに下落しました。

一方、30~50㎡のカップル向きは14カ月連続で最高値を更新しています。

ここからも、募集家賃は「上がっている・下がっている」の一言だけでは捉えにくいことが分かります。

エリアだけでなく、住戸の広さによっても動きが異なるためです。

なぜ募集家賃が上がったのかは、この調査だけでは分からない

募集家賃が上がっていると、「物価高の影響ではないか」「住宅価格が上がったからではないか」と理由を考えたくなるところです。

ただし、今回のアットホーム資料は、募集家賃の変化を調査したものであり、千葉県の募集家賃が上昇した原因を特定した調査ではありません。

そのため、特定の理由だけで説明するのは避けたほうがよいでしょう。

周辺の経済環境を見ると、総務省の2026年7月の消費者物価指数は、総合指数が前年同月比1.9%上昇しています。

ただ、この物価上昇と今回の募集家賃の変化に直接の因果関係があると、この数字だけから判断することはできません。

賃貸住宅の家賃は、地域ごとの需要や供給、築年数、物件の質、立地など複数の条件の影響を受けます。

今回の記事では、原因を決めつけるよりも、「実際の募集市場でどのような数字になっているか」を確認することを中心に考えたいと思います。

賃貸住宅を探すとき、平均家賃をどう使えばよい?

これから賃貸住宅を探す方にとって、平均募集家賃は相場感を知る手掛かりになります。

ただ、平均より高いから割高、平均より安いからお得とは限りません。

たとえば同じ50㎡の賃貸マンションでも、駅から徒歩5分の築浅物件と、駅から離れた築年数の経過した物件では、募集家賃に差があっても不思議ではありません。

市原市で探すのであれば市原市内、千葉市であれば各区や沿線など、実際に住みたい地域まで範囲を絞り、

  • 広さ
  • 築年数
  • 駅からの距離
  • 設備
  • 管理費・共益費を含めた月額負担

が近い物件を比較したほうが、実際の相場をつかみやすくなります。

平均家賃は「答え」ではなく、物件を比較する際の基準の一つとして見るくらいがちょうどよいでしょう。

賃貸か購入かを考えるときも家賃だけで決めない

募集家賃の上昇が続くと、「これだけ家賃を払うなら住宅を購入したほうがよいのでは」と考えることもあるかもしれません。

一方で、家賃と住宅ローンの毎月返済額だけを比べて結論を出すのは慎重にしたいところです。

住宅を購入すると、住宅ローン以外にも固定資産税や火災保険、将来の修繕費などが必要になります。マンションの場合には、管理費や修繕積立金も考えなければなりません。

賃貸住宅には、住み替えがしやすいことや、建物全体の大規模修繕費を所有者として直接負担しないといった特徴もあります。

国土交通省の住宅市場動向調査でも、注文住宅や分譲住宅、中古住宅だけでなく、民間賃貸住宅を含めて、住み替え前後の住宅や世帯状況などを別々に調査しています。住まいの選択は、月々の支払いだけでなく、家族構成や今後の暮らし方などを含めて考えるテーマです。

「家賃が上がっているから買う」「住宅ローン金利が上がっているから賃貸を続ける」と一つの数字だけで決めるのではなく、自分たちが今後どのように暮らしたいのかまで含めて比較するほうが現実的です。

まとめ

2026年7月のアットホームの調査では、千葉県の賃貸マンションは全ての面積帯で平均募集家賃が前年同月を上回りました。

50~70㎡のファミリー向きマンションは12万7,437円で、前年同月比10.6%の上昇です。

アパートについても、調査対象となる3つの面積帯すべてで前年同月・前月を上回りました。特に30㎡以下のシングル向きは6万2,982円で、前年同月比14.4%上昇しています。

こうした数字を見ると、家賃の先行きが気になるところですが、今回のデータは千葉県全体の「平均募集家賃」です。

現在入居している人の家賃が同じ割合で上昇したことを意味するものではなく、市原市や千葉市など特定地域の相場をそのまま表しているわけでもありません。

賃貸住宅を探すときは、平均値を一つの参考にしながら、実際に希望するエリアや条件が近い物件を比較することが大切です。

また、賃貸と住宅購入を比較するときも、家賃と住宅ローンの月額だけではなく、購入後の維持費や今後の暮らし方まで含めて考えていくと、自分に合った住まいを選びやすくなります。

参考情報

確認日:2026年9月4日

アットホーム株式会社「2026年7月 全国主要都市の『賃貸マンション・アパート』募集家賃動向」
URL:https://www.athome.co.jp/corporate/news/data/market/chintai-yachin-202607/

アットホーム株式会社「全国主要都市の『賃貸マンション・アパート』募集家賃動向(2026年7月)」
URL:https://www.athome.co.jp/corporate/wpcontent/themes/news/pdf/chintai-yachin-202607/chintai-yachin-202607.pdf

総務省統計局「消費者物価指数」
URL:https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/index-z.html

国土交通省「令和7年度 住宅市場動向調査」
URL:https://www.mlit.go.jp/report/press/house02_hh_000248.html

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    千葉県市原市出身/在住。法政大学文学部史学科卒。 賃貸仲介を経て、2015年より不動産売買仲介に従事しています。 城南・城西エリア、横浜市、川崎市、熱海市、湯河原町を中心に一都三県で、約400件の購入・売却のお手伝いをさせていただきました。購入・売却・住宅ローンなど、不動産に関するご相談を、わかりやすく丁寧にサポートいたします。
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