エアコン修理のトラブルが増加|「安い・即日対応」のネット広告で依頼する前の注意点
真夏にエアコンが突然動かなくなると、「できるだけ早く直してほしい」と思うのは当然です。室温が上がっていくなかで修理業者を探していると、ネット広告に表示された「即日対応」「見積もり無料」「最安○円から」といった言葉が、いつも以上に頼もしく見えるかもしれません。
ところが、急いで依頼した結果、作業内容を十分に説明されないまま修理が始まったり、広告から想像していた金額を大きく上回る費用を請求されたりするトラブルが起きています。料金を支払ったのに直っておらず、再修理を頼もうとしても連絡が取れないという相談もあります。
低価格や即日対応を掲げる業者が、すべて問題のある業者というわけではありません。ただし、エアコンの修理費は機種や故障箇所、必要な部品、作業内容などによって変わります。故障原因を調べる前から示されている最低価格だけでは、最終的な支払額を判断できません。
この記事では、国民生活センターが2026年6月に公表した注意喚起をもとに、エアコン修理を依頼する前後の注意点を解説します。賃貸住宅や中古住宅に設置されているエアコンが故障した場合の考え方にも触れていきます。
エアコン修理に関する相談は2021年度から2倍以上に増加
国民生活センターによると、全国の消費生活センターなどに寄せられ、PIO-NETに登録されたエアコン修理に関する相談件数は、2021年度の451件から2025年度には1,251件へ増えています。
年度別に見ると、2022年度は593件、2023年度は871件、2024年度は975件で、増加傾向が続いています。2025年度の相談件数は、2021年度と比べて2倍を超える水準です。
なお、これらは2026年3月31日までに登録された相談の件数であり、消費生活センターなどからの経由相談は含まれていません。
相談は7月から9月に集中している
2025年度の月別相談件数を見ると、7月が305件、8月が293件、9月が237件でした。7月から9月までの3か月だけで835件となり、年間相談件数の約3分の2を占めています。
夏本番にエアコンが故障すると、暑さへの不安から判断を急ぎやすくなります。メーカーや購入店の修理窓口が混み合い、すぐに訪問してもらえないことも、ネットで見つけた即日対応業者へ連絡する背景の一つです。
だからこそ、故障してから慌てて探すのではなく、早めの試運転と、連絡先の確認が役立ちます。
年代を問わず起こり得るトラブル
2025年度の相談を年代別に見ると、40歳代が238件で最も多く、次いで50歳代、30歳代となっています。高齢者だけが被害に遭っているわけではなく、幅広い年代から相談が寄せられました。
普段からインターネットを利用している方でも、暑さのなかで対応を急ぐと、広告の最低価格だけを見て依頼してしまうことがあります。特別な人だけに起こる問題ではありません。
実際に寄せられたエアコン修理のトラブル
国民生活センターの公表資料では、2025年度に寄せられた複数の相談事例が紹介されています。
相談者の申し出をもとにまとめられた事例であり、個々の契約内容や事実関係は異なりますが、業者を選ぶときに注意したい共通点が見えてきます。
安い広告を見て依頼したが直らなかった
エアコンが動かなくなり、メーカーへ連絡したものの、修理まで数日かかると言われたため、ネットで「最安約4,000円から」と広告していた業者へ依頼した事例です。
業者は室外機のガス圧を調べ、冷媒ガスを充てんしましたが、エアコンは直りませんでした。その後、新しいエアコンを25万円で購入すれば、約4万円の修理費用を無料にすると提案されたものの、相談者は購入せず、請求された修理費を支払っています。
この事例では、広告の最低価格と実際の請求額に差があったことに加え、修理後もエアコンが使える状態になっていませんでした。
見積もりを示されないまま作業が始まった
エアコンから水が漏れたため、「即日対応」「地域最安値」「期間限定1,500円から」という広告を見て修理を依頼した事例もあります。
訪問した担当者は、故障原因や作業内容、修理代の見積もりを説明しないまま作業を開始しました。作業後には約7万円を請求されましたが、エアコンは直っていなかったといいます。
「○円から」という表示は、あくまでも最低価格であることが少なくありません。どのような場合にその金額で収まるのか、出張費や点検費、部品代などが別にかかるのかを、依頼前に聞いておく必要があります。
修理後の動作確認をせずに帰ってしまった
修理担当者が作業を終えた後、「冷房が効くまで30分ほど様子を見なければ分からない」と言い、直ったことを確認せずに帰ってしまった事例も紹介されています。
30分たっても冷房は効かず、後からメーカーへ連絡して修理内容を見せたところ、適切な内容ではないと指摘されたという相談です。
修理が完了したかどうかは、作業をしただけでは判断できません。実際に運転し、冷たい風が出るか、異常音や水漏れがないかを、その場で業者と一緒に確かめることが大切です。
再修理を頼みたくても連絡が取れなかった
「見積もり無料」という業者に依頼したところ、エアコンを開けるだけで費用がかかると言われ、その後、冷媒ガスの充てんを受けて約5万円を支払った事例もあります。
担当者から指定された時間を待って電源を入れたものの冷えず、翌日以降は電話にも出なくなりました。請求書や領収書には会社名が書かれておらず、連絡先をたどれなくなったといいます。
電話番号だけで依頼できる業者は手軽ですが、会社名や所在地が分からなければ、トラブルが起きた後の連絡が難しくなります。依頼前に事業者情報を調べ、書類にも正式な名称が記載されるかを見ておきたいところです。
なぜ夏のエアコン修理では判断を急ぎやすいのか
真夏のエアコン故障は、ほかの住宅設備の不具合とは事情が異なります。
室温が急速に上がれば、体調への影響も心配になります。小さな子ども、高齢者、持病のある方、在宅勤務をしている方がいる家庭では、「数日待つ」という選択が難しいこともあるでしょう。
そのような状況では、料金や業者情報を比較する余裕がなくなりがちです。検索結果の上位に表示された広告を見て、すぐに電話をかけたくなるのも無理はありません。
ただ、検索結果の上位に表示されることや、広告を出していること自体が、技術力や対応の確かさを保証するわけではありません。「即日来てもらえるか」だけでなく、故障原因をどのように調べるのか、作業前に見積もりを出すのか、修理後の保証や再訪対応があるのかも確かめる必要があります。
急いでいるときほど、電話をかける前に数分だけ立ち止まり、最低限の情報を手元にそろえておくことが、後のトラブルを防ぎます。
修理業者へ連絡する前に調べておきたいこと
修理業者へ連絡するときは、「エアコンが壊れた」とだけ伝えるよりも、機種や症状を具体的に伝えた方が、必要な作業を想定してもらいやすくなります。
手元にそろえておきたいのは、次の情報です。
- メーカー名
- 型番
- 購入した時期
- いつから不具合が出ているか
- 電源が入るか
- 冷たい風が出ないのか、風そのものが出ないのか
- 水漏れや異音、異臭があるか
- リモコンや本体にエラー表示が出ているか
型番は、室内機の下部や側面にあるシール、取扱説明書、保証書などで確認できることがあります。エラーコードが表示されている場合は、消える前に写真を撮っておくとよいでしょう。
保証書や購入店を確認する
購入からあまり年数がたっていない場合は、メーカー保証や販売店の延長保証が残っている可能性があります。住宅を購入した際に新設されたエアコンであれば、施工会社や設備保証の窓口を利用できることもあります。
先に別の業者が分解や修理をすると、保証の扱いに影響する場合があるため、まず保証書や購入時の書類を確認してください。
メーカーや購入店へ連絡するとすぐに来てもらえないこともありますが、訪問可能な日、概算の出張点検費、修理までの流れを聞いたうえで、ほかの業者を探すか判断できます。
広告に書かれていない費用を聞く
ネット広告に「見積もり無料」と書かれていても、出張費や点検費、キャンセル料が別途かかる場合があります。
電話では、少なくとも次の点を聞いておきます。
- 訪問するだけで費用がかかるか
- 点検後に修理を断った場合、いくらかかるか
- 見積もり後のキャンセル料はあるか
- 夜間・休日の追加料金はあるか
- 部品代や作業費は別にかかるか
- 支払い方法は何か
電話で聞いた内容は、日時と担当者名とともにメモしておきます。メールや問い合わせフォームを利用できる場合は、回答を文章で残してもらう方法もあります。
業者の名称・所在地・連絡先を確かめる
広告に電話番号しか表示されていない場合は、正式な事業者名、所在地、代表者名、固定電話の有無などを確認します。
ウェブサイトに会社概要があるか、見積書や請求書を発行できるか、修理後の連絡窓口が用意されているかも見ておきたいところです。
ただし、会社情報が掲載されていれば必ず安心というわけではありません。表示されている情報だけで決めず、説明の分かりやすさや、質問に対する受け答えも含めて判断します。
作業を始めてもらう前に聞いておきたいこと
担当者が自宅へ到着すると、「せっかく来てもらったのだから、頼まないと申し訳ない」と感じることがあります。
しかし、訪問を依頼したことと、提示された修理内容に同意することは別です。故障原因や料金に納得できなければ、その場で作業を断ることも選択肢になります。
故障原因と修理内容の説明を受ける
作業前には、どこに不具合があると考えられるのか、その判断の根拠を聞きます。
まだ原因を特定できない段階であれば、どのような点検を行い、点検だけでいくらかかるのかを確かめてください。
説明を受けても分からないときは、専門用語をそのまま受け入れる必要はありません。「その作業をすると、どの症状が改善するのか」「直らなかった場合はどうなるのか」と尋ねると、内容を理解しやすくなります。
出張費などを含む総額を確認する
見積もりでは、修理作業代だけでなく、次の費用を含めた総額を示してもらいます。
- 出張費
- 点検費・診断費
- 作業費
- 部品代
- 冷媒ガスなどの材料費
- 夜間・休日料金
- 廃材処分費
- 消費税
口頭で「だいたい○万円」と聞くだけではなく、可能であれば見積書を受け取りましょう。スマートフォンの画面に表示された場合も、保存できるか確認します。
追加料金が発生する条件を聞く
作業を始めてから別の不具合が見つかることもあります。その場合に、担当者の判断だけで作業を追加するのか、追加前に改めて説明と見積もりがあるのかを聞いておきます。
「開けてみないと分からない」と言われた場合も、点検のためにどこまで分解し、いくらまでなら事前承諾なしで作業するのかを曖昧にしないことが大切です。
想定外の作業が必要になったときは、いったん手を止め、追加費用を確認してから依頼するか決めるよう伝えておくと安心です。
納得できないまま作業を任せない
暑いなかで別の業者を探し直すのは負担ですが、説明に納得できないまま作業を始めてもらうと、終了後に断ることは難しくなります。
故障原因が分からない、見積書が出ない、質問しても明確な回答がない、すぐに契約や支払いを迫られるといった場合は、一度立ち止まってもよいでしょう。
「今日は点検だけにしたい」「家族と相談してから決めたい」と伝えることは、失礼な対応ではありません。
「冷媒ガスを補充する」と言われたときの注意点
エアコンが冷えないときに、「冷媒ガスが減っているので補充します」と説明されることがあります。
ただし、冷媒ガスは通常、使用するたびに少しずつ消費されるものではありません。配管の接続部分や機器に不具合があり、漏れている可能性も考えられます。
一方で、冷媒ガスが漏れている箇所を調査するために、いったん冷媒を充てんする場合もあります。そのため、「ガス補充を提案する業者は問題がある」と一律には判断できません。
作業を依頼する前に、次の点を聞いてみてください。
- 何を根拠に冷媒不足と判断したのか
- 漏れている場所を調べるのか
- 補充だけで改善する見込みがあるのか
- 再び冷えなくなった場合はどう対応するのか
- 今回の費用に再点検や再訪問が含まれるのか
説明がないまま、いきなり冷媒ガスの充てん作業を始めようとする場合は、故障原因と作業内容を改めて確認した方がよいでしょう。
新しいエアコンの購入を勧められた場合
点検の結果、修理よりも買い替えを勧められることはあります。部品の供給が終わっている場合や、複数の箇所に不具合がある場合など、修理が難しいケースもあるためです。
ただし、修理に来た業者から買い替えを提案されても、その場ですぐに購入する必要はありません。
まずは、なぜ修理できないのか、修理するといくらかかるのか、新しいエアコンを購入しなければ今回の作業費がどうなるのかを聞きます。
そのうえで、メーカーや購入店など別の窓口にも相談し、修理と買い替えの費用を分けて比べると判断しやすくなります。
「今決めれば修理代を無料にする」「今日だけ値引きする」と契約を急かされたときほど、いったん持ち帰って考える余地を残したいところです。
修理後は業者と一緒に動作を確かめる
作業が終わったら、担当者が帰る前にエアコンを運転し、直ったことを一緒に確かめます。
冷房運転を行い、冷たい風が出ているか、異常音や振動がないか、室内機から水が漏れていないかを見ます。リモコン操作や風量調節なども試しておくと安心です。
「しばらく時間を置かないと分からない」と言われた場合は、どのくらい待てばよいのか、その場で待ってもらえるのか、直っていなかった場合はいつまでに連絡すればよいのかを聞きます。
あわせて、次の書類を受け取ります。
- 作業内容が分かる報告書
- 請求書
- 領収書
- 保証内容や再修理の条件が分かる書類
書類には、事業者名、所在地、電話番号、担当者名、作業日、修理内容、支払金額が記載されているか確認してください。
領収書の宛名や金額だけでなく、「何の作業に対する支払いなのか」が分かる状態にしておくと、後から相談するときにも役立ちます。
請求金額や作業内容に納得できない場合
作業後に見積もりと異なる金額を請求されたり、エアコンが直っていないのに支払いを求められたりすると、どう対応すればよいか迷うものです。
担当者が自宅にいる状況では、断りにくさや怖さを感じることもあるでしょう。無理に言い争う必要はありませんが、納得できないまま急いで支払う必要もありません。
その場で急いで支払わず、説明を求める
国民生活センターは、修理が終わっても直っていない場合や、料金・作業内容に納得できない場合には、後日、納得した金額を支払う意思があることを示しつつ、その場での支払いを断るよう案内しています。
単に「支払わない」と伝えるのではなく、次のように理由を明確にするとよいでしょう。
「事前に聞いた金額と違うため、作業内容と請求内訳の説明を確認してから支払います。」
「エアコンが直ったことを確認できていないため、まず再点検をお願いします。」
身の危険を感じる場合や、退去を求めても帰ってもらえない場合は、安全を優先し、警察への相談も検討してください。
広告・見積書・請求書などを保存する
トラブルが起きたときは、契約までの経緯が分かる資料を残します。
ネット広告は後から内容が変更されたり、ページ自体が見られなくなったりすることがあります。依頼のきっかけになった広告、料金表示、会社概要は、画面のスクリーンショットなどで保存してください。
そのほか、次の情報も消さずに残しておきます。
- 電話の発着信履歴
- メールやショートメッセージ
- 問い合わせフォームの送信内容
- 見積書
- 作業報告書
- 請求書・領収書
- 振込先が書かれたメモ
- 修理前後のエアコンの写真や動画
- 担当者名や車両情報
消費生活センターへ相談するときは、時系列に沿って簡単なメモを作っておくと状況を伝えやすくなります。
クーリング・オフが適用される可能性もある
自宅で結んだ契約であっても、すべてがクーリング・オフの対象になるわけではありません。
ただし、見積もりのために来訪した業者から修理を勧誘されて契約した場合や、ネット広告に表示されていた金額と実際の請求額が大きく異なる場合には、特定商取引法の訪問販売に該当し、クーリング・オフなどが適用される可能性があります。
訪問販売に該当する場合は、原則として、法律で定められた書面を受け取った日から数えて8日以内であれば、書面または電磁的記録によって契約の申し込みを撤回・解除できます。
もっとも、エアコン修理をどのように依頼したか、広告には何と書かれていたか、訪問後にどのような勧誘を受けたかなどによって判断が変わります。
「自分の契約は対象になるのか」と迷った段階で、業者とのやり取りや書類を手元に用意し、消費生活センターへ相談してください。
早めに消費生活センターへ相談する
消費者ホットライン「188」に電話すると、住所地に近い消費生活センターや消費生活相談窓口につながります。
相談員が契約の経緯を聞き取り、今後の対応や事業者への伝え方について助言してくれます。相談窓口につながった時点から通話料金はかかりますが、相談自体は無料です。
「まだ支払っていないから相談するほどではない」「自分にも確認不足があった」とためらう必要はありません。支払いや追加契約をする前の段階でも相談できます。
時間がたつほど、広告や連絡履歴が消えたり、クーリング・オフの期間が経過したりする可能性があります。少しでも不安を感じたら、早めに相談した方が対応の選択肢を残しやすくなります。
本格的に暑くなる前に試運転をしておく
エアコン修理のトラブルを避けるうえで、最も取り組みやすい対策は、夏本番を迎える前に試運転をしておくことです。
気温が上がってから故障に気づくと、修理の依頼が集中してすぐに来てもらえないことがあります。まだ暑さが厳しくない時期であれば、メーカーや販売店など複数の窓口に相談する余裕を持てます。
運転を始める前に、電源プラグがしっかり差し込まれているか、プラグやコンセントにほこり、緩み、変色がないかを見ます。フィルターの目詰まり、リモコンの電池切れ、室外機の前に置かれた荷物なども確認します。
その後、取扱説明書に従って冷房運転を行い、冷え方、異常音、水漏れの有無を確かめます。
電源プラグが異常に熱い、焦げたようなにおいがする、ブレーカーが頻繁に落ちるといった症状がある場合は、使用を続けず、販売店やメーカーへ相談してください。エアコン内部や電気配線、冷媒配管を自分で修理するのは避けましょう。
持ち家と賃貸住宅では最初の連絡先が異なる
エアコンが故障したときの対応は、持ち家か賃貸住宅かによって異なります。
特に賃貸住宅では、借主が先に修理業者を呼んでしまうと、貸主や管理会社が修理内容を確認できず、費用負担をめぐって行き違いが生じることがあります。
持ち家の場合
自分で購入・設置したエアコンであれば、購入店、メーカーの修理窓口、延長保証の窓口などへ連絡します。
新築住宅の購入時に設置されたエアコンや、リフォーム工事と一緒に取り付けた機器であれば、売主や施工会社が設けている設備保証の対象になる可能性もあります。保証書、引渡し時の書類、工事請負契約書などを確認してください。
保証期間を過ぎている場合も、まずメーカーへ症状と型番を伝え、修理対応の可否や出張点検費を聞いたうえで、地域の電気店などを含めて依頼先を検討するとよいでしょう。
賃貸住宅の場合
賃貸住宅に備え付けられたエアコンが故障したときは、自分で修理業者を手配する前に、管理会社または貸主へ連絡するのが基本です。
国土交通省の賃貸住宅標準契約書では、賃貸住宅を使用するために必要な修繕は原則として貸主が行い、借主の故意や過失によって必要になった修繕については、借主が費用を負担するという考え方が示されています。
ただし、賃貸住宅標準契約書は契約書のひな型であり、使用が義務付けられているものではありません。実際の負担関係は、締結した賃貸借契約書、設備の扱い、故障原因などによって異なります。
また、室内にエアコンが設置されていても、貸主が設備として提供しているのではなく、前の入居者が残した「残置物」として扱われている場合があります。残置物については、貸主が修理や交換を行わない旨が契約書や重要事項説明書に記載されていることもあります。
まずは契約書と設備一覧を確認し、管理会社へ故障の状況を伝えて、指定された手順に沿って対応してください。
中古住宅に設置されていたエアコンの場合
中古住宅を購入した後に、以前から設置されていたエアコンが故障した場合は、売主が必ず修理や交換を行うとは限りません。
確認したいのは、次の書類です。
- 売買契約書
- 付帯設備表
- 物件状況報告書
- 特約
- 設備保証に関する書類
- 残置物に関する記載
エアコンが売買の対象となる付帯設備なのか、売主が置いていった残置物なのかによって扱いが変わります。付帯設備であっても、修理対応の範囲や申出期限が契約で定められている場合があります。
不具合に気づいたら、すぐに修理業者へ依頼する前に、売買を仲介した不動産会社や売主へ連絡し、契約上の扱いを確かめてください。第三者が先に分解や修理をすると、不具合があった時点の状態を確認しにくくなることがあります。
市原市・千葉市でエアコン修理のトラブルを相談するには
市原市にお住まいの方は、市原市消費生活センターへ相談できます。2026年7月21日確認時点の相談専用電話は、0436-21-0999です。相談受付は、祝休日と年末年始を除く月曜日から金曜日で、午前と午後に分かれています。
千葉市にお住まいの方は、千葉市消費生活センターの相談専用電話043-207-3000を利用できます。相談受付は、祝日と年末年始を除く月曜日から土曜日で、土曜日は電話相談のみです。
受付日や時間は変更されることがあるため、相談前に自治体の最新案内を確認してください。
どこへ相談すればよいか分からない場合は、局番なしの「188」へ電話すると、地域の消費生活相談窓口を案内してもらえます。
まとめ
エアコンが使えない暑い部屋で、落ち着いて修理業者を比較するのは簡単ではありません。「今日中に直したい」と思うこと自体は、ごく自然な反応です。
だからこそ、即日対応や広告の最低価格だけで決めず、作業前に故障原因、修理内容、総額を聞くことが欠かせません。見積もりを示されないまま作業を始めようとする場合や、説明に納得できない場合は、いったん断っても構いません。
修理後は担当者と一緒に運転し、冷たい風が出るか、異音や水漏れがないかを確かめます。作業報告書、請求書、領収書には、会社名や連絡先が記載されているかも見ておきましょう。
請求金額や作業内容に納得できない場合は、その場で急いで支払わず、内訳の説明を求めます。広告画面や連絡履歴などを保存し、消費者ホットライン188や地域の消費生活センターへ早めに相談してください。
そして、夏の故障に慌てないためには、本格的に暑くなる前の試運転が役立ちます。エアコンが正常に動くかを早めに確かめ、購入店、メーカー、地域の電気店など、困ったときの連絡先を家族で共有しておくと安心です。
国民生活センター チラシ

参考情報
確認日:2026年7月21日
1.独立行政法人国民生活センター「エアコン修理のトラブルに注意!-ネット広告で『安い』『即日対応』の業者に修理依頼したけど直ってない!-」
URL:https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20260603_1.html
URL:https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20260603_1.pdf
2.一般社団法人日本冷凍空調工業会「シーズン前にエアコン点検を!」
URL:https://www.jraia.or.jp/product/home_aircon/o_maintenance.html
3.消費者庁「消費者ホットライン」
URL:https://www.caa.go.jp/policies/policy/local_cooperation/local_consumer_administration/hotline/
4.消費者庁「特定商取引法ガイド・訪問販売」
URL:https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/doortodoorsales/index.html
5.千葉県「市町村の消費生活相談窓口」
URL:https://www.pref.chiba.lg.jp/customer/soudan/shichou.html
辰巳地所のご紹介

中古住宅に設置されているエアコンなどの住宅設備は、売買の対象となる付帯設備なのか、売主様が残していく残置物なのかによって、引渡し後の扱いが変わります。
住宅を購入するときは、建物そのものだけでなく、付帯設備表や物件状況報告書、売買契約書の特約、設備保証の範囲まで確かめておくことが大切です。
辰巳地所では、市原市や千葉市をはじめとする千葉県を中心に、一都三県を営業エリアとして、新築一戸建てやリノベーションマンション、リフォーム済戸建などの購入をサポートしています。
購入については、売主様から当社へ仲介手数料が支払われる物件であれば、買主様の仲介手数料は無料です。SUUMO・アットホーム・HOME’Sなどで見つけた物件についても、当社で取り扱える場合があります。
物件URLをお送りいただければ、仲介手数料無料の対象になるか、購入時に必要となる諸費用の目安も含めて確認します。無料の対象とならない物件についても、一般的な仲介手数料より負担を抑えてご案内できる場合があります。
住宅ローンについては、住宅ローンアドバイザー・FPの視点から、借入額だけでなく、購入後の生活費や修繕費も踏まえた無理のない資金計画を一緒に考えます。
売却については、仲介手数料を相場の半額を基本にご相談いただけます。ただし、物件価格や取引条件によって個別の確認が必要です。
当社では、現地調査、役所調査、登記事項証明書の確認、付帯設備や契約条件の確認、売買契約書・重要事項説明書の作成、住宅ローン、司法書士・金融機関との調整、決済・引渡しまで丁寧にサポートしています。
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