2026年度宅建士試験、申込者は30万7,254人|3年連続で30万人超に
不動産会社の店舗や住宅購入の手続きで、「宅地建物取引士」「宅建士」という言葉を目にしたことがある方は多いのではないでしょうか。
不動産業界を代表する資格の一つですが、その宅建士資格試験に、今年も30万人を超える申込みがありました。
一般財団法人不動産適正取引推進機構が2026年8月25日に公表した速報によると、令和8年度(2026年度)の宅地建物取引士資格試験の申込者数は30万7,254人。前年度の30万6,099人を1,155人上回りました。
2024年度から3年続けて30万人を超えています。
一方、内訳を見ると、すべての区分で申込者が増えたわけではありません。一般申込者は前年からわずかに減り、不動産業に従事している方が利用できる「登録講習」の修了者が増えています。
今回は2026年度の申込状況を確認しながら、近年の宅建士試験の動きと、住宅を買う・売るときに宅建士がどのような役割を担っているのかを見ていきます。
2026年度の宅建士試験は30万7,254人が申し込み
2026年度の宅建士試験の申込状況を、前年度と比べてみましょう。
| 区分 | 2026年度 | 2025年度 | 前年度との差 |
|---|---|---|---|
| 申込者総数 | 307,254人 | 306,099人 | +1,155人 |
| 一般申込者 | 249,092人 | 249,177人 | ▲85人 |
| 登録講習修了者 | 58,162人 | 56,922人 | +1,240人 |
申込者総数は前年を1,155人上回りました。増加率で見ると約0.4%ですので、前年から急増したというより、30万人を超える高い水準が続いたと見るほうが実態に近いでしょう。
ここで興味深いのが、その内訳です。
一般申込者は前年より85人減っています。一方で登録講習修了者は1,240人増えており、2026年度の申込者増は、この区分の増加によるところが大きくなっています。
ただし、今回公表された申込受付状況は人数を示した資料であり、なぜ登録講習修了者が増えたのか、その理由まで分析したものではありません。
「不動産会社で働く人が急増した」「企業が宅建取得を強化している」といった背景を、この数字だけから断定することはできません。
宅建士試験の申込者は3年連続で30万人超
少し期間を広げて見ると、宅建士試験の申込者数は近年増加しています。
直近5年度の申込者数は次のとおりです。
| 年度 | 申込者数 |
|---|---|
| 2022年度 | 283,856人 |
| 2023年度 | 289,096人 |
| 2024年度 | 301,336人 |
| 2025年度 | 306,099人 |
| 2026年度 | 307,254人 |
2022年度には28万人台だった申込者数が、2023年度には28万9,096人となり、2024年度には30万1,336人と30万人を超えました。
その後も2025年度30万6,099人、2026年度30万7,254人となり、3年連続で30万人を上回っています。
不動産適正取引推進機構が公表している「令和7年度以前10年間」の試験実施概況と比べても、2026年度の30万7,254人は、そこに掲載されている各回の申込者数を上回ります。
ただ、過去の数字を見るときには少し注意も必要です。
2020年度と2021年度は、新型コロナウイルス感染症の影響により10月試験と12月試験に分けて実施されました。そのため、それぞれの試験回を最近の1年度1回の試験とそのまま比べるのは適切ではありません。
また、申込者が増えてきた背景について、不動産適正取引推進機構の今回の発表では理由を示していません。
「宅建人気が過去最高」といった言葉で一括りにするより、まずは30万人を超える申込みが3年間続いているという事実を見ておくのがよさそうです。
2026年度は「登録講習修了者」の増加が目立つ
2026年度の数字をもう少し詳しく見ると、全体の増加以上に目を引くのが登録講習修了者です。
一般申込者は、2025年度の24万9,177人から2026年度は24万9,092人へ85人減りました。
ほぼ横ばいといえる動きです。
これに対して、登録講習修了者は5万6,922人から5万8,162人へ1,240人増えています。
「登録講習修了者」という言葉は、宅建試験を受けたことがない方には少し分かりにくいかもしれません。
これは、すでに宅地建物取引業に従事している方が、一定の条件を満たした登録講習を修了したうえで試験に申し込む区分です。
一般の受験者とは受験条件の一部が異なります。
登録講習修了者は試験の5問が免除される
通常の宅建士試験は50問の四肢択一式です。
一方、登録講習を修了し、所定の条件を満たして申し込んだ方は、試験の一部となる5問が免除され、45問を受験します。
登録講習を受講できるのは、宅地建物取引業に従事し、従業者証明書を持っている方です。誰でも利用できる制度ではありません。
国土交通大臣の登録を受けた機関が実施する登録講習を受講し、その修了試験に合格した方は、合格後3年以内に行われる宅建士試験で5問の免除を受けることができます。
なお、「登録講習」と「登録実務講習」は名前が似ていますが別の制度です。
登録講習は宅建士試験の一部免除に関係するもので、登録実務講習は宅建士試験に合格した後、資格登録に必要となる実務経験の要件に関係する講習です。
今回の申込状況でいう「登録講習修了者」は、前者を指します。
申込みの約95%はインターネット
申込方法にも大きな特徴があります。
2026年度は、
インターネット申込みが29万3,193人、郵送申込みが1万4,061人でした。
インターネットからの申込みが全体の約95%を占めています。
現在では資格試験の申込みもオンラインが中心になっていることが数字にはっきり表れています。
ただし、このことと申込者数が増えていることに因果関係があるかどうかは、今回の公表資料からは分かりません。
なお、2026年度の宅建試験の受験申込期間はすでに終了しています。
2026年度の試験は10月18日、合格発表は11月25日
2026年度の宅建士試験は、**2026年10月18日(日)**に実施されます。
一般受験者の試験時間は13時から15時までの2時間。登録講習修了者は、5問が免除されるため13時10分から15時までの1時間50分です。
合格発表は2026年11月25日(水)。不動産適正取引推進機構では同日9時30分に、合格者の受験番号や合否判定基準などを掲載する予定です。
現時点では、2026年度試験の合格基準点や合格率は当然まだ決まっていません。
参考までに2025年度は、申込者30万6,099人に対し、実際に受験した方は24万5,462人、合格者は4万5,821人でした。合格率は18.7%です。
前年の結果から今年の合格基準点や合格率を予測することはできませんので、過去の数字はあくまで参考として見る必要があります。
住宅を買う・売るとき、宅建士はどこで関わる?
ここまで試験の話をしてきましたが、住宅を購入したり売却したりする一般の方にとっては、「宅建士が実際の取引で何をしているのか」のほうが身近かもしれません。
不動産の売買には、土地・建物そのものだけでなく、権利関係や法令上の制限、道路、インフラ、契約条件など、事前に確認しておきたい内容が数多くあります。
その中でも大きな役割の一つが、契約前の重要事項説明です。
宅地建物取引業者は、売買などの契約が成立するまでの間に、宅地建物取引士をして、法令で定められた重要事項を購入者などへ説明させなければなりません。重要事項説明では宅建士が取引士証を提示し、対象となる不動産や契約条件について説明します。
たとえば土地を購入して家を建てようとしても、法令上の制限によって希望していた建物を建てられないことがあります。
中古住宅なら、権利関係や接道、設備、契約条件などを確認する必要があるでしょう。
不動産は同じものが二つとないため、「この項目だけ見れば大丈夫」とは言い切れません。その物件について何が重要なのかを確認し、契約前に理解しておくことが大切になります。
資格だけでなく、物件ごとの調査と説明も大切
2026年度の宅建士試験には30万7,254人が申し込み、3年連続で30万人を超えました。
数字だけを見ても、非常に多くの方が受験を予定している資格であることが分かります。
一方、住宅を購入・売却する方にとって、本当に身近なのは試験の申込者数ではなく、資格を持つ宅建士が実際の不動産取引でどのように関わるかではないでしょうか。
そして、不動産取引は宅建士資格があれば、それだけですべてが完結するものでもありません。
物件を扱う際には、現地の状態を確認し、必要に応じて役所で法令上の制限や道路などを調べ、登記事項証明書で権利関係を確認します。売買条件を確認したうえで契約書や重要事項説明書を作成し、住宅ローンを利用する場合には金融機関との手続きも必要です。
契約後には、司法書士との調整や残代金の決済、所有権移転、物件の引渡しへと進んでいきます。
住宅購入では「気に入った物件を見つける」ことが大きなスタートですが、その後には確認すべきことがいくつもあります。
分からない言葉や疑問があればそのままにせず、重要事項説明や契約の前に確認することも大切です。不動産会社側にも、専門用語を並べるだけではなく、購入する方が内容を理解したうえで判断できるよう説明する姿勢が求められます。
30万人を超える宅建士試験の申込者数をきっかけに、住宅を買う・売るときに宅建士がどのような役割を担っているのかにも目を向けてみてはいかがでしょうか。
参考情報
確認日:2026年8月26日
一般財団法人 不動産適正取引推進機構「令和8年度宅地建物取引士資格試験の申込受付状況【速報値】」
URL:https://www.retio.or.jp/
一般財団法人 不動産適正取引推進機構「宅建試験」
URL:https://www.retio.or.jp/exam/exam/
一般財団法人 不動産適正取引推進機構「宅建試験のスケジュール」
URL:https://www.retio.or.jp/exam/schedule/
一般財団法人 不動産適正取引推進機構「試験実施概況(令和7年度以前10年間)」
URL:https://www.retio.or.jp/wpcontent/uploads/2025/12/10years_result2025.pdf
一般財団法人 不動産適正取引推進機構「登録講習について」
URL:https://www.retio.or.jp/exam/tourokukosyu/
e-Gov法令検索「宅地建物取引業法」
URL:https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176
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