住宅ローン審査前にやってはいけないこととは

住宅購入を考え始めたとき、多くの方が最初に気にするのは物件です。

「どのエリアにするか」
「新築戸建にするか、マンションにするか」
「予算はいくらにするか」

こうした物件探しはもちろん大切です。

しかし、住宅ローンを利用して購入する場合は、物件探しと同じくらい、住宅ローン審査前の行動にも注意が必要です。

何気なく車のローンを組んだり、クレジットカードのリボ払いを利用したり、転職したばかりだったりすると、住宅ローン審査に影響することがあります。

住宅ローン審査では、年収だけでなく、既存借入、返済状況、勤務状況、信用情報なども確認されます。

そのため、住宅購入を考え始めた段階で、審査に影響しやすい行動を知っておくことが大切です。

住宅ローン審査で見られる主なポイント

住宅ローン審査では、金融機関が「長期にわたって返済を続けられるか」を確認します。

主に見られるのは、次のような項目です。

  • 年収
  • 勤務先
  • 勤続年数
  • 雇用形態
  • 既存借入
  • 車のローン
  • カードローン
  • クレジットカードの利用状況
  • 返済比率
  • 信用情報
  • 健康状態
  • 購入物件の担保評価

金融機関によって審査基準は異なりますが、共通して重要なのは、安定して返済できるかどうかです。

年収が高くても、既存借入が多かったり、過去に支払いの遅れがあったりすると、審査に影響することがあります。

反対に、年収だけで不安がある場合でも、借入状況や自己資金、勤務状況、物件価格とのバランスによっては、審査に進められるケースもあります。

大切なのは、自己判断であきらめたり、逆に楽観的に進めすぎたりせず、早い段階で状況を整理することです。

1. 車のローンを新たに組む

住宅ローン審査前に注意したい代表的なものが、車のローンです。

車のローンがあると、住宅ローン審査で既存借入として見られます。

金融機関は、住宅ローンだけでなく、車のローンやカードローンなども含めて、毎月の返済負担を確認します。

たとえば、車のローンで毎月3万円を返済している場合、その分だけ住宅ローンに回せる返済余力が少なく見られることがあります。

その結果、住宅ローンの借入可能額が下がる場合があります。

特に住宅購入を近いうちに考えている場合は、新たに車のローンを組む前に、住宅ローンへの影響を確認したほうがよいです。

車が必要な方も多いので、車の購入自体が悪いわけではありません。

ただし、住宅購入のタイミングと重なる場合は、どちらを先に進めるべきか慎重に考える必要があります。

2. カードローンやキャッシングを利用する

カードローンやキャッシングの利用も、住宅ローン審査に影響しやすい項目です。

少額であっても、金融機関からは借入として見られる可能性があります。

特にカードローンは、実際に使っている金額だけでなく、借入枠があること自体を確認される場合があります。

「少しだけだから大丈夫」
「すぐ返す予定だから問題ない」

と思っていても、住宅ローン審査では慎重に見られることがあります。

住宅購入を考えている場合は、不要なカードローンやキャッシングの利用は避けたほうが安心です。

すでに利用がある場合は、残高、毎月の返済額、完済予定を整理してから住宅ローン相談に進みましょう。

3. クレジットカードのリボ払いを使う

クレジットカードのリボ払いも、住宅ローン審査で注意したいポイントです。

リボ払いは、毎月の支払いを一定額にできる便利さがありますが、住宅ローン審査では借入の一種として見られることがあります。

リボ払いの残高がある場合、毎月の返済負担として計算される可能性があります。

また、リボ払いを常に利用している状態だと、家計管理の面で慎重に見られることもあります。

住宅ローン審査を予定している場合は、リボ払いの残高を確認し、可能であれば整理しておくことをおすすめします。

特に、普段からカード明細をあまり見ていない方は、知らないうちにリボ設定になっていないか確認しておくと安心です。

4. クレジットカードの分割払いを増やす

リボ払いほど意識されにくいですが、クレジットカードの分割払いも注意が必要です。

家電や家具、スマートフォン、旅行代金などを分割払いにしている場合、住宅ローン審査で返済負担として見られることがあります。

住宅購入前は、引越しや家具・家電の購入を意識して、大きな買い物をしたくなることがあります。

しかし、住宅ローン審査前に分割払いを増やすと、借入可能額に影響する可能性があります。

新居用の家具・家電は、住宅ローンの審査や資金計画がある程度固まってから検討するほうが安心です。

5. 携帯電話料金やカード支払いを延滞する

住宅ローン審査では、信用情報が確認されます。

信用情報には、ローンやクレジットカードなどの契約内容や支払い状況が記録されています。

ここで注意したいのが、支払いの延滞です。

クレジットカードの支払い、カードローン、車のローン、携帯電話端末の分割払いなどで延滞があると、住宅ローン審査に影響する可能性があります。

特に、携帯電話料金の中に端末代金の分割払いが含まれている場合、支払い遅れが信用情報に影響することがあります。

「携帯料金だから住宅ローンとは関係ない」と思っていると、思わぬところで審査に影響することがあります。

住宅購入を考えている場合は、毎月の支払いを遅れないように管理することが大切です。

6. 転職直後に住宅ローンを申し込む

転職直後でも住宅ローンを組める場合はあります。

ただし、金融機関によっては勤続年数を重視するため、転職直後は審査で慎重に見られることがあります。

特に、同じ業種でのキャリアアップ転職なのか、まったく異なる職種への転職なのかによっても見られ方が変わることがあります。

転職して収入が上がった場合でも、勤続期間が短いことを理由に、審査上は慎重に判断されることがあります。

住宅購入を考えているタイミングで転職を予定している場合は、転職前に購入を進めるべきか、転職後に一定期間待つべきか、早めに相談することをおすすめします。

また、独立や法人設立を予定している場合は、住宅ローン審査の考え方が大きく変わることがあります。


7. 独立・開業直後に住宅ローンを申し込む

会社員から自営業者や会社経営者になると、住宅ローン審査では見られるポイントが変わります。

会社員の場合は給与収入をもとに審査されることが多いですが、自営業者や会社経営者の場合は、確定申告書や決算書、所得、事業の安定性などを確認されることがあります。

独立・開業直後は、事業実績が少ないため、住宅ローン審査で慎重に見られやすくなります。

「近いうちに独立したい」
「法人を設立する予定がある」
「会社を辞めて自営業になる予定がある」

という場合は、住宅購入のタイミングに注意が必要です。

独立後に住宅ローンを組むことが難しいという意味ではありませんが、会社員のうちに審査を進めたほうがよいケースもあります。

状況によって判断が変わるため、早めに相談することが大切です。

8. 新しいクレジットカードを何枚も作る

住宅ローン審査前に、新しいクレジットカードを何枚も作ることも注意したい行動です。

クレジットカードは、利用していなくてもキャッシング枠が付いている場合があります。

金融機関によっては、カードの借入枠を確認することがあります。

また、短期間に複数のカードを申し込むと、信用情報上の申込履歴が増えます。

これが必ず審査に悪影響を与えるとは限りませんが、住宅ローン審査前に不要なカードを増やすメリットはあまりありません。

住宅購入を考えている場合は、クレジットカードの新規作成やキャッシング枠の設定は慎重に判断しましょう。

9. 頭金や諸費用を使い切る

住宅ローン審査前後に、自己資金を大きく減らすことも注意が必要です。

住宅購入では、物件価格だけでなく、諸費用や引越し費用、家具・家電費用などがかかります。

頭金を入れる予定だった資金を別の用途に使ってしまうと、資金計画が変わることがあります。

また、手元資金が少なすぎると、購入後の生活に不安が残ります。

住宅ローンで諸費用を組み込める場合もありますが、金融機関や審査内容によって条件は異なります。

自己資金をどこまで使うか、手元にいくら残すかは、住宅購入前に整理しておきましょう。

10. 物件を決めてから慌てて審査を考える

住宅ローンでよくある失敗が、気に入った物件を見つけてから慌てて審査を考えることです。

人気物件では、申込みのスピードが重要になることがあります。

しかし、住宅ローンの見通しが立っていない状態では、購入申込みを出す判断が難しくなります。

また、審査に必要な書類を準備するだけでも時間がかかることがあります。

住宅購入を具体的に考えている場合は、物件を決める前に、住宅ローンの事前審査や資金計画を進めておくことをおすすめします。

事前に借入可能額や無理のない返済額を把握しておくことで、物件探しも進めやすくなります。

住宅ローン審査前に確認しておきたいこと

住宅ローン審査前には、次の点を整理しておくと安心です。

現在の借入状況

車のローン、カードローン、リボ払い、分割払いなど、現在の借入を確認しましょう。

毎月いくら返済しているか、残高はいくらか、完済予定はいつかを整理します。

クレジットカードの利用状況

クレジットカードの利用残高、リボ払い、分割払い、キャッシング枠などを確認しましょう。

不要なキャッシング枠がある場合は、見直しを検討してもよいでしょう。

支払い遅れの有無

過去にクレジットカードやローン、携帯端末代金などの支払い遅れがないか確認します。

不安がある場合は、自己判断せず、事前に相談することが大切です。

勤務状況

勤続年数、雇用形態、転職予定、独立予定なども確認しておきましょう。

転職や独立の予定がある場合は、住宅購入のタイミングに影響することがあります。

自己資金

頭金として使える金額、諸費用に使える金額、購入後に残しておきたい生活予備費を整理します。

自己資金をすべて使い切らないようにすることも大切です。

すでに借入やリボ払いがある場合はどうすればよい?

すでに車のローンやリボ払い、カードローンがある場合でも、必ず住宅ローンが組めないわけではありません。

大切なのは、現在の状況を正確に把握することです。

たとえば、

  • 借入残高はいくらか
  • 毎月の返済額はいくらか
  • 完済できる見込みはあるか
  • 完済したほうが審査上よいか
  • 住宅ローンの借入希望額に影響するか

を確認します。

場合によっては、住宅ローン審査前に一部借入を完済したほうがよいこともあります。

ただし、手元資金を使って完済すると、諸費用や生活予備費が不足する可能性もあります。

何を優先すべきかは状況によって異なるため、住宅ローンに詳しい不動産会社や金融機関に相談しながら判断することをおすすめします。

仲介手数料無料は住宅ローンにも関係する?

仲介手数料無料で購入できる場合、購入時の諸費用を抑えられます。

物件価格が400万円を超える場合、一般的な仲介手数料の上限は、

物件価格×3%+6万円+消費税

です。

たとえば、

  • 3,000万円の物件:約105万円
  • 4,000万円の物件:約138万円

が目安になります。

この費用が無料になると、自己資金の負担を抑えたり、住宅ローンに組み込む諸費用を減らしたりできる可能性があります。

ただし、仲介手数料無料だからといって、住宅ローン審査が必ず有利になるわけではありません。

審査では、年収、勤務状況、既存借入、信用情報、物件評価など、さまざまな要素が見られます。

それでも、購入時の諸費用を抑えられることは、資金計画上の大きなメリットです。

特に新築一戸建てやリノベーションマンションでは、仲介手数料無料でご案内できる可能性が高い物件があります。

住宅ローン審査前は「買い物」より「準備」を優先する

住宅購入を考えると、新生活に向けて家具や家電、車などを先に買いたくなることがあります。

しかし、住宅ローン審査前は、大きな買い物や新たな借入は慎重に考えるべきです。

新生活の準備は、住宅ローンの見通しが立ってからでも遅くありません。

まずは、

  • いくらまで借りられるか
  • 無理なく返せる金額はいくらか
  • 既存借入が審査に影響しないか
  • 諸費用はいくら必要か
  • 仲介手数料無料で購入できる物件か

を確認しましょう。

住宅ローン審査前は、支出を増やすより、家計と借入状況を整えることが大切です。

辰巳地所では、住宅ローン審査前のご相談も承っています

辰巳地所では、物件探しだけでなく、住宅ローンや諸費用、購入前の資金計画についてもご相談いただけます。

「車のローンがあるけれど大丈夫か」
「カードのリボ払いが住宅ローンに影響するか」
「転職したばかりでも相談できるか」
「自己資金が少なくても購入できるか」

といったご相談も可能です。

まとめ

住宅ローン審査前には、注意しておきたい行動があります。

特に、

  • 車のローンを新たに組む
  • カードローンやキャッシングを利用する
  • クレジットカードのリボ払いを使う
  • 分割払いを増やす
  • 支払いを延滞する
  • 転職直後に申し込む
  • 独立・開業直後に申し込む
  • 新しいクレジットカードを何枚も作る
  • 自己資金を使い切る
  • 物件を決めてから慌てて審査を考える

といった点には注意が必要です。

これらに心当たりがある場合でも、必ず住宅ローンが組めないというわけではありません。

大切なのは、早めに状況を整理し、無理のない資金計画を作ることです。

住宅購入を考え始めたら、物件探しとあわせて、住宅ローン審査に影響しそうな点も確認しておきましょう。

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    高場智浩
    千葉県市原市出身/在住。法政大学文学部史学科卒。 賃貸仲介を経て、2015年より不動産売買仲介に従事しています。 城南・城西エリア、横浜市、川崎市、熱海市、湯河原町を中心に一都三県で、約400件の購入・売却のお手伝いをさせていただきました。購入・売却・住宅ローンなど、不動産に関するご相談を、わかりやすく丁寧にサポートいたします。