千葉県で小学生の安全を守るには?不審者情報・通学路・住まい選びで確認したいこと
はじめに|小学生になると「一人で行動する時間」が増える
小学校への入学や進級は、子どもにとって大きな成長の節目です。
ランドセルを背負って学校へ通い、友達と遊び、習い事に通い、少しずつ行動範囲が広がっていきます。
保護者にとってはうれしい反面、心配も増える時期ではないでしょうか。
登下校の道は安全なのか。
放課後に一人になる時間はないか。
公園や商業施設で、知らない人に声をかけられたらどうすればよいのか。
防犯ブザーやGPSを持たせるだけで足りるのか。
子どもの防犯は、怖がらせるためのものではありません。
子どもが自分の身を守る方法を少しずつ身につけ、保護者や地域の大人が見守りやすい環境をつくるためのものです。
この記事では、千葉県警察の不審者情報分析や、千葉県・文部科学省の情報をもとに、小学生の登下校・放課後・通学路・住まい選びで確認したいポイントを整理します。
前回の記事で詳しく扱った「いかのおすし」のような防犯の合言葉だけでなく、今回は、保護者が実際に確認しやすい通学路や住環境の見方に重点を置いて解説します。
千葉県の不審者情報から見る子どもの安全対策
千葉県警察では、子どもを犯罪から守るため、不審者情報の分析結果を公表しています。
こうした情報は、不安を煽るためのものではなく、家庭や地域で子どもの行動を見直すきっかけとして活用したいものです。
千葉県警察は13歳未満の子どもを対象とした不審者情報を分析している
千葉県警察は、令和6年中に寄せられた不審者情報のうち、13歳未満の子どもを対象とした事案約1,100件の分析結果を公表しています。
行為別では「声かけ」が約38%と最も多く、次いで「つきまとい」などが続いています。
また、子どもの容姿をスマートフォンなどで無断撮影する「容姿撮影」も確認されています。
こうした情報を見ると、子どもが被害に遭う可能性は、特別な場所だけでなく、日常の通学路や遊び場にもあることが分かります。
ただし、数字だけを見て過度に怖がる必要はありません。
大切なのは、どのような場面で注意が必要なのかを知り、親子で具体的な行動を確認しておくことです。
注意したいのは、登下校や放課後の一人になる時間
千葉県警察の分析では、不審者情報の発生時間帯は、登校時間帯である7時台と、下校時間帯である14時台から17時台に集中しています。
登下校時間帯で全体の約72%を占めるとされています。
小学生になると、子どもだけで歩く時間が増えます。
登校時は友達と一緒でも、下校時は学年や習い事、放課後の予定によって、一人になる場面が出てくることがあります。
特に、学年が上がると保護者の付き添いが減り、子ども自身で判断する場面も増えていきます。
だからこそ、入学時だけでなく、進級のタイミングでも、通学路や帰宅時間を見直しておくことが大切です。
不審者情報は怖がるためではなく、行動を見直すために使う
不審者情報を見ていると、不安になることもあると思います。
ただ、情報を見て終わりにするのではなく、家庭での確認に活かすことが大切です。
たとえば、次のように考えてみます。
「この地域で声かけがあったなら、うちの子の通学路に似た場所はないか」
「下校時間に一人になりやすい場所はどこか」
「子どもが怖い思いをしたとき、どこへ逃げ込めるか」
「防犯ブザーはすぐ使える状態か」
不審者情報は、地域を怖がるためのものではありません。
子どもが実際に歩く道や、よく遊ぶ場所を見直すための材料として使いましょう。
家庭で確認したい小学生の防犯ルール
小学生の防犯では、家庭での約束がとても大切です。
難しいルールをたくさん決めるよりも、毎日の生活の中で守りやすいルールを、親子で繰り返し確認していきましょう。
「どこへ・誰と・何時に帰るか」を必ず伝える
まず基本になるのは、子どもが出かけるときの約束です。
どこへ行くのか。
誰と行くのか。
何時に帰るのか。
途中で予定が変わったらどうするのか。
この4つは、家族で確認しておきたいポイントです。
友達の家、公園、習い事、商業施設など、行き先が変わるときは、子どもだけで判断しないように伝えておきましょう。
また、帰宅時間は季節によっても調整が必要です。
冬は日が暮れるのが早く、同じ17時でも夏とは明るさがまったく違います。
「暗くなる前に帰る」という感覚だけでなく、何時までに帰るかを具体的に決めておくと分かりやすくなります。
「いやです・だめです・いきません」を声に出して練習する
千葉県の啓発情報では、不審者に声をかけられたとき、あいまいな態度をとらず、はっきり断ることが大切だとされています。
ただ、実際に声を出して断るのは、大人でも簡単ではありません。
子どもならなおさら、驚いて固まってしまうことがあります。
家庭では、短い言葉を声に出して練習しておきましょう。
「いやです」
「だめです」
「いきません」
「助けてください」
長い説明は必要ありません。
危ないと感じたら、はっきり断り、大人がいる方向へ逃げる。
この行動を、親子で繰り返し確認しておくと安心です。
「いかのおすし」は合言葉として繰り返し確認する
子どもの防犯の合言葉として、「いかのおすし」はよく知られています。
知らない人についていかない。
知らない人の車にのらない。
大きな声を出す。
すぐ逃げる。
大人に知らせる。
この5つは、子どもにとって分かりやすい基本行動です。
ただし、合言葉を暗記するだけでは十分ではありません。
「車から声をかけられたらどうする?」
「公園で知らない人に写真を撮られそうになったらどうする?」
「通学路で後をつけられている気がしたら、どこへ逃げる?」
このように、実際の場面に置き換えて話しておくことが大切です。
知っている人を装う声かけにも注意する
子どもに「知らない人についていかない」と教えることは大切です。
ただ、実際には、相手が家族の知り合いを装うこともあります。
「お母さんがけがをしたから迎えに来た」
「お父さんに頼まれた」
「先生が呼んでいる」
このように言われると、子どもは迷ってしまうかもしれません。
家庭では、家族以外の人が迎えに来る場合のルールを決めておきましょう。
事前に誰が迎えに来るのかを伝える。
急な変更があっても、子どもだけで判断しない。
不安なときは学校や近くの大人に確認する。
こうした約束を作っておくと、子どもが判断に迷いにくくなります。
防犯ブザー・GPS・子供110番の家をどう使うか
防犯ブザーやGPSは、子どもの安全を考えるうえで役立つ道具です。
ただし、持たせただけで安全が確保されるわけではありません。
使い方を親子で確認し、日常の約束と組み合わせて考えることが大切です。
防犯ブザーはすぐ使える場所につける
防犯ブザーは、子どもがすぐ手を伸ばせる場所につけておきましょう。
ランドセルの横や肩ベルトなど、歩きながらでも手が届く場所が基本です。
ランドセルの奥に入っていると、いざというときに使えません。
また、実際に鳴らしたことがない子どもは、音の大きさに驚いてしまうことがあります。
安全な場所で、一度は鳴らし方を練習しておきましょう。
電池が切れていないか、音が小さくなっていないかも定期的に確認します。
防犯ブザーは「持っていること」よりも、「必要なときに使えること」が大切です。
GPSは過信せず、親子の約束とセットで考える
子ども用GPSや見守り端末は、保護者にとって安心材料になります。
現在地が分かることで、帰りが遅いときや、習い事への移動中に確認しやすくなります。
ただし、GPSがあるからといって、すべての危険を防げるわけではありません。
電池切れ、通信環境、端末の置き忘れなどもあります。
GPSは便利な道具ですが、親子の約束とセットで考えましょう。
行き先を伝える。
寄り道をしない。
予定が変わったら連絡する。
困ったときは近くの大人に助けを求める。
こうした基本ルールを確認したうえで、GPSを補助的に使うと安心です。
子供110番の家や逃げ込める場所を親子で歩いて確認する
「子供110番の家」は、子どもが犯罪被害に遭いそうになったとき、助けを求めて駆け込める場所です。
千葉県警察では、子供110番の家等の活動を、地域ぐるみで子どもを犯罪から守る取り組みとして紹介しています。
大切なのは、子どもが実際に場所を知っていることです。
通学路やよく遊ぶ場所を親子で歩きながら、子供110番の家、交番、学校、コンビニ、スーパー、公共施設など、助けを求められる場所を確認しておきましょう。
「怖いことがあったら、ここに入っていい」
「このお店なら店員さんに声をかけていい」
具体的に話しておくと、子どもも行動しやすくなります。
通学路で確認したいポイント
住まい探しや進級のタイミングでは、通学路を親子で歩いて確認することをおすすめします。
地図で見る距離だけでは、通学路の安全性は分かりません。
実際に歩いてみることで、子どもの目線で気づくことがあります。
「1人区間」と見守りの空白地帯を見る
文部科学省の登下校防犯プランでは、通学路の「1人区間」など、見守りの空白地帯を把握することが大切だとされています。
1人区間とは、子どもが一人になりやすい場所や時間帯のことです。
たとえば、集団登校の集合場所までの道。
下校時に友達と別れた後の数分間。
習い事へ向かう途中の道。
家の近くまで来て、油断しやすい場所。
こうした短い区間でも、子どもにとっては不安な場所になることがあります。
通学路を歩くときは、「どこで一人になりやすいか」を確認してみましょう。
見通しの悪い道・駐車場・空き地・高い塀に注意する
通学路では、見通しの悪い場所にも注意します。
高い塀が続く道、建物の裏側、空き地、月極駐車場、植栽が伸びた場所、人通りの少ない細い道などです。
千葉県のプラス防犯でも、公園や空き家、高い塀が並ぶ道など、周囲から見えにくい場所に注意する視点が示されています。
もちろん、こうした場所があるからすぐに危険というわけではありません。
ただ、子どもが不安を感じやすい場所や、大人の目が届きにくい場所を知っておくことは大切です。
公園やトイレ、建物の裏側など死角を確認する
公園は子どもにとって大切な遊び場ですが、死角もあります。
樹木の陰、トイレ、遊具の裏、駐車場との境目、建物の裏側などです。
公園で遊ぶときは、子どもだけでトイレへ行かないこと、人気のない場所へ入らないこと、暗くなる前に帰ることを確認しておきましょう。
また、住まい選びでは、公園が近いことだけで判断せず、見通しや管理状態も見ておくと安心です。
近くに遊び場があることは魅力ですが、子どもが安全に使いやすい場所かどうかは、現地で見て確認したいところです。
夕方・雨の日・冬の暗さも想定する
通学路は、昼間と夕方で見え方が変わります。
晴れの日と雨の日でも、雰囲気は違います。
冬は日が暮れるのが早く、下校や習い事の帰り道が暗くなることもあります。
住まい探しのときは、可能であれば、昼間だけでなく夕方の雰囲気も確認してみましょう。
街灯はあるか。
歩道は歩きやすいか。
車の交通量は多すぎないか。
雨の日に水たまりができやすい場所はないか。
防犯だけでなく、交通安全の面からも、実際に歩く道を見ることが大切です。
住まい選びで見たい子どもの安全
子育て世帯の住まい探しでは、学校までの距離、間取り、価格、駅までのアクセスが大切です。
それに加えて、子どもが日常的に歩く道や遊ぶ場所の安全性も確認しておきたいところです。
学校までの距離だけでなく、実際に歩く道を見る
物件情報では「小学校まで徒歩○分」と表示されることがあります。
ただ、表示上の距離だけでは、通学路の安全性は分かりません。
歩道があるか。
横断歩道は渡りやすいか。
交通量は多すぎないか。
見通しの悪い場所はないか。
人通りや地域の見守りはあるか。
同じ徒歩10分でも、道の状況によって安心感は変わります。
子育て世帯の住まい探しでは、学校までの距離だけでなく、子どもが実際に歩く道を確認しましょう。
戸建では玄関まわり・駐車場・外構の見通しを見る
戸建住宅では、玄関まわりや駐車場、外構の見通しも確認したいポイントです。
道路から玄関が見えるか。
夜間に玄関灯や外灯が届くか。
駐車場が死角になっていないか。
高い塀や植栽で、外からの視線が遮られすぎていないか。
プライバシーを守ることは大切ですが、見通しが悪くなりすぎると、防犯面で気になる場合があります。
外構は、プライバシーと見通しのバランスを考えることが大切です。
マンション・アパートでは共用部・エレベーター・駐輪場を確認する
マンションやアパートでは、住戸内だけでなく共用部も見ておきましょう。
エントランス、廊下、階段、エレベーター、駐輪場、駐車場、ゴミ置き場などです。
昼間は明るくても、夜になると暗く感じる場所があります。
階段の踊り場や駐輪場の奥など、人目が届きにくい場所があるかもしれません。
オートロックや防犯カメラがあることは安心材料になりますが、それだけで安全を保証するものではありません。
実際に歩いたときの見通し、明るさ、管理状態も確認しておきましょう。
公園や商業施設は近さだけでなく管理状態も見る
公園や商業施設が近いことは、子育て世帯にとって便利です。
ただし、近さだけで判断せず、管理状態や見通しも見ておきたいところです。
公園なら、樹木やトイレの位置、夜間の明るさ、ゴミの散乱、遊具の状態、周囲の人通り。
商業施設なら、迷子になったときに助けを求められる場所、トイレや駐車場の配置、子どもだけで移動しやすい構造かどうか。
日常的に使う場所ほど、実際の使い方をイメージして確認することが大切です。
地域で子どもを見守る仕組み
子どもの防犯は、家庭だけで完結するものではありません。
学校、地域、警察、自治体、保護者が連携し、子どもを見守る目を増やしていくことが大切です。
学校・保護者・地域・警察・自治体の連携が大切
文部科学省の登下校防犯プランでは、警察、教育委員会・学校、自治体に加え、保護者や地域住民などが連携して、登下校時の防犯対策を進める考え方が示されています。
家庭でできることには限りがあります。
毎日すべての通学路に付き添うことが難しい家庭もあります。
だからこそ、地域の見守り活動や学校からの情報共有、警察の不審者情報などを組み合わせることが大切です。
「ながら見守り」やプラス防犯という考え方
千葉県では、日常生活の中に防犯の視点を加える「プラス防犯」という考え方が紹介されています。
通勤、買い物、犬の散歩、ジョギング、花の水やり、家の前の掃除。
こうした日常の行動に、地域や子どもたちを見守る視点を少し加える活動です。
特別な防犯活動に参加できなくても、登下校の時間に外へ出る、子どもたちにあいさつをする、周囲の様子に気を配ることはできます。
地域の大人の目が増えることは、子どもの安心につながります。
地域情報を家族で共有する習慣をつくる
千葉県警察の「ちば安全・安心メール」では、子どもに対する声掛け事案などの不審者情報や、身近な犯罪発生情報が配信されています。
また、くらしの安全マップなど、地域の防犯情報を確認できる仕組みもあります。
こうした情報は、見て不安になるだけではなく、家庭で共有して行動に変えることが大切です。
「この近くで声かけがあったから、しばらくこの道は友達と帰ろう」
「この場所は人通りが少ないから、明るい道を通ろう」
「防犯ブザーの電池を確認しておこう」
地域情報を、家族の会話につなげていきましょう。
まとめ|子どもの防犯は、家庭の練習と通学路・住環境の確認から
小学生になると、子どもが一人で行動する時間が少しずつ増えていきます。
登下校、放課後、習い事、公園、商業施設など、保護者の目が届かない場面も出てきます。
千葉県警察の不審者情報分析では、13歳未満の子どもを対象とした事案のうち、登校時間帯の7時台と、下校時間帯の14時台から17時台に集中していることが示されています。
だからこそ、通学路や放課後の行動を親子で確認しておくことが大切です。
家庭では、「どこへ・誰と・何時に帰るか」を伝える約束を作りましょう。
声をかけられたときに「いやです」「だめです」「いきません」と言えるよう、声に出して練習しておくことも役立ちます。
防犯ブザーやGPSは便利ですが、持たせるだけで安心ではありません。
すぐ使える場所につける、鳴らし方を練習する、電池を確認する、行動範囲の約束とセットで使うことが大切です。
住まい選びでは、学校までの距離だけでなく、子どもが実際に歩く道を見ておきましょう。
人通り、明るさ、見通し、駐車場、空き地、公園、マンション共用部、戸建の玄関まわりなど、現地で確認できることは多くあります。
子どもの安全は、家庭だけで守るものではありません。
学校、地域、警察、自治体、保護者が連携し、地域の見守りの目を増やしていくことが大切です。
不安を抱え込みすぎず、親子でできること、地域でできること、住まい選びで確認できることを、一つずつ見直していきましょう。
参考情報
確認日:2026年6月16日
- 千葉県警察「子供を犯罪から守りましょう!|不審者情報の分析結果」
- 千葉県警察「子供の安全に関するトピックス」
- 千葉県警察「子ども110番の家等の活動とは」
- 千葉県警察「ちば安全・安心メール」
- 千葉県警察「くらしの安全マップ」
- 千葉県「ちば県民だより 令和8年3月号 こどもを守ろう!みんなで“防犯力アップ”大作戦」
- 千葉県「わたしとみんなの安全を守る『プラス防犯』」
- 文部科学省「登下校防犯プランに基づく取組」
- 文部科学省「やってみよう!登下校見守り活動ハンドブック」
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子育て世帯の住まい探しでは、価格や間取りだけでなく、学校までの距離、実際の通学路、夜間の明るさ、人通り、公園、駐車場、マンション共用部、地域の見守り活動なども確認しておくと安心です。
特に小学生のいるご家庭では、地図上の距離だけでなく、子どもが実際に歩く道の見通しや、困ったときに助けを求められる場所があるかも大切な確認ポイントになります。
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