令和8年8月千葉豪雨|千葉市が住宅の応急修理を直接実施 対象・限度額・申請方法を解説
- 千葉市が住宅の応急修理制度を直接実施
- 千葉県の対象20市4町に千葉市が入っていない理由
- 今回の制度は千葉市全域が対象
- どのような世帯が対象になる?
- 避難所に避難していなくても対象になる場合がある
- 修理費の限度額は75万7,000円・36万7,000円
- 対象になるのは生活に必要な最小限度の修理
- 空き家・物置・車庫は対象外
- 片付けを始める前に被害箇所の写真を残しておく
- すでに修理業者へ依頼している場合はどうなる?
- 工事代金を支払ってしまった場合は対象外
- 千葉市へ申し込むときに必要な書類
- 相談・申込みは住宅政策課へ
- 修理は原則として災害発生から3か月以内に完了
- 千葉県の制度との違いは主に「実施主体」と「申請先」
- 応急修理だけでは自宅へ戻れない場合の住まいの支援
- 災害後の住宅修理を急いで契約しない
- まとめ|千葉市は対象外ではなく、市が直接制度を実施しています
- 参考情報
- 辰巳地所のご紹介
- ご相談はこちら
千葉市が住宅の応急修理制度を直接実施
令和8年8月千葉豪雨で住宅に被害を受けた千葉市民の方が、千葉県の住宅応急修理制度を調べると、対象となる「20市4町」の一覧に千葉市が含まれていないことに気づくかもしれません。
「千葉市では住宅の修理支援を受けられないのだろうか」と不安に感じる方もいるでしょう。
千葉市が対象外というわけではありません。
千葉市は2026年8月21日から、災害救助法に基づく「住宅の応急修理」の受付を開始しています。被災した住宅の日常生活に欠かせない部分を必要最小限修理し、元の住宅で再び生活できるようにする制度です。
千葉県内のほかの対象市町とは少し仕組みが違い、千葉市は市自身がこの災害救助を直接実施しています。
千葉県の対象20市4町に千葉市が入っていない理由
千葉市だけ取扱いが異なる理由は、千葉市が災害救助法上の「救助実施市」に指定されているためです。
千葉市は2023年4月3日、内閣総理大臣から救助実施市の指定を受けました。
通常、災害救助法が適用された場合には、都道府県が救助を実施し、市町村がこれを補助します。一方、救助実施市は、避難所の設置や応急仮設住宅の供与などの応急救助を自らの権限で主体的に実施できます。
今回の千葉豪雨についても、千葉県は住宅の応急修理の対象地域を「20市4町(千葉市を除く)」としたうえで、「千葉市は直接災害救助を実施」と明記しています。
つまり、
「千葉市だけ支援がない」
のではなく、
「千葉市は県を介さず、自ら制度を運用している」
と考えると分かりやすいでしょう。
今回の制度は千葉市全域が対象
千葉市の実施要領では、今回、災害救助法の適用を受けた区域は千葉市全域とされています。
災害救助法の適用日は2026年8月13日です。
そのため、「床上浸水が多かった地域だけ」「特定の区だけ」を対象にした制度ではありません。
もちろん、千葉市内にある住宅なら無条件に修理費の支援を受けられるわけではなく、実際には住宅の被害程度や生活状況などについて所定の要件を満たす必要があります。
どのような世帯が対象になる?
千葉市の案内では、基本的に次の住宅被害を受けた世帯が対象となります。
- 大規模半壊
- 中規模半壊
- 半壊
- 準半壊
大規模半壊の場合を除き、中規模半壊・半壊・準半壊では、自らの資力だけでは応急修理を行うことができないことも条件になります。
さらに、応急修理を行うことで避難所などへ避難する必要がなくなり、元の住宅で生活できる見込みがあることが必要です。
原則として応急仮設住宅を利用しないことも要件ですが、自宅が半壊以上で、応急修理の期間が1か月を超えると見込まれる場合には例外があります。
一方、「全壊」と判定された住宅は、通常は応急修理だけで居住できる程度の被害ではないため、原則として対象外です。
ただし、全壊であっても、必要な応急修理を行えば居住可能になる場合には対象となる可能性があります。
「全壊だから使えない」「半壊なら必ず使える」と自分だけで判断せず、千葉市へ被害状況を伝えて確認することが大切です。
避難所に避難していなくても対象になる場合がある
「自宅に残って生活しているので、住宅の応急修理は利用できないのでは」と考える方もいるかもしれません。
しかし、千葉市の実施要領では、避難所へ避難していなくても、日常生活に不可欠な部分に被害があれば応急修理の対象として差し支えないとしています。
たとえば、何とか自宅には住んでいるものの、浸水によって床や壁に大きな被害が残っている、トイレなど生活に欠かせない設備が使えない、といった状況も考えられます。
避難所を利用しているかどうかだけで判断される制度ではありません。
住宅の被害状況によって扱いが変わるため、「自宅にいるから対象外だろう」と決めつけず、相談してみてください。
修理費の限度額は75万7,000円・36万7,000円
住宅の被害程度によって、1世帯あたりの費用限度額が異なります。
| 被害の程度 | 費用の限度額 |
|---|---|
| 大規模半壊・中規模半壊・半壊 | 757,000円以内 |
| 準半壊 | 367,000円以内 |
ここで注意したいのは、75万7,000円や36万7,000円が被災者本人へ現金で振り込まれる制度ではないことです。
住宅の応急修理は、自治体が修理業者へ修理を依頼し、対象となる工事費を限度額の範囲で直接支払う「現物給付」の仕組みです。
限度額を超える部分や、制度の対象にならない工事を一緒に行う場合、その部分は自己負担となります。
自己負担分については、修理業者との別契約が必要です。
対象になるのは生活に必要な最小限度の修理
住宅の応急修理は、災害で傷んだ住宅を全面的にリフォームする制度ではありません。
千葉市の実施要領では、対象となる範囲として、
屋根など住宅の基本部分、ドアなどの開口部、上下水道などの配管・配線、トイレなどの衛生設備といった、日常生活に欠くことのできない部分を示しています。
また、対象となるのは今回の令和8年8月千葉豪雨と直接関係する修理です。
たとえば、以前から古くなっていた設備をこの機会に新しくしたり、被災前より性能の高い設備へ交換したりする一般的なリフォームとは性格が異なります。
家電製品も原則として応急修理の対象外です。
「どこまで対象になるのか分からない」という場合には、自己判断で工事範囲を決めるより、見積もりをもとに千葉市へ確認する方が安心です。
空き家・物置・車庫は対象外
この制度は、現に生活している住宅を再び住める状態にすることを目的としています。
そのため、千葉市は、
空き家・物置・車庫などは対象外
と明記しています。
所有している建物であれば何でも利用できる修繕補助ではありません。
賃貸住宅については別途取扱いがあり、千葉市の実施要領では、原則として所有者が修理することを前提としながら、所有者が修理できず、居住者の資力でも対応できないなど一定の場合には対象となり得ることが示されています。個別事情が大きいため、借家の場合は特に千葉市へ確認してください。
片付けを始める前に被害箇所の写真を残しておく
豪雨で自宅が浸水すると、泥や濡れた家具、床材などを一刻も早く片付けたいと思うのは自然なことです。
ただ、住宅の応急修理制度を利用する可能性がある場合には、安全を確保できる範囲で、片付けや清掃を始める前に被害状況を写真に残しておくことをおすすめします。
千葉市は、制度の利用可否を判断するために被害箇所の写真が必要であり、片付けや清掃後では被害状況を確認しにくくなる場合があるとして、事前の撮影を呼びかけています。
実施要領では、修理前だけでなく、修理前・修理中・修理後の写真を提出することも求めています。
被害を受けた部屋全体が分かる写真と、床・壁・設備など壊れた箇所が分かる写真を残しておくと、その後の説明もしやすくなります。
浸水した高さが壁などに残っている場合には、その痕跡も撮影しておくとよいでしょう。
すでに修理業者へ依頼している場合はどうなる?
被災直後は、「制度について調べてから修理業者を探す」という順番で進められないこともあります。
雨漏りや設備の故障などで、一刻も早く修理を依頼しなければ生活できない場合もあるでしょう。
千葉市では、申請受付開始前にすでに工事を発注している場合についても取扱いを設けています。
千葉市が公開している留意事項では、すでに修理へ取りかかっていても、修理業者への支払いがまだ完了していないケースは制度の対象となり得る例として示されています。
そのため、
「もう修理を始めてしまったから絶対に使えない」
とは限りません。
一方、そのまま工事や支払いを進めてよいかは個々の状況によって異なります。
すでに契約・発注・着工している場合には、支払いをする前に住宅政策課へ相談してください。
工事代金を支払ってしまった場合は対象外
工事をすでに依頼している場合と、工事費を支払い済みの場合は分けて考える必要があります。
千葉市は、修理業者へ工事費をすでに支払ってしまった場合は、住宅の応急修理制度の対象外になると案内しています。
これは、被災者が自分で工事代金を支払い、あとから自治体へ領収書を提出して払い戻してもらう制度ではないためです。
すでに業者へ修理を依頼しているものの、まだ代金を支払っていない場合には、支払い前に一度千葉市へ確認してください。
被災直後は「早く終わらせたい」という気持ちが強くなりますが、制度を利用する可能性がある場合、この確認がとても大切になります。
千葉市へ申し込むときに必要な書類
千葉市は、住宅の応急修理に関する申請書類をホームページで公開しています。
申込時には、主に住宅の応急修理申込書のほか、罹災証明書の写しや修理業者の見積書などが必要になります。
また、千葉市のページでは、
- 住宅の応急修理申込書
- 資力に係る申出書
- 修理見積書
- 住宅の被害状況に関する申出書
- 誓約書
などの様式が用意されています。
工事完了時には、工事完了報告書や応急修理工事写真台帳も使用します。
必要となる書類は住宅の被害状況などによって異なる場合がありますので、「一式そろうまで相談できない」と考える必要はありません。
何を準備すればよいか分からない場合には、まず住宅政策課へ現在の状況を伝えて確認するとよいでしょう。
相談・申込みは住宅政策課へ
2026年8月28日時点で、千葉市は次の窓口で相談・申込みを受け付けています。
千葉市 都市局建築部 住宅政策課
千葉市役所本庁舎低層棟4階
電話:043-245-5853
受付時間は、9時から17時まで。当面の間は休日も含むと案内されています。
窓口だけでなく、郵送や電子メールでも申込みが可能です。
郵送先は、
〒260-8722
千葉市中央区千葉港1-1
千葉市都市局建築部住宅政策課
電子メールは、
jutakuseisaku.URC@city.chiba.lg.jp
です。
受付時間や運用方法は被災後の状況に応じて変更される可能性がありますので、申込みの際には千葉市の最新案内を確認してください。
修理は原則として災害発生から3か月以内に完了
千葉市は、今回の住宅の応急修理について、
原則として災害発生の日から3か月以内に修理を完了する
と案内しています
ここで注意したいのは、「3か月以内」がそのまま申込期限を意味するわけではないことです。
住宅の応急修理では、申込みと工事完了の期限を分けて考える必要があります。
修理業者の混雑などにより予定どおり工事を進められない可能性もありますので、制度を利用したいと考えている場合には、期限ぎりぎりまで待たず早めに住宅政策課へ相談する方がよいでしょう。
千葉県の制度との違いは主に「実施主体」と「申請先」
千葉市版と千葉県版を比較すると、「金額も内容もまったく違う別制度」のように感じるかもしれません。
実際には、どちらも災害救助法に基づく「住宅の応急修理」です。
千葉県が案内している対象20市4町では、被災者がそれぞれの市町窓口へ申し込み、市町が修理業者へ依頼し、費用を直接支払います。
一方、千葉市は救助実施市として、自ら災害救助を直接実施しています。
基本的な制度趣旨や、75万7,000円・36万7,000円という費用限度額に大きな違いがあるわけではありません。
違いを一言で表すなら、
「千葉市では、千葉市自身が実施主体となり、市の住宅政策課が直接受付を行っている」
という点です。
千葉市以外の対象20市4町については、当社の「令和8年8月千葉豪雨|千葉県が被災住宅の応急修理制度を実施 対象世帯・限度額・申請先を解説」で詳しくご紹介しています。
応急修理だけでは自宅へ戻れない場合の住まいの支援
住宅の被害が大きい場合には、必要最小限の応急修理だけで元の生活へ戻ることが難しいケースもあります。
千葉市では、住宅の応急修理以外にも被災した方への住まいの支援を案内しています。
たとえば、市営住宅の一時提供のほか、千葉県営住宅などほかの公営住宅、UR賃貸住宅の一時提供、住宅金融支援機構による被災住宅の建替え・補修に必要な資金の融資相談などがあります。
千葉市の市営住宅については、2026年8月25日時点で30戸が用意され、家賃無料、原則6か月以内、必要に応じて1年間まで更新可能と案内されています。
ただし、対象条件がありますので、住宅の応急修理を利用するか、一時的な住まいを利用するか迷う場合には、現在の住宅の状態や生活状況を市へ伝えて相談するとよいでしょう。
災害後の住宅修理を急いで契約しない
豪雨のあと、壊れた屋根や浸水した床を目の前にすると、「早く修理しなければ」と焦るのは当然です。
一方、災害後の混乱につけ込み、高額な費用を請求したり、その場で契約を迫ったりする施工業者によるトラブルにも注意が必要です。
千葉市も、住宅応急修理制度の案内の中で、災害に便乗した悪質な施工業者について注意を呼びかけています。
雨漏りの防止など、安全や生活のために緊急性の高い工事まで止める必要はありません。
ただし、
「今日中に契約しないと危険です」
「市役所から依頼されて来ました」
「保険ですべて無料になります」
などと突然契約を迫られた場合には、一度立ち止まって確認してください。
可能であれば複数の業者から見積もりを取り、不安があれば千葉市や消費生活センターなどへ相談することも考えましょう。
まとめ|千葉市は対象外ではなく、市が直接制度を実施しています
千葉県の住宅の応急修理制度の対象20市4町に千葉市が載っていないため、「千葉市は対象外なのでは」と思う方もいるかもしれません。
しかし、千葉市も令和8年8月千葉豪雨で被災した住宅を対象に、災害救助法に基づく住宅の応急修理を実施しています。
千葉市が県の対象市町とは別に扱われているのは、2023年から「救助実施市」に指定され、市自身が災害救助を直接実施しているためです。
今回の制度は千葉市全域が対象となり、大規模半壊・中規模半壊・半壊では1世帯75万7,000円以内、準半壊では36万7,000円以内を限度として、日常生活に必要な最小限度の修理を行います。
費用が現金で支給されるのではなく、千葉市から修理業者へ直接支払われる点にも注意してください。
また、すでに修理へ着手していても、まだ代金を支払っていなければ制度の対象となる可能性があります。一方、修理業者へ工事代金を支払い済みの場合は対象外です。
片付けを始める前に被害箇所の写真を残し、修理業者への支払い前に住宅政策課へ相談しておくと、その後の手続きを進めやすくなります。
被災後は、片付け、罹災証明書、修理、保険、これからの住まいなど、一度に考えなければならないことが増えます。
すべてを一度に決めようとせず、まず利用できる公的な支援を確認しながら、一つずつ進めていくことをおすすめします。
参考情報
確認日:2026年8月28日
千葉市「【令和8年8月千葉豪雨】災害救助法に基づく住宅の応急修理について」
URL:https://www.city.chiba.jp/toshi/kenchiku/jutakuseisaku/r8gouusaigai_oukyuushuuri.html
千葉市「令和8年8月千葉豪雨における『日常生活に必要な最小限度の部分の修理』千葉市実施要領」
URL:https://www.city.chiba.jp/toshi/kenchiku/jutakuseisaku/documents/260820_oukyuushuurijishiyouryou.pdf
千葉市「災害救助法に基づく救助実施市の指定について」
URL:https://www.city.chiba.jp/sogoseisaku/kikikanri/kikikanri/saigaikyujo.html
千葉県「令和8年8月千葉豪雨による被災住宅の応急修理について(制度概要のご案内)」
URL:https://www.pref.chiba.lg.jp/juutaku/saigaifukkyuu/r8/r8gouu-shurishousai.html
千葉県「令和8年8月13日からの大雨に伴う災害に係る災害救助法の適用について(第3報)」
URL:https://www.pref.chiba.lg.jp/bousaik/press/2026/saigaikyujoho-r813v3.html
千葉市「【千葉豪雨】生活の支援」
URL:https://www.city.chiba.jp/sogoseisaku/kikikanri/bosai/chibagouu/seikatsu.html
辰巳地所のご紹介
令和8年8月千葉豪雨で住宅に被害を受けた方は、まず千葉市の住宅の応急修理や火災保険など、利用できる支援や補償を確認することをおすすめします。
住宅の応急修理を利用できるかどうか、どこまでの工事が対象になるかといった最終的な判断は千葉市が行います。制度について分からないことがある場合には、千葉市都市局建築部住宅政策課へご確認ください。
被災した住宅については、応急修理をして住み続ける、本格的に修繕する、建て替える、別の住宅へ住み替える、売却を検討するといった複数の選択肢があります。
被災直後に売却や住み替えを急いで決める必要はありません。
まず公的支援や火災保険、修繕に必要な費用、現在の住宅ローンなどを確認し、そのうえで今後の住まいを考えていくことが大切です。
辰巳地所では、千葉市・市原市をはじめとする千葉県を中心に、一都三県で不動産の購入・売却をサポートしています。
応急修理後も大規模な修繕が必要になる場合や、「この住宅を直して住み続けるか、建て替え・住み替え・売却も含めて考えた方がよいのか」と迷っている場合には、不動産としての選択肢についてご相談いただけます。
住宅購入については、新築戸建・リノベーションマンション・リフォーム済戸建を中心に、売主様から当社へ仲介手数料が支払われる物件であれば、買主様の仲介手数料は無料です。
SUUMO・アットホーム・HOME’Sなどで見つけた物件についても、当社で取り扱える場合があります。物件URLをお送りいただければ、仲介手数料無料の対象になるか、購入時の諸費用とあわせて確認します。
住宅ローンについても、住宅ローンアドバイザー・FPの視点から、現在の住宅ローンや修繕費、新たな住まいに必要となる費用などを踏まえながら資金計画をご相談いただけます。
売却については、仲介手数料を一般的な相場の半額を基本としてご相談いただけます。ただし、物件価格や取引条件によって個別確認が必要です。
被災後の住まいについて、まず利用できる制度や補償を確認したうえで、不動産の購入・売却について確認したいことがありましたら辰巳地所までご相談ください。
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