中古マンションの価値を守る区分所有法の改正。建て替えや修繕がスムーズに進む仕組みを解説。
築年数の経過した中古マンションを所有している場合や、これから購入を検討している場合、将来の「建て替え」や「老朽化」への不安は尽きないものです。
これまでは一部の反対や所有者不明によって計画が頓挫するケースが多く見られましたが、2025年5月に成立し、2026年4月1日から施行される改正区分所有法によって状況は大きく改善されます。
この記事では、改正区分所有法のポイントを整理し、中古マンションの資産価値にどのようなプラスの影響があるのかを詳しくお伝えします。
なぜ今、区分所有法が改正されるのか
マンションは今や国民の1割以上が居住する重要な住まいとなっていますが、建物と居住者の「2つの老い」が深刻な課題となっています 。築40年を超える物件は今後10年で2倍、20年で3.4倍に急増する見通しです 。
一方で、所有者の高齢化や所在不明者の増加により、集会での意思決定が困難になるケースが増えています。外壁の剥落などの危険があるにもかかわらず、ルール上の壁で対策が打てない「管理不全」の状態を防ぐことが、今回の改正の大きな目的です。
建て替えや修繕がしやすくなる決議要件の緩和
今回の区分所有法改正における最大の注目点は、意思決定のルールの合理化です。これにより、これまで進まなかった中古マンションの再生が現実的なものとなります。
出席者の多数決による意思決定
これまでは、修繕などの重要な事項を決める際、全所有者の数に基づいた決議が必要でした。しかし改正後は、集会に出席した方の多数決(普通決議)で判断できる範囲が広がります。これにより、いわゆる「無関心層」が壁となって議論が進まない事態を回避できます。
所在不明者の除外制度
連絡がつかず、どこに住んでいるか分からない所有者がいる場合、これまでは決議の母数に含まれるため、実質的に「反対票」として扱われていました。改正法では、裁判所が認定した所在不明者を決議の母数から除外できる制度が創設されます。この仕組みにより、正当に管理・運営を志す方々だけでスムーズに意思決定を行えるようになります。
再生手法の選択肢が広がるメリット
中古マンションの出口戦略は、単なる建て替えだけではありません。改正法では、多様なニーズに応えるための新たな手法が盛り込まれています。
一例として、建物と敷地を一括売却する手法や、一棟丸ごとリノベーションを行う手法も、建て替えと同様の多数決で選択可能になります。さらに、耐震性が不足しているなどの危険なマンションについては、決議要件がより緩和される特例も設けられました 。
また、隣接地を取り込んで敷地を拡大し、容積率や高さ制限の特例を受けることで、より付加価値の高い建物へ再生する道も開かれます。これらの選択肢が増えることは、所有者にとって資産価値を最大化させる大きなチャンスです。
安心できるマンション選びのために注意したいこと
法改正によってルールが整備されたとはいえ、すべての物件が良好に維持されるわけではありません。改正の恩恵を受けられるかどうかは、日頃の管理体制に左右されます。
注意点として、新しく導入される「管理計画認定制度」の有無などをチェックしてください。適切な管理計画があるマンションは、将来的な再生のハードルも低くなる傾向にあります。また、管理業者が管理組合の代表を兼ねる場合には、利益相反を防ぐための事前説明が義務化されるなど、所有者の権利を守る仕組みも強化されています。
改正区分所有法 概要
1. 改正の背景と必要性
- 「2つの老い」の進行: 建物自体の老朽化と居住者の高齢化が同時に進んでおり、外壁剥落などの危険や、合意形成が難しくなるなどの課題が顕在化しています 。
- 築古マンションの急増: 築40年以上のマンション(約137万戸)は、今後20年で約3.4倍に増えると予測されています 。
- 所有者の高齢化: 築40年以上のマンションのうち、世帯主が70歳以上の割合は5割を超えています 。
2. 改正法の主な概要
① 管理の円滑化(区分所有法・マンション管理法)
- 決議要件の合理化: 修繕など、区分所有権の処分を伴わない事項の決議を、従来の「全所有者の多数決」から「集会出席者の多数決」へ変更します 。
- 所在不明者の除外: 裁判所が認定した所在不明者を決議の母数から除外できる制度を創設し、無関心や連絡不能による否決を防ぎます 。
- 管理計画認定制度: 新築時から適切な管理が行われるよう、分譲事業者が作成した計画を管理組合に引き継ぐ仕組みなどを導入します 。
- 財産管理制度の創設: 管理不全の専有部分や共用部分を、裁判所が選任する管理人に管理させる制度を設けます 。
② 再生の円滑化(区分所有法・マンション再生法等)
- 新たな再生手法の導入: 建て替えだけでなく、「建物・敷地の一括売却」「一棟リノベーション」「建物の取壊し」なども、多数決決議(原則4/5、耐震不足等は3/4など)で可能になります 。
- 容積率・高さ制限の特例: 耐震性不足などで建て替えを行う際、容積率に加えて高さ制限の緩和も特例として認められるようになります 。
- 隣接地の取り込み: 建て替え時に隣接地を等価交換(権利変換)の対象に含めることが可能になり、敷地拡大による容積確保を促進します 。
③ 行政・民間との連携
- 地方公共団体の権限強化: 危険なマンションに対し、報告徴収や指導・勧告を行える措置が整備されます 。
- 民間団体登録制度: 区分所有者の意向把握や合意形成を支援する民間団体の登録制度を創設します 。
3. 目標値(KPI)
- 管理計画認定の取得割合: 令和6年時点の約3%から、将来的に20%まで引き上げることを目標としています 。
- 再生等の件数: 同472件から1,000件へと拡大し、危険なマンションを10年後に概ね解消することを目指しています 。
改正区分所有法 参考資料

出典:法務省「マンションの管理・再生の円滑化等のため改正法|概要版」
まとめ
区分所有法改正は、中古マンションを「負の遺産」にさせないための強力な後押しとなります。決議要件の緩和や再生手法の多様化により、老朽化への不安が軽減され、優良な物件はより適正に評価される時代が来るでしょう。
ただし、個別のマンションがどのような再生計画を描けるかは、その敷地の条件や管理組合の状態によって千差万別です。専門的な知識が必要な場面も多いため、まずは現状を正しく把握することが重要です。
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近年、不動産会社がリノベーションを行い販売している中古マンションが増加しています。旧耐震基準のマンションについては、融資を行わない金融機関も多くあります。リノベーションマンションの購入を検討されている方は、是非当社へご相談ください。
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