【2026年版】不動産売買契約書の印紙代一覧表|軽減措置と負担ルールを解説
不動産を購入・売却するときは、売買代金や仲介手数料、登記費用、住宅ローン費用に目が向きやすいものです。
その中で、意外と見落としやすいのが「印紙代」です。
不動産売買契約書を紙で作成する場合、契約書に記載された売買金額に応じて印紙税がかかります。
金額としては数千円から数万円程度になることが多いですが、契約前に諸費用を整理するうえでは確認しておきたい費用です。
この記事では、2026年現在の不動産売買契約書の印紙代、軽減措置の期間、売主・買主の負担、契約書を1通だけ作る場合、住宅ローン契約書の印紙代、電子契約の扱いまで整理します。
不動産売買契約書には印紙税がかかります
不動産売買契約書は、印紙税の課税文書に該当します。
売買契約書を紙で作成する場合、契約書に記載された契約金額に応じた収入印紙を貼り、消印をすることで印紙税を納付するのが一般的です。
たとえば、新築戸建、中古戸建、中古マンション、土地などの売買契約書を紙で作成する場合、売買価格に応じて印紙代が変わります。
ただし、現在は不動産の譲渡に関する契約書について、一定の軽減措置があります。
そのため、通常の本則税率よりも軽減された印紙税額になる場合があります。
まずは、売買価格ごとの印紙代を一覧表で確認してみましょう。
【2026年版】不動産売買契約書の印紙代一覧表
2026年現在、不動産売買契約書の印紙代は、契約金額に応じて次のように整理できます。
| 契約金額 | 本則税率 | 軽減税率 |
|---|---|---|
| 1万円未満 | 非課税 | 非課税 |
| 1万円以上10万円以下 | 200円 | 軽減対象外 |
| 10万円超50万円以下 | 400円 | 200円 |
| 50万円超100万円以下 | 1,000円 | 500円 |
| 100万円超500万円以下 | 2,000円 | 1,000円 |
| 500万円超1,000万円以下 | 10,000円 | 5,000円 |
| 1,000万円超5,000万円以下 | 20,000円 | 10,000円 |
| 5,000万円超1億円以下 | 60,000円 | 30,000円 |
| 1億円超5億円以下 | 100,000円 | 60,000円 |
| 5億円超10億円以下 | 200,000円 | 160,000円 |
| 10億円超50億円以下 | 400,000円 | 320,000円 |
| 50億円超 | 600,000円 | 480,000円 |
| 契約金額の記載がないもの | 200円 | 軽減対象外 |
一般的な住宅購入で多い価格帯を見ると、売買価格が1,000万円超5,000万円以下の場合、軽減後の印紙代は1万円です。
売買価格が5,000万円超1億円以下の場合は、軽減後の印紙代は3万円になります。
契約前に資金計画を立てるときは、売買代金や仲介手数料だけでなく、こうした印紙代も諸費用の一部として見ておきましょう。
軽減措置は2027年3月31日まで
不動産売買契約書の印紙税には、軽減措置があります。
対象となるのは、不動産の譲渡に関する契約書のうち、記載金額が10万円を超えるもので、令和9年3月31日までに作成されるものです。
つまり、2026年中に作成される一般的な不動産売買契約書は、要件を満たせば軽減税率の対象になります。
一方、契約金額が1万円以上10万円以下のものや、契約金額の記載がないものは、軽減措置の対象外です。
また、売買金額の変更契約書や補充契約書なども、内容によっては軽減措置の対象になる場合があります。
ただし、個別の契約書がどの課税文書に当たるか、どの金額を基準にするかは、契約書の内容によって判断が変わることがあります。
不安がある場合は、税務署や税理士へ確認してください。
印紙代は売主・買主のどちらが負担する?
不動産売買契約では、売買契約書を売主用・買主用として2通作成することが多くあります。
この場合、それぞれが保管する契約書に収入印紙を貼り、それぞれが印紙代を負担する実務が一般的です。
たとえば、売買価格が3,000万円で、売主・買主が契約書を1通ずつ保管する場合、軽減後の印紙代は1通あたり1万円です。
売主が保管する契約書に1万円、買主が保管する契約書に1万円の収入印紙を貼る形になります。
ただし、印紙代の負担方法は、当事者間の合意や契約書の作成方法によって変わることがあります。
「必ず折半」と決まっているわけではありません。
契約前に、不動産会社へ印紙代の負担方法を確認しておくと安心です。
契約書を1通だけ作る場合の注意点
不動産売買契約では、契約書を1通だけ作成し、原本を一方が保管し、もう一方が写しを保管する方法が取られることもあります。
この場合、原本にだけ収入印紙を貼るという扱いになることがあります。
ただし、ここで注意したいのは「写しなら必ず印紙不要」とは言い切れない点です。
写し、副本、謄本と表示されていても、契約の成立を証明する目的で作成されたものは、印紙税の課税対象になる場合があります。
たとえば、写しであっても、双方の署名・押印があるものや、正本と相違ないことを証明する記載があるものは、課税対象になることがあります。
一方、単なるコピーで、署名・押印や証明がなく、控えとして保管するだけのものであれば、課税文書に当たらない場合があります。
契約書を1通だけ作る場合は、どの文書が課税対象になるのか、事前に確認しておきましょう。
住宅ローン契約書の印紙代は別にかかることがある
住宅ローンを利用する場合、不動産売買契約書とは別に、金融機関との金銭消費貸借契約書を作成します。
金銭消費貸借契約書とは、簡単にいうと、お金を借りる契約書です。
住宅ローンの契約書も、紙で作成する場合は印紙税の対象になることがあります。
ここで気をつけたいのは、不動産売買契約書の印紙税と、住宅ローン契約書の印紙税は別に考える必要があることです。
不動産売買契約書には、不動産譲渡契約書の軽減措置が適用される場合があります。
一方、住宅ローンの金銭消費貸借契約書は、消費貸借に関する契約書として扱われるため、不動産売買契約書の軽減措置とは別です。
近年は、住宅ローン契約を電子契約で行う金融機関もあります。
電子契約の場合、紙の課税文書を作成しないため、印紙税がかからない場合があります。
住宅ローンの諸費用を確認するときは、売買契約書の印紙代だけでなく、ローン契約書の印紙代や電子契約手数料なども合わせて確認しましょう。
印紙の貼り方と消印の基本
印紙税は、課税文書に所定額の収入印紙を貼り、消印することで納付するのが一般的です。
消印とは、収入印紙が再利用されないように、印紙と契約書にまたがるように印章または署名をすることです。
不動産売買契約書では、契約書に印紙を貼り、売主・買主、または契約書の作成者が消印を行います。
実務では、不動産会社が契約時に印紙の貼付や消印の位置を案内することが多いです。
印紙は、貼っただけでは不十分です。
消印を忘れると、消印されていない印紙の額面に相当する過怠税がかかることがあります。
契約時には、印紙の金額だけでなく、消印がされているかも確認しておきましょう。
印紙を貼り忘れた場合の過怠税
印紙を貼るべき契約書に印紙を貼らなかった場合、過怠税がかかることがあります。
原則として、本来納めるべき印紙税額の3倍に相当する過怠税が徴収されることがあります。
ただし、税務調査を受ける前に自主的に申し出た場合には、1.1倍に軽減される場合があります。
また、印紙を貼っていても、所定の方法で消印していない場合は、消印されていない印紙の額面に相当する過怠税がかかることがあります。
印紙税は契約そのものの有効・無効とは別の税金です。
印紙を貼り忘れたからといって、ただちに売買契約が無効になるわけではありません。
ただし、余計な負担を避けるためにも、契約時に不動産会社や金融機関と確認しながら進めることが大切です。
電子契約なら印紙税がかからない場合がある
電子契約では、印紙税がかからない場合があります。
印紙税は、紙の課税文書に対して課される税金です。
国税庁では、電磁的記録は文書に含まれないため、印紙税は課税されないと整理しています。
そのため、不動産売買契約書や住宅ローン契約書を電子契約で締結し、紙の課税文書を作成しない場合、印紙税がかからないことがあります。
ただし、電子契約をした後に、別途紙の契約書を作成する場合は注意が必要です。
紙の契約書が課税文書に該当する場合には、その紙の契約書について印紙税がかかる可能性があります。
また、電子契約に対応しているかどうかは、不動産会社、売主、買主、金融機関、契約方法によって異なります。
電子契約を希望する場合は、早めに対応可否を確認しておきましょう。
貼り間違えた印紙は還付できる場合がある
収入印紙を誤って多く貼ってしまった場合や、課税文書に該当しない文書に誤って貼ってしまった場合などは、税務署で還付を受けられることがあります。
たとえば、1万円の印紙で足りる契約書に3万円の印紙を貼ってしまった場合などは、還付の対象になる可能性があります。
また、課税文書の用紙に印紙を貼ったものの、使用する見込みがなくなった場合も、一定の条件で還付対象になることがあります。
ただし、貼り間違えた印紙を自分ではがして再利用することはできません。
還付を受けたい場合は、印紙が貼られた文書を税務署へ持参し、所定の手続きを行う必要があります。
還付の可否はケースによって異なるため、判断に迷う場合は税務署へ確認しましょう。
まとめ|印紙代は小さく見えても契約前に確認したい費用です
不動産売買契約書を紙で作成する場合、契約金額に応じた印紙税がかかります。
2026年現在、不動産の譲渡に関する契約書については軽減措置があり、令和9年3月31日までに作成される一定の契約書は軽減税率の対象です。
一般的な住宅購入で多い1,000万円超5,000万円以下の売買契約書では、軽減後の印紙代は1万円です。
5,000万円超1億円以下の場合は、軽減後の印紙代は3万円になります。
売主用・買主用として契約書を2通作成する場合は、それぞれの契約書に印紙を貼る実務が多くあります。
一方、契約書を1通だけ作成する場合や、写し・副本を作る場合は、その文書が課税対象になるかどうかを確認する必要があります。
住宅ローンを利用する場合は、売買契約書とは別に、金銭消費貸借契約書の印紙代がかかることもあります。
電子契約なら印紙税がかからない場合がありますが、別途紙の契約書を作成する場合は注意が必要です。
印紙代は、不動産購入・売却の諸費用の中では大きく見えないかもしれません。
それでも、契約前に確認しておくことで、資金計画をより正確に立てやすくなります。
参考情報
確認日:2026年6月19日
- 国税庁「不動産売買契約書の印紙税の軽減措置」
- 国税庁「No.7140 印紙税額の一覧表」
- 国税庁「No.7101 不動産の譲渡・土地の賃貸借・消費貸借・運送等に関する契約書」
- 国税庁「No.7120 契約書の写し、副本、謄本等」
- 国税庁「No.7129 印紙税の納付方法」
- 国税庁「No.7131 印紙税を納めなかったとき」
- 国税庁「No.7130 誤って納付した印紙税の還付」
- 国税庁「取引先にメール送信した電磁的記録に関する印紙税の取扱い」
- 国税庁「印紙税の手引」
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