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国土交通省が、長期固定金利型の住宅ローン「フラット35」で、中古住宅を購入する子育て世帯への金利優遇を拡充する方向で検討を進めています。

日本経済新聞の報道によると、2027年度にも新たな金利引下げメニューを設ける方向で、制度の詳細は2026年末にかけて詰められる見通しです。

新築住宅の価格が上昇するなか、「中古戸建や中古マンションも選択肢に入れたい」と考えている子育て世帯にとっては気になる動きでしょう。

ただし、2026年9月15日時点では、新制度の具体的な対象要件や金利の引下げ幅などは決まっていません。

また、現在のフラット35にも「子育てプラス」や「中古プラス」があり、中古住宅を購入する子育て世帯が金利優遇を受けられる仕組みはすでに存在します。

今回は、現在利用できる制度との違いを踏まえながら、2027年度に向けて検討されている内容を見ていきます。

くらしのマーケット

フラット35、中古住宅を購入する子育て世帯の優遇拡充へ

国土交通省は、2027年度(令和9年度)の住宅局関係予算概算要求で、住宅金融支援機構のフラット35について金利引下げ対象の見直しを進める方針を示しています。

日本経済新聞は、この見直しについて、中古住宅を購入する子育て世帯向けに新たな金利引下げメニューを設ける方向だと報じました。

背景には、新築住宅を中心とする住宅価格や住宅ローン金利の上昇があります。新築だけではなく、比較的幅広い価格帯から探せる中古住宅の流通を後押しする狙いがあるとみられます。

もっとも、現時点では概算要求の段階です。

「2027年度から必ず利用できる」「金利が何%下がる」といった制度の詳細まで確定したわけではありません。住宅購入を検討する際は、今後発表される正式な制度内容を確認する必要があります。

2027年度に新たな金利引下げメニューを検討

国土交通省の令和9年度住宅局関係予算概算要求では、「優良住宅整備促進等事業費補助」として290.66億円が要求されています。

ただし、この290.66億円すべてが今回の「中古住宅を購入する子育て世帯向け」の新メニューに充てられるという意味ではありません。

フラット35には、省エネルギー性能の高い住宅や子育て世帯、一定の基準を満たす中古住宅など、条件に応じた複数の金利引下げ制度があります。今回報じられた内容も、こうした支援体系を見直す中で検討されているものです。

新しいメニューについて、対象となる世帯や住宅の条件、付与されるポイント数、適用開始時期などは、2026年9月15日時点では明らかになっていません。

「中古住宅を購入する子育て世帯」という方向性だけで、現在検討している物件が対象になると判断するのはまだ早い段階です。

現在も「フラット35子育てプラス」で金利引下げがある

今回のニュースを見ると、「これまで中古住宅では子育て世帯向けの優遇を受けられなかったのでは」と感じるかもしれません。

しかし、現行の「フラット35子育てプラス」は、新築住宅だけを対象とした制度ではありません。

子育て世帯や若年夫婦世帯がフラット35を利用する場合、子どもの人数などに応じてポイントが付与され、借入金利が一定期間引き下げられます。

2026年9月時点の主な内容は次のとおりです。

世帯金利引下げ
若年夫婦世帯または子ども1人当初5年間 年▲0.25%
子ども2人当初5年間 年▲0.50%
子ども3人当初5年間 年▲0.75%

「子育て世帯」は、借入申込時に子どもがいて、その子どもが借入申込年度の4月1日時点で18歳未満である世帯などが対象です。

「若年夫婦世帯」は、借入申込時に夫婦であり、夫婦のいずれかが借入申込年度の4月1日時点で40歳未満である世帯をいいます。

家族構成によって金利引下げ幅が変わるため、「子育て世帯なら一律で同じ金利になる」という制度ではありません。

中古住宅には「フラット35中古プラス」もある

中古住宅を購入する場合には、2025年度に始まった「フラット35中古プラス」もあります。

一定の基準を満たした中古住宅を購入する際、当初5年間の借入金利を年0.25%引き下げる制度です。

ここで注意したいのは、単に「中古住宅である」というだけでは対象にならないことです。

一戸建てでは、床や天井、階段、バルコニー、雨樋、屋外に面する開口部、給排水・給湯設備などについて、目視できる範囲で一定の状態が確認されることなどが条件となっています。

たとえば、天井に著しい割れや腐食、漏水の跡がないこと、給排水管の接続部分などに漏水やその痕跡がないことといった検査項目があります。

一定の要件を満たした建設住宅性能評価書(既存住宅)を取得している住宅についても対象となる仕組みです。

さらに、現在のフラット35では、子育てプラスと中古プラスなど複数の金利引下げメニューを組み合わせることもできます。

つまり、今回検討されている制度は、「これまで中古住宅では子育て世帯向けの優遇がなかったため、新たに対象にする」というものではありません。

新制度で何が変わる?現時点では詳細未定

現在でも、

「子育て世帯であること」による子育てプラスと、

「一定の基準を満たす中古住宅であること」による中古プラスを組み合わせる仕組みがあります。

そのうえで今回報じられているのは、「子育て世帯が中古住宅を購入すること」に着目した新たな金利引下げメニューを追加する方向で検討しているという内容です。

どのような世帯が対象になるのか、中古住宅にはどのような条件が設けられるのか、現在の子育てプラスや中古プラスに何ポイントが上乗せされるのかなどは、まだ分かっていません。

今後の制度設計によっては、中古住宅を検討する子育て世帯にとって選択肢が広がる可能性がありますが、具体的なメリットは正式な制度内容が公表されてから判断するのがよいでしょう。

2026年9月のフラット35金利は年3.46%

住宅金融支援機構によると、2026年9月資金受取分のフラット35は、借入期間21年以上35年以下、融資率9割以下、新機構団信付きの場合、取扱金融機関が提供する金利のうち最も多い金利が年3.46%です。

融資率9割超では年3.57%となっています。

フラット35は全期間固定金利型のため、借入時に返済終了までの金利が確定する点が特徴です。一方で、変動金利型の住宅ローンとは金利水準や仕組みが異なります。

どちらが適しているかは、現在の金利だけで一律に決められるものではありません。

毎月の返済額、今後の家計、自己資金、借入期間なども含め、自分たちに合った住宅ローンを考えることが大切です。

また、フラット35の金利は毎月変わります。実際に利用する際には、資金受取時の金利や取扱金融機関の商品内容を改めて確認しましょう。

中古住宅を検討するときは金利だけで決めない

子育て世帯向けの金利優遇が拡充されれば、中古住宅を検討する際の選択肢がさらに広がる可能性があります。

ただし、中古住宅の場合は、住宅ローンの金利だけで購入判断をすることはできません。

築年数が同じ住宅でも、これまでの修繕履歴や管理状態によって建物の状態は異なります。雨漏りや給排水設備、外壁・屋根、耐震性なども確認し、購入後に必要となるリフォーム費用まで含めて資金計画を考えたいところです。

フラット35中古プラスの物件検査に適合していることも一つの判断材料になりますが、それだけで建物に将来の修繕リスクがないことを保証するものではありません。

たとえば金利優遇を受けられる住宅でも、購入後にまとまった修繕費用が必要になる場合があります。

物件価格と住宅ローンだけではなく、仲介手数料や登記費用、火災保険料などの諸費用、必要に応じたリフォーム費用まで含めて総額を見ることが、中古住宅では特に大切になります。

2026年末に向けて正式発表を確認したい

今回報じられた新メニューは、中古住宅を検討する子育て世帯にとって気になる制度変更です。

一方で、2026年9月15日時点では詳細が決まっていないため、「新制度が始まるまで住宅購入を待った方がよい」と一概には言えません。

住宅は同じ物件がいつまでも販売されているとは限らず、住宅ローン金利や物件価格も今後変わる可能性があります。家族の転居時期や子どもの進学など、それぞれの事情もあるでしょう。

現在利用できる子育てプラスや中古プラスを確認しながら、希望する物件と資金計画が合うかを考える。そのうえで、2026年末にかけて発表される新制度の詳細も確認していくのが現実的です。

制度が正式に決まれば、対象となる世帯や住宅の条件、具体的な金利引下げ幅なども見えてきます。

中古住宅を検討している方は、「新しい制度ができる」という情報だけで判断せず、ご自身が利用できる条件まで確認してから資金計画に反映するとよいでしょう。

参考情報

確認日:2026年9月15日

国土交通省「令和9年度住宅局関係予算概算要求概要」
URL:https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/002018408.pdf

住宅金融支援機構「フラット35 子育てプラス」
URL:https://www.flat35.com/loan/lineup/flat35kosodate-plus/

住宅金融支援機構「フラット35 中古プラス」
URL:https://www.flat35.com/loan/lineup/flat35cyuko-plus/

住宅金融支援機構「フラット35 中古プラス 物件検査内容」
URL:https://www.flat35.com/loan/lineup/flat35cyuko-plus/conditions.html

住宅金融支援機構「最新の金利情報」
URL:https://www.simulation.jhf.go.jp/flat35/kinri/index.php/rates/top

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住宅ローンについても、住宅ローンアドバイザー・FPの視点から、フラット35を含む固定金利や変動金利の特徴を踏まえ、無理のない資金計画を一緒に考えます。

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    千葉県市原市出身/在住。法政大学文学部史学科卒。 賃貸仲介を経て、2015年より不動産売買仲介に従事しています。 城南・城西エリア、横浜市、川崎市、熱海市、湯河原町を中心に一都三県で、約400件の購入・売却のお手伝いをさせていただきました。購入・売却・住宅ローンなど、不動産に関するご相談に、わかりやすく丁寧にお応えします。
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