リースバックとは?メリット・デメリットと後悔しないための注意点を解説
リースバックとは
リースバックとは、自宅を売却した後、買主と賃貸借契約を結び、売却後も同じ住宅に住み続ける仕組みです。
一般的な不動産売却では、自宅を売った後に買主へ引き渡し、売主は別の住まいへ移ります。
一方、リースバックでは、自宅を売却して所有権は買主へ移りますが、その後に賃貸借契約を結ぶことで、売主は借主として同じ家に住み続けます。
たとえば、次のような事情がある場合に検討されることがあります。
- まとまった資金が必要
- 住宅ローンや借入の整理をしたい
- 老後資金を確保したい
- 事業資金を用意したい
- 引越しをせずに生活を続けたい
- 子どもの学区や生活環境を変えたくない
- 高齢で引越しの負担を避けたい
ただし、リースバックは「売却後も必ず一生住み続けられる制度」ではありません。
住み続けられるかどうかは、売却後に結ぶ賃貸借契約の内容によって決まります。
契約期間、更新・再契約の可否、家賃、家賃改定、退去条件、買戻し条件などを事前に確認することが大切です。
自宅を売却し、賃貸借契約を結んで住み続ける仕組み
リースバックでは、売買契約と賃貸借契約の2つが関係します。
まず、売主は自宅をリースバック会社や投資家、不動産会社などへ売却します。
その後、買主となった所有者と賃貸借契約を結び、毎月家賃を支払いながら同じ家に住みます。
つまり、リースバックでは次の2つを同時に考える必要があります。
- 自宅をいくらで売るのか
- 売却後、どのような条件で借りるのか
売却価格だけを見て判断すると、後から家賃負担や契約期間で困ることがあります。
反対に、家賃が安く見えても、売却価格が低すぎる場合や、契約期間が短い場合もあります。
リースバックでは、売却条件と賃貸条件をセットで確認することが重要です。
売却後は「所有者」ではなく「借主」になる
リースバックで特に大切なのは、自宅を売却した後は「所有者」ではなく「借主」になるという点です。
売却前は、自宅の所有者として、基本的には自分の判断で住み続けることができます。
しかし、リースバック後は、所有者は買主側になります。
元の所有者は借主として住むことになります。
そのため、売却後は賃貸借契約のルールに従う必要があります。
たとえば、次のような点が変わります。
- 毎月家賃を支払う
- 契約期間が決まる
- 契約内容によっては再契約できない場合がある
- 家賃改定の可能性がある
- 修繕費や管理費の負担関係を契約で確認する
- 無断で改修や増築ができない場合がある
- 家賃を滞納すると退去リスクが生じる
「同じ家に住み続けられる」という印象だけで判断せず、「所有者から借主へ立場が変わる」ことを理解しておきましょう。
売買契約と賃貸借契約を分けて確認する
リースバックでは、売買契約と賃貸借契約を分けて確認することが大切です。
売買契約では、主に次の点を確認します。
- 売却価格
- 契約日
- 決済日
- 抵当権抹消の可否
- 仲介手数料や諸費用の有無
- 契約解除条件
- 買戻しに関する取り決めの有無
賃貸借契約では、主に次の点を確認します。
- 家賃
- 契約期間
- 普通借家契約か定期借家契約か
- 更新・再契約の可否
- 家賃改定の条件
- 修繕費の負担
- 退去条件
- 敷金・礼金・保証料などの有無
売買契約だけでなく、賃貸借契約の内容もよく確認しないと、「売却後も住めると思っていたのに、契約期間満了で退去が必要になった」「家賃が高くて支払いが苦しい」といった問題につながることがあります。
リースバックのメリット
リースバックには、通常の売却にはないメリットがあります。
特に、資金化と居住継続を両立したい場合には、選択肢のひとつになります。
まとまった資金を得られる
リースバックでは、自宅を売却するため、まとまった資金を得られる可能性があります。
この資金は、住宅ローン返済、生活費、医療費、介護費、事業資金、借入整理などに使われることがあります。
通常の売却と同じく、住宅ローンが残っている場合は、売却代金でローンを完済し、抵当権を抹消できるかを確認する必要があります。
売却代金だけでローンを完済できない場合は、自己資金が必要になることもあります。
そのため、リースバックを検討する際は、手元に残る金額を事前に確認しましょう。
引越しせずに住み続けられる可能性がある
リースバックの大きなメリットは、売却後も同じ家に住み続けられる可能性があることです。
通常売却では、売却後に引越しが必要になります。
しかし、リースバックでは賃貸借契約を結ぶことで、生活環境を変えずに住み続けることができます。
特に、高齢の方、子どもの学区を変えたくない方、近隣との関係を維持したい方、引越しの負担を避けたい方にとっては、大きなメリットになります。
ただし、住み続けられる期間は契約内容によって決まります。
「ずっと住み続けられる」と思い込まず、契約期間と再契約の条件を確認しましょう。
固定資産税など所有者としての負担がなくなる
自宅を売却すると、所有者ではなくなるため、固定資産税や都市計画税などの所有者としての負担は基本的に買主側へ移ります。
また、大規模な修繕や建物管理についても、契約内容に応じて貸主側の負担となる場合があります。
ただし、日常的な小修繕や使用方法に伴う費用など、借主側が負担する内容が定められることもあります。
修繕費や管理費の負担は契約内容によって変わるため、事前に確認が必要です。
周囲に売却を知られにくい場合がある
通常売却では、不動産ポータルサイトへの掲載、現地看板、内見対応などにより、売却活動が周囲に知られることがあります。
一方、リースバックでは、買主がリースバック会社や不動産会社などに限られるため、一般公開せずに話を進められる場合があります。
そのため、近所に知られずに資金化したい方にとってはメリットになることがあります。
ただし、登記上の所有者は変更されます。
また、完全に誰にも知られずに進められるとは限りません。
プライバシーを重視する場合は、どのような方法で手続きを進めるのか確認しておきましょう。
将来買戻しできる契約もある
リースバックでは、契約内容によっては将来買戻しができる場合があります。
たとえば、一時的に資金が必要なため自宅を売却し、将来資金の見通しが立った段階で買い戻す、という考え方です。
ただし、買戻しは必ずできるものではありません。
買戻しできるかどうか、買戻し価格、期限、手続き、買戻しできない場合の扱いは、契約内容によって変わります。
「将来買い戻せるかもしれない」という口頭説明だけで判断せず、契約書に明記されているか確認することが重要です。
リースバックのデメリット
リースバックにはメリットがある一方で、注意すべきデメリットもあります。
特に、売却価格、家賃、契約期間、買戻し条件は慎重に確認しましょう。
売却価格が低くなりやすい
リースバックの売却価格は、通常の仲介売却で見込まれる価格より低くなりやすい傾向があります。
買主側は、売却後に元所有者へ貸し出すことを前提に購入します。
そのため、家賃収入、利回り、将来の再販売リスク、契約期間、修繕リスクなどを考慮して価格を提示します。
通常の仲介売却では、一般の買主に向けて市場価格に近い金額で売却できる可能性があります。
一方、リースバックでは、投資判断や賃貸条件が価格に影響します。
そのため、できるだけ高く売りたい方にとっては、通常売却や買取と比較することが大切です。
なお、「市場価格の何割」と一律に決められるものではありません。
具体的な差は、物件の状態、エリア、家賃設定、契約期間、買主の方針によって変わります。
毎月の家賃負担が発生する
リースバック後は、所有者ではなく借主になります。
そのため、毎月家賃を支払う必要があります。
まとまった資金を得られても、家賃負担が重いと生活が苦しくなることがあります。
特に、年金収入や事業収入が限られている場合は、長期的に支払える家賃かどうかを慎重に確認する必要があります。
確認したいポイントは次のとおりです。
- 毎月の家賃はいくらか
- 管理費や保証料などはあるか
- 家賃は将来上がる可能性があるか
- 何年住む想定か
- 家賃総額はいくらになるか
- 家賃を滞納した場合どうなるか
- 売却で得た資金を家賃支払いにどのくらい使うことになるか
リースバックでは、売却価格だけでなく、家賃を長期的に支払えるかが非常に重要です。
ずっと住み続けられるとは限らない
リースバックは、売却後も住み続けられる仕組みですが、必ず一生住み続けられるわけではありません。
特に注意したいのが、定期借家契約です。
定期借家契約は、契約期間が満了すると契約が終了する賃貸借契約です。
再契約できる場合もありますが、再契約は当然に認められるものではありません。
契約内容によっては、契約期間満了後に退去が必要になる可能性があります。
一方、普通借家契約の場合は、貸主からの更新拒絶や解約には正当事由が必要とされるなど、借主保護が比較的強い仕組みです。
リースバックでは、普通借家契約なのか、定期借家契約なのかを必ず確認しましょう。
家賃改定や再契約条件に注意が必要
リースバックでは、契約期間中や再契約時に家賃が見直される可能性があります。
当初の家賃なら払えると思っていても、将来家賃が上がると支払いが難しくなることがあります。
特に、定期借家契約で再契約を前提にする場合、再契約時の家賃や条件が変わる可能性があります。
契約前には、次の点を確認しましょう。
- 家賃改定の条項はあるか
- どのような場合に家賃が変わるのか
- 再契約時に家賃が変わる可能性はあるか
- 再契約できない場合はあるか
- 契約期間満了後の扱いはどうなるか
家賃と契約期間は、リースバックの最重要ポイントです。
買戻しできるとは限らない
リースバックでは、将来買戻しできると説明されることがあります。
しかし、買戻しできるかどうかは契約内容によって異なります。
買戻しを希望する場合は、次の点を確認しましょう。
- 買戻しできる契約なのか
- 買戻し価格はいくらか
- 買戻し期限はいつまでか
- 買戻し時の諸費用は誰が負担するのか
- 買戻しできない場合はどうなるのか
- 口頭説明ではなく契約書に明記されているか
買戻し価格が、当初の売却価格より高く設定されることもあります。
「将来買い戻せる」と聞いて安心するのではなく、実際に買い戻せる資金計画があるかまで確認しましょう。
リースバックで特に確認したい契約条件
リースバックを検討するときは、売却価格だけでなく、契約条件全体を見ることが大切です。
売却価格
まず確認するのは売却価格です。
ただし、リースバックでは売却価格だけで判断してはいけません。
売却価格が高く見えても、家賃が高すぎる場合や、契約期間が短い場合は、将来的に負担が大きくなることがあります。
通常売却、不動産買取、リースバックの価格を比較し、手元に残る金額と住み続けるための費用をあわせて考えましょう。
家賃と家賃改定
リースバック後は、毎月家賃を支払います。
家賃が収入に対して無理のない金額かを確認しましょう。
確認したい内容は次のとおりです。
- 月額家賃
- 敷金・礼金・保証料
- 管理費や共益費
- 家賃保証会社の利用有無
- 家賃改定の条件
- 滞納時の扱い
家賃は、周辺相場だけでなく、買主側の利回りや契約条件によって決まることがあります。
周辺の賃料相場より高くなる場合もあるため、家計全体で支払えるかを確認しましょう。
普通借家契約か定期借家契約か
リースバックでは、賃貸借契約の種類が非常に重要です。
普通借家契約は、契約期間が満了しても、一定の条件のもとで更新される可能性があります。
貸主側から更新を拒絶するには、正当事由が必要とされるなど、借主保護が比較的強い契約です。
一方、定期借家契約は、契約期間が満了すると契約が終了します。
再契約できる場合もありますが、貸主が再契約に応じなければ住み続けられない可能性があります。
リースバックで「住み続けられる」と説明された場合でも、それが普通借家契約なのか、定期借家契約なのかによって安心度は大きく変わります。
契約期間と再契約の条件
契約期間は、リースバック後の生活に直結します。
たとえば、契約期間が2年の定期借家契約で、再契約が保証されていない場合、2年後に退去が必要になる可能性があります。
契約前に、次の点を確認しましょう。
- 契約期間は何年か
- 更新または再契約はできるのか
- 再契約を断られる場合はあるのか
- 再契約時に家賃が変わるのか
- 何年住み続けたい希望があるのか
短期間だけ住み続けたい場合と、長く住み続けたい場合では、適した契約条件が異なります。
修繕費・管理費の負担
売却後は所有者ではなく借主になりますが、修繕費の負担関係は契約内容によって変わります。
大規模な修繕は貸主側が負担する場合がありますが、日常的な小修繕や借主の使用に伴う破損などは借主負担とされることがあります。
確認したい内容は次のとおりです。
- 建物の大規模修繕は誰が負担するのか
- 給湯器やエアコンなど設備の修理は誰が負担するのか
- 雨漏りや給排水管の不具合はどう扱うのか
- 借主負担となる小修繕の範囲はどこまでか
- 火災保険や借家人賠償保険は必要か
「売却後は全部貸主が直してくれる」と思い込まず、契約書で確認することが大切です。
買戻し条件
将来買戻しを希望する場合は、買戻し条件を必ず確認しましょう。
特に、次の点が重要です。
- 買戻しできる契約なのか
- 買戻し価格はいくらか
- 買戻し期限はいつまでか
- 買戻しに必要な諸費用は何か
- 買戻しできない場合の扱いはどうなるか
- 買戻し条件が契約書に明記されているか
買戻しを前提にする場合は、将来の資金計画も必要です。
口頭説明だけで判断するのではなく、書面で確認しましょう。
中途解約・退去条件
リースバック後に、状況が変わって退去したくなることもあります。
たとえば、施設入居、家族との同居、住み替え、家賃負担の見直しなどです。
その場合に、中途解約できるのか、違約金はあるのか、退去予告期間はどのくらいかを確認しておきましょう。
また、家賃滞納や契約違反があった場合にどうなるのかも確認が必要です。
リースバックで後悔しやすいケース
リースバックで後悔しやすいのは、契約内容を十分に理解しないまま進めてしまうケースです。
家賃を長期的に支払えない
リースバック後は、毎月家賃を支払います。
最初は払えると思っていても、年金収入、生活費、医療費、介護費、物価上昇などを考えると、長期的に負担が重くなることがあります。
売却で得た資金を生活費に使いながら家賃を払い続ける場合、何年で資金が減っていくのかを試算することが大切です。
家賃を支払えなくなると、最終的に退去リスクが生じます。
リースバックを検討するときは、「今払えるか」だけでなく、「将来も払い続けられるか」を確認しましょう。
売却価格だけを見て契約してしまう
売却価格が思ったより高く見えると、契約を急ぎたくなることがあります。
しかし、リースバックでは売却価格だけで判断してはいけません。
家賃、契約期間、再契約、買戻し、修繕費、退去条件まで含めて確認する必要があります。
売却価格が高くても、家賃が高く、短期間で退去が必要になる契約では、生活の安定につながらないことがあります。
定期借家契約の意味を理解していない
リースバックでは、定期借家契約が使われることがあります。
定期借家契約では、契約期間が満了すると契約が終了します。
再契約できる可能性はありますが、必ず再契約できるとは限りません。
「売却後も住み続けられる」と聞いていたのに、契約期間満了後に再契約できず退去が必要になると、大きな問題になります。
契約前に、普通借家契約か定期借家契約かを必ず確認しましょう。
買戻し条件を口頭説明だけで判断する
「将来買い戻せます」と説明されると安心するかもしれません。
しかし、買戻し条件が契約書に明記されていなければ、後からトラブルになる可能性があります。
買戻しを希望する場合は、買戻し価格、期限、手続き、諸費用を確認しましょう。
また、実際に買い戻せる資金計画があるかも大切です。
売却価格より高い金額で買い戻す必要がある場合、現実的に資金を用意できないこともあります。
家族や専門家に相談せずに契約する
リースバックは、自宅の所有権を手放す大きな契約です。
そのため、家族や専門家に相談せず、その場の説明だけで契約するのは避けた方がよいです。
特に、高齢の方が契約する場合は、家族と一緒に内容を確認することをおすすめします。
不安がある場合は、不動産会社、司法書士、弁護士、消費生活センターなどに相談しましょう。
強引な勧誘や高齢者トラブルに注意
リースバックは便利な仕組みである一方、契約内容を十分に理解しないまま契約してしまうトラブルもあります。
特に、高齢者の自宅売却では注意が必要です。
長時間・強引な勧誘には応じない
リースバックの契約は、自宅を売却する重大な判断です。
長時間勧誘されたり、その場で契約を迫られたりした場合は、すぐに判断しないようにしましょう。
「今日決めないと条件が悪くなる」
「今なら高く買える」
「家族に相談しなくても大丈夫」
このような言い方をされた場合は、いったん立ち止まることが大切です。
その場で契約しない
リースバックでは、売買契約と賃貸借契約の両方を確認する必要があります。
説明を受けたその場で契約するのではなく、契約書や重要事項説明書、賃貸借契約書を持ち帰り、家族や専門家に確認してもらいましょう。
特に確認したいのは、次の点です。
- 売却価格
- 家賃
- 契約期間
- 普通借家契約か定期借家契約か
- 再契約の可否
- 家賃改定
- 買戻し条件
- 解約条件
- 修繕費負担
焦って契約すると、後から取り返しがつかないことがあります。
高齢の親の契約は家族で確認する
高齢の親がリースバックの提案を受けている場合は、家族で契約内容を確認することが大切です。
特に、判断能力に不安がある場合や、内容を十分に理解していない可能性がある場合は、慎重に対応しましょう。
自宅は、本人だけでなく家族にとっても大切な財産です。
本人の意思を尊重しながらも、売却価格、家賃、住み続けられる期間、将来の生活費について一緒に確認することをおすすめします。
不安があれば消費生活センター等に相談する
強引な勧誘を受けた、契約内容に不安がある、解約したいがどうすればよいか分からないという場合は、消費生活センターなどへ相談することも選択肢です。
また、契約内容について法的な確認が必要な場合は、弁護士や司法書士などの専門家へ相談することも検討しましょう。
不動産会社から説明を受けた内容だけで判断せず、必要に応じて第三者の意見を聞くことが大切です。
リースバックが向いている可能性があるケース
リースバックは慎重に判断すべき仕組みですが、状況によっては有効な選択肢になることがあります。
まとまった資金が必要だが引越しを避けたい
リースバックは、自宅を売却して資金を得ながら、同じ家に住み続けることを目指す仕組みです。
そのため、まとまった資金が必要だが、引越しは避けたい場合に検討されます。
たとえば、次のようなケースです。
- 住宅ローン返済を整理したい
- 事業資金が必要
- 医療費や介護費を用意したい
- 生活資金を確保したい
- 子どもの学区を変えたくない
- 高齢で引越しの負担を避けたい
ただし、家賃を支払い続ける必要があるため、資金計画は慎重に立てる必要があります。
短期間だけ住み続けたい
リースバックは、短期間だけ住み続けたい場合に向いていることがあります。
たとえば、住み替え先が決まるまでの期間、子どもの卒業までの期間、施設入居までの期間など、一定期間だけ現在の家に住みたい場合です。
このような場合、契約期間と生活予定が合っていれば、リースバックが使いやすいことがあります。
ただし、契約期間満了後の退去や再契約条件を必ず確認しましょう。
将来的な住み替えまでの時間を確保したい
すぐに引越しは難しいが、将来的には住み替えを考えている場合も、リースバックが選択肢になることがあります。
自宅を先に売却して資金を確保し、その後に住み替え先を探す流れです。
ただし、この場合も家賃負担が発生します。
売却代金と家賃、住み替え費用、将来の生活費を合わせて考えることが大切です。
家賃を無理なく支払える見通しがある
リースバックを利用するうえで、家賃を無理なく支払えるかは重要です。
家賃が収入に対して重すぎる場合、数年後に支払いが苦しくなる可能性があります。
年金、給与、事業収入、貯蓄、生活費、医療費、介護費を考えたうえで、長期的に支払えるかを確認しましょう。
リースバックを慎重に考えた方がよいケース
リースバックは便利な仕組みですが、次のような場合は慎重に考えた方がよいです。
長く住み続けたい
「できれば一生住み続けたい」と考えている場合は、リースバックの契約内容を特に慎重に確認しましょう。
定期借家契約の場合、契約期間満了後に再契約できるとは限りません。
長く住み続けたい方は、普通借家契約なのか、定期借家契約なのか、再契約条件はどうなっているのかを必ず確認してください。
家賃支払いに不安がある
毎月の家賃支払いに不安がある場合、リースバックは慎重に考える必要があります。
売却後は、家賃を支払えなくなると退去リスクが生じます。
まとまった資金が入っても、家賃や生活費で資金が減っていく可能性があります。
家賃が長期的に支払えるか、家計全体で確認しましょう。
できるだけ高く売りたい
できるだけ高く売りたい場合は、通常の仲介売却も検討しましょう。
リースバックは、住み続けられる可能性がある一方で、売却価格は通常の仲介売却より低くなりやすい傾向があります。
時間に余裕があり、引越しも可能であれば、通常売却の方が高く売れる可能性があります。
家族の同意が得られていない
自宅の売却は大きな判断です。
特に、高齢の親が住んでいる家、相続予定の実家、共有名義の不動産などでは、家族の理解が重要です。
本人の意思が最も大切ですが、後から家族間でトラブルにならないよう、事前に話し合っておくことをおすすめします。
買戻し前提で考えている
将来買い戻す前提でリースバックを検討している場合は、特に慎重に判断しましょう。
買戻しできるかどうかは契約内容次第です。
また、買戻し価格が高く設定される場合もあり、実際には買い戻せないことがあります。
買戻しを希望する場合は、契約書に明記されているか、資金計画が現実的かを確認しましょう。
通常売却・買取・リースバックの違い
自宅を資金化する方法は、リースバックだけではありません。
通常売却、不動産買取、リースバックを比較して判断することが大切です。
| 方法 | 特徴 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 通常の仲介売却 | 不動産会社が買主を探す | 市場価格に近い売却を狙いやすい | 引越しが必要。売却まで時間がかかる場合がある |
| 不動産買取 | 不動産会社・買取業者が買主になる | 早期売却しやすく、手間を減らしやすい | 仲介売却より価格が低くなりやすい |
| リースバック | 売却後に賃貸として住み続ける | 資金化しながら住み続けられる可能性がある | 家賃・契約期間・再契約条件に注意 |
通常の仲介売却
通常の仲介売却は、不動産会社が買主を探す方法です。
市場価格に近い金額で売却できる可能性があります。
一方で、買主を探す期間が必要で、売却後は引越しが必要になります。
できるだけ高く売りたい場合や、引越しが可能な場合は、まず仲介売却を検討する価値があります。
不動産買取
不動産買取は、不動産会社や買取業者が直接買主になる方法です。
早期売却しやすく、荷物が残っている物件や古い空き家でも相談しやすい場合があります。
一方で、仲介売却より価格が低くなりやすい傾向があります。
引越しは必要ですが、早く売りたい方には向いていることがあります。
リースバック
リースバックは、自宅を売却した後、賃貸として同じ家に住み続ける方法です。
引越しを避けながら資金化できる可能性があります。
一方で、売却後は借主となり、毎月家賃を支払う必要があります。
また、契約期間や再契約条件によっては、ずっと住み続けられない場合があります。
目的別の選び方
目的別に考えると、次のように整理できます。
- できるだけ高く売りたい:通常の仲介売却
- 早く売りたい:不動産買取
- 売却後も同じ家に住みたい:リースバック
- 荷物が多く、現況で売りたい:買取または条件付き売却
- 長く住み続けたい:リースバックの契約条件を慎重に確認
- 家賃支払いが不安:リースバック以外も検討
どの方法にもメリットと注意点があります。
最初からひとつに決めるのではなく、複数の選択肢を比較しましょう。
市原市・千葉市周辺でリースバックを検討する場合の注意点
市原市・千葉市周辺でリースバックを検討する場合も、まずは他の売却方法と比較することが大切です。
まずは通常売却と買取の価格も比較する
リースバックを検討するときは、通常売却と買取の価格も確認しましょう。
リースバックの提示価格だけを見ると、条件が良いように感じることがあります。
しかし、通常の仲介売却ならどのくらいで売れそうか、不動産買取ならどのくらいの価格になるかを比較すると、より冷静に判断できます。
市原市・千葉市では、駅周辺のマンションや戸建、郊外の古家付き土地、相続空き家など、物件によって売却方法の向き不向きが変わります。
複数の選択肢を比較しましょう。
住宅ローン残債がある場合は完済できるか確認する
住宅ローンが残っている場合、売却代金でローンを完済し、抵当権を抹消できるか確認する必要があります。
売却代金だけでローンを完済できない場合は、自己資金が必要になることがあります。
リースバックを検討する場合は、次の点を確認しましょう。
- 住宅ローン残高
- リースバックの売却価格
- 抵当権抹消に必要な金額
- 諸費用
- 手元に残る資金
- 売却後の家賃負担
住宅ローン整理が目的の場合は、金融機関や専門家への相談も必要になることがあります。
相続不動産の場合は名義と相続人の合意を確認する
相続した不動産をリースバックや売却で整理する場合は、登記名義を確認しましょう。
亡くなった方の名義のままでは、最終的に売却手続きを進めるために相続登記が必要になります。
また、相続人が複数いる場合は、売却について相続人全員の合意が必要になることがあります。
相続登記は2024年4月1日から義務化されています。
相続不動産を放置せず、早めに名義や相続人の意思を整理することが大切です。
高齢の親の自宅売却は家族で話し合う
高齢の親がリースバックを検討している場合は、家族で話し合うことをおすすめします。
本人が「住み続けられる」と聞いて安心していても、家賃、契約期間、再契約条件、買戻し条件を十分に理解していない可能性があります。
家族で確認したい内容は次のとおりです。
- 本人は売却を本当に希望しているか
- 家賃を支払える見通しがあるか
- 何年住み続けたいのか
- 定期借家契約か普通借家契約か
- 将来施設入居や住み替えの可能性はあるか
- 買戻しを希望しているか
- 契約内容を家族も確認したか
自宅売却は、本人の生活にも家族の将来にも関わります。
焦らず確認しましょう。
よくある質問
リースバックなら必ず住み続けられますか?
必ず住み続けられるわけではありません。
リースバック後の居住は、賃貸借契約の内容によって決まります。
特に、定期借家契約の場合、契約期間満了後に再契約できない可能性があります。
契約期間、更新・再契約の可否、退去条件を必ず確認しましょう。
リースバックの家賃はどう決まりますか?
リースバックの家賃は、周辺の賃料相場だけでなく、売却価格、買主側の利回り、契約期間、物件状態などをもとに決められることがあります。
そのため、周辺相場より高く感じる場合もあります。
重要なのは、毎月の家賃を長期的に支払えるかどうかです。
将来買い戻すことはできますか?
買戻しできる場合もありますが、必ずできるとは限りません。
買戻しの可否、買戻し価格、期限、手続きは契約内容によって決まります。
買戻しを希望する場合は、口頭説明だけでなく、契約書に明記されているか確認しましょう。
リースバックと不動産買取は何が違いますか?
不動産買取は、不動産会社や買取業者が買主となって不動産を購入する方法です。
通常は、売却後に売主は退去します。
リースバックは、自宅を売却した後、賃貸借契約を結んで同じ家に住み続ける仕組みです。
どちらも通常の仲介売却よりスピード面でメリットがある場合がありますが、リースバックは家賃や契約期間の確認が特に重要です。
リースバックは高齢者でも利用できますか?
高齢者でも利用できる場合があります。
ただし、契約内容を十分に理解し、家賃を支払い続けられるか確認する必要があります。
高齢の方が契約する場合は、家族や専門家と一緒に内容を確認することをおすすめします。
強引な勧誘を受けた場合や不安がある場合は、消費生活センターなどへ相談しましょう。
住宅ローンが残っていても利用できますか?
住宅ローンが残っていても、リースバックを検討できる場合があります。
ただし、売却代金で住宅ローンを完済し、抵当権を抹消できるかが重要です。
売却価格が住宅ローン残高を下回る場合は、自己資金が必要になることがあります。
住宅ローンが残っている場合は、金融機関や専門家に確認しながら進めましょう。
リースバックは通常売却より得ですか?
一概にはいえません。
リースバックは、引越しをせずに資金を得られる可能性がある点がメリットです。
一方で、売却価格が通常売却より低くなりやすく、売却後は家賃を支払い続ける必要があります。
できるだけ高く売りたい場合は、通常の仲介売却の方が向いていることがあります。
リースバック、通常売却、不動産買取を比較して判断しましょう。
まとめ
リースバックとは、自宅を売却した後、買主と賃貸借契約を結び、同じ住宅に住み続ける仕組みです。
まとまった資金を得ながら、引越しを避けられる可能性がある点は大きなメリットです。
一方で、リースバックには注意点も多くあります。
売却後は所有者ではなく借主になり、毎月家賃を支払う必要があります。
また、契約期間、家賃改定、再契約、買戻し条件によっては、思っていたように住み続けられない可能性もあります。
特に、定期借家契約の場合は、契約期間満了後に再契約できるとは限りません。
「売却後も住み続けられる」という言葉だけで判断せず、契約書で条件を確認することが重要です。
リースバックを検討するときは、次の点を必ず確認しましょう。
- 売却価格
- 家賃
- 家賃改定の有無
- 普通借家契約か定期借家契約か
- 契約期間
- 更新・再契約の可否
- 買戻し条件
- 修繕費や管理費の負担
- 中途解約・退去条件
- 家族や専門家に相談したか
リースバックは、便利な選択肢である一方、契約内容を理解せずに進めると後悔しやすい方法でもあります。
市原市・千葉市周辺で自宅売却やリースバックを検討している方は、通常売却、不動産買取、リースバックを比較しながら、ご自身の生活設計に合う方法を慎重に選びましょう。
参考情報
確認日:2026年6月8日
- 国土交通省「住宅のリースバックに関するガイドブック」
- 国土交通省「住宅のリースバックに関するガイドブックを公表しました」
- 国民生活センター「強引に勧められる住宅のリースバック契約にご注意!」
- e-Gov法令検索「民法」
- e-Gov法令検索「借地借家法」
- e-Gov法令検索「宅地建物取引業法」
- 国土交通省「宅地建物取引業法施行規則の規定による標準媒介契約約款」
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辰巳地所のご紹介
辰巳地所では、市原市・千葉市を中心に、千葉県内および一都三県の不動産売買をサポートしています。
リースバックを検討する場合は、売却価格だけでなく、家賃、契約期間、再契約、買戻し条件、住宅ローン残債、通常売却や不動産買取との比較まで含めて考えることが大切です。
当社では、リースバックを一方的におすすめするのではなく、通常の仲介売却、不動産買取、住み替え、相続不動産の整理など、複数の選択肢を比較しながら、現実的な進め方を一緒に整理いたします。
相続登記が済んでいない不動産、高齢の親が住んでいる実家、住宅ローンが残っている自宅、空き家や古家付き土地など、判断が難しい不動産も、まずは状況を確認することが大切です。
必要に応じて、司法書士、税理士、弁護士、土地家屋調査士などの専門家と連携しながら、売却までの流れをご案内いたします。
市原市・千葉市周辺でリースバック、自宅売却、不動産買取をご検討中の方は、下記のお問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。
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