年金支給日は電話de詐欺に注意|高齢の親と家族で確認したい防犯対策
年金支給日が近づくと、高齢の親のことが少し気になる方もいるのではないでしょうか。
「変な電話に出ていないだろうか」
「市役所や警察を名乗る電話を、そのまま信じてしまわないだろうか」
「ATMで誰かに言われるまま操作してしまわないだろうか」
普段はしっかりしている方でも、電話口で急がされたり、不安をあおられたりすると、冷静な判断が難しくなることがあります。
年金は、原則として年6回、偶数月の15日に支払われます。15日が土日または祝日の場合は、その直前の平日に支払われます。各支払月には、原則として前月までの2カ月分が支払われます。
つまり、年金支給日は一度きりのイベントではなく、2カ月ごとに訪れる日です。
だからこそ、年金支給日を「不安な日」として見るだけでなく、家族で防犯対策を見直すタイミングにすることが大切です。
この記事では、年金支給日前後に注意したい電話de詐欺の手口、固定電話・携帯電話でできる対策、ATMでの声かけ、高齢の親がいる家庭で確認したいことを整理します。
年金支給日前後は、詐欺の電話に注意したいタイミング
年金支給日前後は、高齢者の口座やATM利用が意識されやすい時期です。
「年金が振り込まれたから危ない」と単純に決めつける必要はありません。
ただ、支給日が近づくと、金融機関へ行く機会が増えたり、口座残高を確認したり、家計の支払いを整理したりする方もいます。
そのような時期に、詐欺の電話や不審なメッセージが重なると、普段より判断を急いでしまうことがあります。
電話de詐欺の犯人は、相手を急がせるのが上手です。
「今日中に手続きが必要です」
「このままだと口座が使えなくなります」
「家族に言うと迷惑がかかります」
このような言葉で不安をあおり、相談する時間を与えないようにします。
だからこそ、年金支給日前後は、家族でひと声かけるだけでも意味があります。
「変な電話があったら、すぐ連絡してね」
「お金やキャッシュカードの話が出たら、いったん電話を切ってね」
このようなシンプルな声かけが、被害防止につながることがあります。
なぜ年金支給日に注意が必要なのか
年金支給日は、生活費や医療費、家賃、公共料金など、日常のお金の動きと関係しやすい日です。
高齢の方の中には、支給日に合わせて金融機関へ行く習慣がある方もいます。
詐欺の手口では、そこに「還付金」「手続き」「口座確認」「キャッシュカード交換」といった言葉が重ねられます。
たとえば、市役所職員を名乗る電話で「医療費の戻りがあります」と言われる。
警察官を名乗る電話で「あなたの口座が犯罪に使われています」と言われる。
銀行員を名乗る人物から「キャッシュカードを新しくする必要があります」と言われる。
こうした話を突然されると、不安になるのは自然なことです。
詐欺被害に遭う方が特別に不注意だった、という話ではありません。
犯人は、誰でも慌ててしまうような言い方をしてきます。
そのため、「うちの親は大丈夫」と考えるよりも、先にルールを決めておく方が現実的です。
電話で「お金」「キャッシュカード」の話が出たら疑う
電話で次のような話が出たら、まず詐欺を疑ってください。
- 還付金があります
- ATMで手続きできます
- 今日中に手続きが必要です
- キャッシュカードを預かります
- 暗証番号を教えてください
- 口座が犯罪に使われています
- 家族が事故を起こしました
- 会社のお金をなくしました
- 電子マネーを買って番号を教えてください
- SNSのビデオ通話に移ってください
相手が市役所、警察、銀行、年金関係者、親族を名乗っていても、その場で信じる必要はありません。
大切なのは、一度電話を切ることです。
そのうえで、家族に連絡する。警察署や市役所の代表番号を自分で調べて確認する。少しでも不安があれば、相談窓口へ連絡する。
この流れを、家族で共有しておきましょう。
詐欺の電話では、相手が急がせてきます。
でも、本当に大切な手続きであれば、一度確認する時間は取れるはずです。
「急がされる話ほど、いったん止まる」
この感覚を持っておくだけでも、被害を防ぎやすくなります。
年金支給日前後に注意したい主な手口
電話de詐欺にはさまざまな手口があります。
千葉県警察では、令和8年3月末分から電話de詐欺の類型を従来の10種類から13種類に変更しています。SNS型投資詐欺、SNS型ロマンス詐欺が追加され、ニセ警察詐欺も個別の類型として扱われるようになりました。
ここでは、年金受給世帯や高齢の親がいる家庭で特に注意したい手口を整理します。
オレオレ詐欺は、息子や孫などの親族を装い、「会社のお金をなくした」「事故を起こした」「急にお金が必要」と言って、現金を用意させる手口です。
還付金詐欺は、市役所や年金関係者などを名乗り、「医療費や保険料の戻りがある」と言って、ATMへ誘導する手口です。
預貯金詐欺やキャッシュカード詐欺盗は、警察官や金融機関職員などを名乗り、「口座が悪用されている」「カードの交換が必要」などと言って、キャッシュカードをだまし取ったり、すり替えたりする手口です。
架空料金請求詐欺は、「未払い料金がある」「裁判になる」などと不安をあおり、電子マネーや振込で支払わせる手口です。
ニセ警察詐欺は、警察官を名乗って電話をかけ、SNSのビデオ通話などに誘導し、偽物の警察手帳や逮捕状を見せて信用させる手口です。
SNS型投資詐欺やSNS型ロマンス詐欺は、投資話や恋愛感情を利用して、送金や投資を促す手口です。高齢者だけでなく、幅広い世代が注意したい犯罪です。
どの手口にも共通しているのは、相手を不安にさせ、急がせ、誰かに相談させないようにする点です。
「誰にも言わないでください」と言われたら、むしろ誰かに相談する。
このくらいの意識でよいと思います。
「ATMで還付金」はありません
年金支給日前後に特に注意したいのが、還付金詐欺です。
市役所や保険関係の職員を名乗り、「医療費の還付金があります」「保険料の戻りがあります」「年金に関する手続きがあります」などと言って、ATMへ誘導する手口です。
ここは、はっきり覚えておきたいところです。
ATMで還付金を受け取ることはできません。
電話で「還付金」「ATM」「今日中」と言われたら、詐欺を疑ってください。
市役所や年金関係者を名乗る相手からの電話でも、そのまま信用しないことが大切です。
本当に手続きが必要かどうかは、電話を切ったあと、自分で市役所や年金事務所の連絡先を調べて確認しましょう。
相手から教えられた番号に折り返すのではなく、自分で調べた代表番号にかけることが大切です。
また、日本年金機構は、メールで口座番号などを尋ねることはないと注意喚起しています。
不審なメールやSMSが届いた場合も、リンクを開いたり、個人情報を入力したりしないようにしましょう。
固定電話・携帯電話でできる対策
電話de詐欺を防ぐうえで大切なのは、犯人と話す機会を減らすことです。
「見抜く」よりも、「出ない仕組みを作る」方が現実的です。
固定電話では、次のような対策を検討できます。
- 常に留守番電話に設定する
- 知らない番号には出ない
- ナンバー・ディスプレイを利用する
- ナンバー・リクエストを利用する
- 迷惑電話対策機能付きの電話機を使う
- 通話録音機能を活用する
- 国際電話番号からの着信をブロックする
特に、普段国際電話を使わない家庭では、「+」から始まる国際電話番号に注意が必要です。
千葉県警察でも、知らない番号や「+」から始まる国際電話番号からの電話には出ないよう注意を呼びかけています。
携帯電話では、次のような対策が考えられます。
- 知らない番号にはすぐ出ない
- 不審なSMSのリンクを開かない
- 身に覚えのない請求には返信しない
- 迷惑電話対策サービスを確認する
- 必要に応じて詐欺対策アプリを検討する
- 家族の連絡先を分かりやすく登録しておく
高齢の親がスマートフォンを使っている場合は、家族が一緒に設定を確認してあげると安心です。
ただし、どのサービスやアプリも万能ではありません。
設定とあわせて、「知らない電話には出ない」「お金の話は一度切る」という家庭内のルールを作っておくことが大切です。
ATMで通話している高齢者を見かけたら、やさしく声をかける
年金支給日前後は、金融機関やATMを利用する高齢者が増えることがあります。
もし、ATMの前で高齢の方が携帯電話で通話しながら操作していたら、電話de詐欺の被害に遭いかけている可能性があります。
そのような場面を見かけたときは、強い言い方で止める必要はありません。
たとえば、次のようにやさしく声をかけるだけでもよいと思います。
「何かの手続きですか」
「最近、ATMでの詐欺が増えているようです」
「電話の相手に言われて操作しているなら、いったん確認した方がいいかもしれません」
「銀行の方や警察に確認してみませんか」
声をかけるのは勇気がいることです。
ただ、還付金詐欺では、電話をつないだままATMを操作させるケースがあります。
周囲のひと声で、被害を防げることがあります。
無理に対応する必要はありませんが、心配な様子があれば、金融機関の職員や警察へつなぐことも考えてみてください。
高齢の親がいる家庭で、年金支給日前に確認したいこと
高齢の親がいる家庭では、年金支給日前に家族で確認する習慣を作っておくと安心です。
難しいことをたくさん決める必要はありません。
まずは、次のようなことから始めるとよいでしょう。
- 年金支給日を家族で把握しておく
- 支給日前後に、家族からひと声かける
- 固定電話を留守番電話にしておく
- 知らない番号には出ないようにする
- お金の話が出たら、一度電話を切る
- 家族だけの合言葉を決める
- キャッシュカードは誰にも渡さない
- 暗証番号は誰にも教えない
- ATMで還付金は受け取れないと共有する
- 不安な電話があったら、家族や警察へ相談する
親に対して、「だまされないで」と強く言いすぎると、かえって相談しにくくなることがあります。
「変な電話があったら、間違いでもいいから連絡して」
「お金の話が出たら、まずこちらに電話して」
このくらいの言い方の方が、相談しやすくなります。
被害を防ぐうえで大切なのは、親を責めることではありません。
相談しやすい空気を作ることです。
市原市・千葉市で暮らす人が確認したい地域の防犯情報
市原市・千葉市で暮らす方は、地域の防犯情報も確認しておきたいところです。
市原市では、電話de詐欺への注意喚起として、市役所職員や保険事務所職員をかたり、「還付金があります」「ATMに行ってください」といった電話に注意するよう案内しています。
千葉市でも、電話de詐欺への注意喚起や、電話de詐欺相談専用ダイヤルなどの情報が公開されています。
千葉県警察では、電話de詐欺の手口や被害状況、ニセ警察詐欺、「+」から始まる国際電話番号への注意などを発信しています。
また、千葉県公式LINEや、ちば安全・安心メールなどを活用すると、防災・防犯情報を受け取りやすくなります。
詐欺対策は、家の中だけで完結するものではありません。
自治体や警察が発信している情報を、家族で見られる状態にしておくことも大切です。
高齢の親がスマートフォンを使い慣れていない場合は、家族が代わりに情報を確認して、必要なタイミングで声をかける形でもよいと思います。
住まい選びでも、高齢の親を見守りやすい環境を考える
年金支給日や電話de詐欺の話は、住まい選びとも無関係ではありません。
高齢の親との近居を考えている方。
二世帯住宅を検討している方。
一人暮らしの親の住まいを見直そうとしている方。
こうした場合、物件の価格や間取りだけでなく、家族が見守りやすい環境かどうかも考えておきたいところです。
たとえば、次のような点は確認しておくと安心です。
- 家族が訪問しやすい距離か
- 高齢の親が一人で過ごす時間が長すぎないか
- 固定電話の設置場所が分かりやすいか
- インターホンに録画機能があるか
- 玄関まわりの見通しがよいか
- 夜間の帰宅ルートが暗すぎないか
- 近隣との距離感が極端に孤立していないか
- スマートフォンや固定電話の設定を家族が確認しやすいか
- 金融機関や生活施設までの移動に無理がないか
防犯というと、防犯カメラや鍵を思い浮かべる方が多いかもしれません。
もちろん、それらも大切です。
ただ、高齢の親の安心を考える場合は、家族との連絡の取りやすさ、訪問しやすさ、困ったときに相談しやすい距離感も大事な条件になります。
市原市・千葉市で住まいを探す際は、物件そのものだけでなく、暮らし始めた後の見守りやすさも含めて考えてみてください。
まとめ|年金支給日は、家族で防犯対策を見直す日にもなる
年金支給日は、原則として偶数月の15日に訪れます。
この日を、ただ不安に感じる必要はありません。
むしろ、家族で防犯対策を見直すタイミングにするとよいと思います。
電話で「お金」「キャッシュカード」「暗証番号」「ATM」「還付金」という話が出たら、一度電話を切る。
ATMで還付金は受け取れないと家族で共有する。
固定電話を留守番電話にする。
知らない番号や「+」から始まる国際電話番号には出ない。
不審な電話があったら、家族や警察へ相談する。
こうした小さなルールを先に決めておくだけでも、被害防止につながります。
高齢の親がいる家庭では、年金支給日前後にひと声かける習慣を作ってみてください。
そして、住まいを考える際には、家族が見守りやすい距離、防犯環境、相談しやすい暮らし方まで含めて確認しておくと、より安心につながります。
参考情報
確認日:2026年6月14日
- 日本年金機構「年金はいつ支払われますか。」
- 日本年金機構「日本年金機構を装った不審なメール・SMSにご注意ください。」
- 千葉県警察「電話de詐欺」
- 千葉県警察「電話de詐欺の被害状況」
- 千葉県「STOP!電話de詐欺」
- 市原市「『電話de詐欺』に注意!」
- 千葉市「STOP!電話de詐欺」
- 千葉市 ちばし安全・安心メール「電話de詐欺情報」
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特に、高齢の親との近居、二世帯住宅、一人暮らしの親の住まいを考える場合は、家族が訪問しやすい距離、周辺環境、防犯面、電話やインターホンの使いやすさまで含めて確認しておきたいところです。
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