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Contents
  1. 内房・外房の戸建では「浄化槽」の確認が大切になることがある
  2. そもそも浄化槽とは何か
  3. 浄化槽には「保守点検」「清掃」「法定検査」がある
  4. 法定検査には7条検査と11条検査がある
  5. 内房・外房で浄化槽付き戸建を探すときの地域別ポイント
  6. 浄化槽付き戸建の維持費はどこで変わる?
  7. 中古戸建を購入する前に確認したい浄化槽のチェックポイント
  8. リフォーム済戸建でも、浄化槽の状態は別に確認する
  9. 売却前に浄化槽の記録を整理しておくと安心
  10. 浄化槽付き戸建は、地域性と設備状況を見て判断することが大切
  11. 参考資料:浄化槽の法定検査をお忘れなく
  12. 参考情報
  13. 辰巳地所のご紹介
  14. お問い合わせ
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内房・外房の戸建では「浄化槽」の確認が大切になることがある

千葉県内で中古戸建やリフォーム済戸建を探していると、物件概要の排水欄に「浄化槽」「個別浄化槽」と書かれていることがあります。

特に、市原市の郊外、木更津市、袖ケ浦市、君津市、富津市といった内房エリア、茂原市、長生郡、一宮町、いすみ市、御宿町、勝浦市、鴨川市といった外房エリアでは、土地の広い戸建や海・山・田園に近い住宅を検討する場面もあります。

そのようなエリアでは、駅周辺や市街地では公共下水道が使える一方、少し郊外に入ると浄化槽を使っている戸建を見かけることがあります。

「浄化槽」と聞くと、管理が大変そう、においが心配、購入後の費用が読みにくい、と感じる方もいるかもしれません。

たしかに、浄化槽付き戸建は、公共下水道の物件とは確認するポイントが違います。購入後には、保守点検、清掃、法定検査といった維持管理も必要です。

ただし、浄化槽だからといって、すぐに購入候補から外す必要はありません。

大切なのは、浄化槽の種類、管理記録、直近の法定検査結果、清掃状況、下水道への切替予定などを確認し、納得したうえで判断することです。

この記事では、内房・外房エリアで浄化槽付き戸建を検討する方に向けて、購入前・売却前に確認しておきたいポイントを整理します。

そもそも浄化槽とは何か

下水道が整備されていない地域などで使われる汚水処理設備

浄化槽は、家庭から出る汚水を敷地内の設備で処理するためのものです。

公共下水道が整備されている地域では、家庭から出た汚水は下水道管を通って処理場へ流れていきます。

一方、公共下水道が整備されていない地域では、敷地内に設置された浄化槽で汚水を処理し、きれいにしてから側溝や水路などへ放流します。

市原市・千葉市周辺でも、中心部や駅に近いエリアでは公共下水道の物件が多く見られますが、郊外の住宅地、田園地帯に近い場所、市街化調整区域に近い場所では、浄化槽の戸建もあります。

内房・外房エリアで、土地が広い戸建、海に近い住宅、山あいの住宅、古家付き土地、リフォーム済戸建などを検討するときは、建物の状態だけでなく、排水設備も必ず確認しておきたいところです。

合併処理浄化槽と単独処理浄化槽の違い

浄化槽には、大きく分けて「合併処理浄化槽」と「単独処理浄化槽」があります。

合併処理浄化槽は、トイレの排水だけでなく、台所、浴室、洗濯などの生活雑排水もあわせて処理する浄化槽です。

一方、単独処理浄化槽は、トイレの排水だけを処理する古いタイプの浄化槽です。台所や浴室などから出る生活雑排水は処理されないため、現在は新たに設置する浄化槽としては合併処理浄化槽が基本になります。

中古戸建では、築年数が古い物件で単独処理浄化槽が残っている場合があります。

単独処理浄化槽だから直ちに購入できないというわけではありませんが、買主としては、現在の使用状況、将来的な交換の可能性、下水道への接続予定、維持管理の状況を確認しておきたい設備です。

物件概要では「個別浄化槽」「集中浄化槽」などの表記にも注意

物件情報では、排水欄に次のような表記がされることがあります。

表記例内容のイメージ
公共下水公共下水道に接続されている
個別浄化槽各戸ごとに浄化槽を設置している
浄化槽個別浄化槽を指すことが多い
集中浄化槽団地や分譲地などで複数戸の排水をまとめて処理している
汲取り便槽にためて定期的に汲み取る方式

注意したいのは、「浄化槽」と書かれていても、物件概要だけでは詳細が分からないことです。

個別浄化槽なのか、集中浄化槽なのか。合併処理浄化槽なのか、単独処理浄化槽なのか。現在も正常に使われているのか。

このあたりは、販売図面だけで判断せず、売主、仲介会社、役所調査、管理記録などで確認する必要があります。

浄化槽には「保守点検」「清掃」「法定検査」がある

浄化槽付き戸建で分かりにくいのが、「保守点検」「清掃」「法定検査」の違いです。

どれも浄化槽の管理に関わるものですが、それぞれ役割が異なります。

保守点検|ブロワーや消毒剤などを定期的に確認するもの

保守点検は、浄化槽がきちんと機能しているかを定期的に確認する作業です。

浄化槽の中では、微生物の働きによって汚水を処理しています。その働きを保つために、空気を送るブロワー、消毒剤、水の流れ、槽内の状態などを確認します。

一般の住宅所有者が自分で細かく点検するというより、登録を受けた保守点検業者に依頼するのが一般的です。

点検の頻度は、浄化槽の種類、処理方式、人槽によって変わります。中古戸建を購入するときは、現在どの業者がどのくらいの頻度で点検しているのかを確認しておくとよいでしょう。

清掃|浄化槽内にたまった汚泥を引き抜く作業

清掃は、浄化槽の中にたまった汚泥などを引き抜き、内部を洗浄する作業です。

浄化槽は使っているうちに、どうしても汚泥がたまります。そのままにしておくと、処理能力が落ちたり、においや排水不良につながったりすることがあります。

清掃は、地域の許可を受けた浄化槽清掃業者に依頼して行います。

一般的には年1回以上の清掃が必要ですが、浄化槽の方式によっては、より短い間隔で清掃が必要になる場合もあります。

市原市、木更津市、袖ケ浦市、君津市、富津市、茂原市、いすみ市など、自治体ごとに清掃業者や案内窓口が異なるため、購入予定の物件所在地ごとに確認が必要です。

法定検査|管理状況や機能を第三者が確認する検査

法定検査は、浄化槽が適正に設置・管理され、正常に機能しているかを確認する検査です。

保守点検や清掃は、日常的なメンテナンスに近い作業です。一方、法定検査は、指定された検査機関が第三者の立場で、外観、水質、管理記録などを確認するものです。

「保守点検をしているから、法定検査は不要」と誤解されることもありますが、保守点検・清掃・法定検査はそれぞれ別のものです。

購入前には、直近の法定検査結果があるかを確認しておくと、浄化槽の管理状況を判断しやすくなります。

3つは似ているようで役割が違う

3つの違いを整理すると、次のようになります。

区分主な内容依頼先・実施者のイメージ購入前に確認したい記録
保守点検ブロワー、消毒剤、槽内、水の流れなどを確認保守点検業者保守点検記録
清掃汚泥の引き抜き、内部洗浄許可を受けた清掃業者清掃記録
法定検査設置・維持管理・水質などを確認指定検査機関7条検査・11条検査の結果

内房・外房エリアの中古戸建では、空き家期間がある物件や、所有者が遠方に住んでいる物件もあります。

そのような物件では、浄化槽の管理記録が残っているかどうかが、購入判断の大きな材料になります。

法定検査には7条検査と11条検査がある

浄化槽の法定検査には、「7条検査」と「11条検査」があります。

名前だけ見ると少し分かりにくいですが、簡単にいえば、7条検査は設置後の検査、11条検査は毎年行う定期検査です。

7条検査は設置後の検査

7条検査は、新しく浄化槽を設置したあと、設置工事が適正に行われ、本来の機能を発揮しているかを確認する検査です。

一般的には、使用開始後3か月を経過した日から5か月以内に受ける検査とされています。

新築戸建や、浄化槽を新たに設置した物件では、この7条検査が関係します。

中古戸建の場合でも、過去の設置時期や資料が残っていれば、浄化槽の履歴を確認する材料になります。

11条検査は毎年1回の定期検査

11条検査は、浄化槽の保守点検や清掃が適正に行われ、正常に機能しているかを確認する定期検査です。

こちらは、原則として毎年1回受ける検査です。

中古戸建を購入する前には、直近の11条検査結果が残っているかを確認したいところです。

検査結果が良好であれば、管理状況を判断する材料になります。一方、検査を長く受けていない場合や、指摘事項がある場合は、その内容と対応状況を確認する必要があります。

保守点検や清掃をしていても、法定検査は別に必要

浄化槽では、保守点検、清掃、法定検査の3つがそれぞれ必要です。

保守点検業者に定期的に見てもらっている場合でも、それだけで法定検査を受けたことにはなりません。

また、清掃を年1回行っていても、法定検査は別に受ける必要があります。

購入前に売主へ確認する場合は、次のように分けて聞くと整理しやすくなります。

  • 保守点検の契約はありますか
  • 清掃はいつ行いましたか
  • 直近の11条検査結果はありますか
  • 検査で指摘事項があった場合、対応済みですか
  • ブロワーや配管の修理履歴はありますか

「点検していますか?」だけでは、保守点検を指しているのか、法定検査を指しているのか、清掃を含んでいるのかが曖昧になりがちです。

浄化槽付き戸建では、確認項目を分けて整理することが大切です。

内房・外房で浄化槽付き戸建を探すときの地域別ポイント

市原市・千葉市周辺で確認したいこと

市原市や千葉市は、市街地、工業地域、郊外住宅地、田園地帯など、エリアによって住環境が大きく異なります。

駅周辺や区画整理された住宅地では公共下水道の物件も多くありますが、市街地から離れた戸建や、土地の広い中古住宅では、浄化槽の物件もあります。

市原市であれば、八幡宿、五井、姉崎周辺の市街地と、郊外エリアでは確認ポイントが変わります。

千葉市でも、中央区・稲毛区・美浜区のような市街地と、若葉区・緑区の一部では、住宅地の性格が異なります。

購入前には、公共下水道区域なのか、浄化槽を継続利用する地域なのか、将来的な下水道整備予定があるのかを確認しておくと安心です。

木更津市・袖ケ浦市・君津市・富津市など内房エリアで確認したいこと

内房エリアでは、木更津市、袖ケ浦市、君津市、富津市などで、駅周辺の住宅地、海に近い住宅、郊外の広い土地付き戸建など、さまざまな物件があります。

アクアライン方面へのアクセスや、自然環境、土地の広さに魅力を感じて検討する方も多い地域です。

一方で、海沿い、山あい、田園地帯に近い物件では、排水設備の確認が欠かせません。

特に、次のような物件では浄化槽の状態を丁寧に見ておきたいところです。

  • 土地が広い中古戸建
  • 築年数の古い戸建
  • リフォーム済戸建
  • 空き家期間がある物件
  • セカンドハウス利用されていた物件
  • 農地や山林に近い物件
  • 海に近い住宅地の戸建

内房エリアでは、土地や建物の魅力に目が向きやすい一方で、排水設備、道路、境界、法令制限などを一緒に確認することが大切です。

茂原市・長生郡・一宮町・いすみ市など外房エリアで確認したいこと

外房エリアでは、茂原市、長生郡、一宮町、長生村、白子町、いすみ市、御宿町、勝浦市などで、海に近い住宅、田園地帯の戸建、移住向け物件、別荘利用されていた住宅などが見られます。

外房方面の物件は、価格や土地の広さに魅力を感じる一方で、都市部の住宅とは確認するポイントが違うことがあります。

浄化槽付き戸建では、特に次の点を確認しておきたいところです。

  • 浄化槽が合併処理か単独処理か
  • 直近の法定検査結果があるか
  • 清掃記録が残っているか
  • 空き家期間中も管理されていたか
  • ブロワーの電源が入っているか
  • 大雨時に排水不良や冠水の履歴がないか
  • 前面道路や側溝の状況
  • 下水道整備予定や接続義務の有無

外房エリアでは、海や川に近い物件もあるため、浄化槽だけでなく、排水先や周辺環境もあわせて見るとよいでしょう。

館山市・南房総市・鴨川市など南房総方面で確認したいこと

館山市、南房総市、鴨川市、鋸南町など南房総方面では、海に近い住宅、山あいの住宅、別荘、古民家、土地の広い戸建などを検討するケースがあります。

このエリアでは、暮らしの魅力が大きい一方で、都市部の住宅とはインフラ条件が異なることがあります。

浄化槽付き物件を検討する場合は、次の点を確認しておくと安心です。

  • 浄化槽の種類と設置時期
  • 保守点検業者・清掃業者の契約状況
  • 直近の清掃日
  • 法定検査結果
  • ブロワーや配管の状態
  • 敷地内の高低差や排水の流れ
  • 台風・大雨時の影響
  • 空き家期間中の管理状況

南房総方面では、物件の雰囲気や眺望に惹かれて購入を検討する方もいます。

ただ、購入後に安心して暮らすためには、建物の見た目だけでなく、排水設備や維持管理のしやすさも含めて判断することが大切です。

浄化槽付き戸建の維持費はどこで変わる?

浄化槽付き戸建では、公共下水道の使用料とは別の形で、維持管理に関する費用がかかります。

ただし、費用は地域、業者、浄化槽の種類、人槽、契約内容によって変わります。

「年間いくら」と一律に言い切るよりも、何に費用がかかるのかを理解して、物件ごとに確認することが大切です。

人槽、浄化槽の種類、契約内容で費用は変わる

浄化槽には「5人槽」「7人槽」などの人槽があります。

これは、実際に住む人数そのものというより、建物の規模などに応じて設定される処理能力の目安です。

維持費は、主に次のような要素で変わります。

  • 浄化槽の人槽
  • 合併処理浄化槽か単独処理浄化槽か
  • 保守点検の回数
  • 清掃の頻度
  • 業者との契約内容
  • 法定検査料
  • ブロワーの電気代
  • 修理や部品交換の有無

中古戸建では、購入後すぐにブロワー交換や部品交換が必要になる場合もあります。

築年数が古い物件や、長期間使われていなかった物件では、購入前に点検や清掃の履歴を確認しておきたいところです。

法定検査料は自治体・指定検査機関の情報を確認する

法定検査料は、地域や人槽によって定められています。

千葉県内では、指定検査機関が区域ごとに分かれており、内房・外房エリアでも市町村によって担当機関が異なります。

たとえば、千葉市、館山市、木更津市、勝浦市、市原市、鴨川市、君津市、富津市、袖ケ浦市、南房総市、いすみ市、大多喜町、御宿町、鋸南町などは、千葉県が公表する指定検査機関の担当区域上、南部地域に含まれています。

一方、茂原市、一宮町、長生村、白子町、長柄町、長南町などは、別の担当区域に整理されています。

検査手数料は改定されることがあります。購入時点での費用を確認したい場合は、千葉県や指定検査機関の最新情報を確認する必要があります。

保守点検・清掃費は地域の業者や契約内容によって変わる

保守点検や清掃の費用は、法定検査料のように一律で分かりやすく表示されているとは限りません。

浄化槽の種類、所在地、清掃のしやすさ、契約内容によって変わります。

購入前に維持費を把握したい場合は、売主が現在契約している業者の請求書や契約内容を確認する方法があります。

契約書、請求書、点検記録、清掃記録などが残っていれば、実際の維持費を把握しやすくなります。

内房・外房エリアでは、物件所在地によって対応できる業者が変わることもあります。購入後にどこへ依頼すればよいのかも、事前に確認しておくと安心です。

中古戸建では、購入前に過去の管理状況も見ておきたい

浄化槽は、定期的に管理されていれば使い続けられる設備です。

一方で、長期間使われていなかった物件、空き家期間が長い物件、清掃や点検の記録が見当たらない物件では、購入後に点検や清掃、修理が必要になる可能性があります。

特にリフォーム済戸建では、室内がきれいに仕上がっているため、設備面の確認が後回しになりがちです。

キッチン、浴室、トイレなどの水回りが新しくなっていても、排水設備である浄化槽の状態は別に確認する必要があります。

中古戸建を購入する前に確認したい浄化槽のチェックポイント

内房・外房エリアで浄化槽付き中古戸建を検討するときは、内装や外壁だけでなく、排水設備の状態まで確認しておくと安心です。

ここでは、購入前に見ておきたいポイントを整理します。

過去の法定検査結果が残っているか

まず確認したいのは、直近の法定検査結果です。

11条検査を毎年受けている物件であれば、管理状況を判断しやすくなります。

検査結果に指摘事項がある場合は、その内容と対応状況を確認します。

指摘があったこと自体が直ちに問題というわけではありませんが、未対応のままになっていないかは見ておきたいところです。

保守点検・清掃の記録があるか

次に、保守点検記録と清掃記録を確認します。

保守点検記録には、ブロワーの状態、消毒剤の補充、槽内の状況などが記載されていることがあります。

清掃記録では、いつ清掃したのか、どの業者が作業したのかを確認できます。

記録がきちんと残っている物件は、買主にとって安心材料になりやすいです。

特に、空き家期間がある戸建、相続された実家、長期間使用頻度が低かった別荘などでは、管理記録の有無を確認しておくとよいでしょう。

ブロワーが作動しているか

浄化槽には、ブロワーと呼ばれる空気を送る機械が使われていることがあります。

ブロワーは、浄化槽内の微生物が働きやすい環境を保つために必要な設備です。

現地見学の際に、ブロワーの音や振動、設置場所、電源が入っているかを確認できる場合があります。

ただし、買主が自己判断で設備を操作するのは避けた方がよいです。気になる点があれば、売主や仲介会社を通じて確認しましょう。

におい・水たまり・排水不良がないか

浄化槽や排水設備に不具合がある場合、次のような症状が出ることがあります。

  • 浄化槽周辺で強いにおいがする
  • 敷地内に不自然な水たまりがある
  • 排水の流れが悪い
  • トイレや浴室で逆流や異音がある
  • ブロワーが止まっている
  • 蚊やハエが多い
  • 側溝への排水状況が気になる

もちろん、これらがあるからといって、必ず重大な不具合があるとは限りません。

ただ、気になる症状がある場合は、契約前に原因を確認しておく方が安心です。

下水道への切替予定や負担金の有無

地域によっては、将来的に公共下水道が整備される予定がある場合もあります。

下水道が整備された場合、浄化槽から公共下水道へ接続する工事が必要になることがあります。その際には、接続工事費、受益者負担金、浄化槽の廃止や撤去に関する費用が発生する可能性があります。

下水道への切替予定があるかどうかは、役所調査で確認したい項目です。

購入前には、現在の排水方式だけでなく、将来の整備予定や負担の可能性も確認しておきましょう。

契約前に売主・仲介会社へ確認したいこと

浄化槽付き戸建を検討するときは、次のような点を確認しておくと整理しやすくなります。

確認項目確認したい内容
浄化槽の種類合併処理浄化槽か、単独処理浄化槽か
人槽何人槽の浄化槽か
法定検査直近の11条検査結果があるか
保守点検点検業者、点検頻度、記録の有無
清掃最終清掃日、清掃業者、記録の有無
ブロワー作動状況、交換履歴
下水道計画将来的な接続予定や負担金の有無
不具合におい、排水不良、過去の修理履歴
空き家期間使用していない期間中の管理状況

このあたりを事前に確認しておくと、購入後に「思っていたより費用がかかる」「管理方法が分からない」といったズレを減らしやすくなります。

リフォーム済戸建でも、浄化槽の状態は別に確認する

内房・外房エリアでは、リフォーム済戸建として販売されている物件もあります。

室内のクロス、床、キッチン、浴室、トイレなどが新しくなっていると、見た目の印象はとても良くなります。

ただし、リフォーム済だからといって、浄化槽まで新しくなっているとは限りません。

室内の水回り設備が交換されていても、屋外の浄化槽は既存のままということがあります。

購入前には、次の点を確認しておくと安心です。

  • 浄化槽は既存のままか
  • リフォーム時に浄化槽の点検をしたか
  • 浄化槽の清掃はいつ行ったか
  • ブロワーは交換済みか
  • 単独処理浄化槽か、合併処理浄化槽か
  • 空き家期間中もブロワーが稼働していたか

リフォーム済戸建は、購入後すぐに住みやすい反面、見えない設備の確認が後回しになりがちです。

浄化槽付きの物件では、室内のきれいさと排水設備の状態を分けて確認することが大切です。

売却前に浄化槽の記録を整理しておくと安心

浄化槽付き戸建を売却する場合、買主から維持費や管理状況について質問されることがあります。

そのときに、点検記録や清掃記録が整理されていると、説明がしやすくなります。

管理記録があると買主に説明しやすい

売却前に整理しておきたい資料は、主に次のようなものです。

  • 直近の法定検査結果
  • 保守点検記録
  • 清掃記録
  • 保守点検業者・清掃業者の連絡先
  • ブロワー交換や修理の履歴
  • 浄化槽の設置時期や人槽が分かる資料
  • 下水道整備予定に関する役所確認の内容

すべてが完璧に残っていない場合もあります。

ただ、手元にある範囲で整理しておくだけでも、買主への説明に役立ちます。

買主にとっては、「浄化槽付き」というだけで不安を感じることがあります。記録があることで、過去にどのような管理がされてきたのかを具体的に伝えやすくなります。

故障や未清掃がある場合は、先に状況を確認する

売却前に、ブロワーが止まっている、清掃時期が長く空いている、排水に不具合があるといった事情がある場合は、先に状況を確認しておく方がよいでしょう。

売却活動を始めてから買主に指摘されるよりも、事前に把握しておいた方が、価格交渉や引渡し条件の整理がしやすくなります。

不具合がある場合でも、必ず売却できないわけではありません。

ただし、修理してから売るのか、現況のまま説明して売るのかによって、販売方法や契約条件が変わることがあります。

古い単独処理浄化槽は買主が気にするポイントになりやすい

築年数の古い戸建では、単独処理浄化槽が残っていることがあります。

単独処理浄化槽は、現在の合併処理浄化槽とは処理対象が異なるため、買主が気にするポイントになりやすい設備です。

売却前には、現在の浄化槽が単独処理なのか、合併処理なのかを確認しておくとよいでしょう。

将来的な下水道接続や合併処理浄化槽への入れ替えが必要になる可能性がある場合は、その点も含めて説明できるようにしておくと、後のトラブル予防につながります。

浄化槽付き戸建は、地域性と設備状況を見て判断することが大切

内房・外房エリアの戸建は、土地の広さ、自然環境、海や山への近さ、価格面の魅力など、都市部の住宅とは違った良さがあります。

一方で、排水設備、道路、法令制限、境界、災害リスク、維持管理のしやすさなど、購入前に確認したい項目も増えます。

浄化槽付き戸建も、そのひとつです。

保守点検、清掃、法定検査といった維持管理が必要になり、購入後も一定の費用と手間がかかります。

ただし、浄化槽だからといって、すぐに購入候補から外す必要はありません。

大切なのは、浄化槽の種類、管理記録、直近の検査結果、清掃状況、ブロワーの状態、下水道への切替予定などを確認し、納得したうえで判断することです。

市原市、千葉市、木更津市、袖ケ浦市、君津市、富津市、茂原市、長生郡、一宮町、いすみ市、御宿町、勝浦市、鴨川市、館山市、南房総市などで戸建を検討する場合は、建物や土地だけでなく、排水設備まで含めて確認しておくと、購入後の安心につながります。

参考資料:浄化槽の法定検査をお忘れなく

参考情報

確認日:2026年6月12日

  • 千葉県「千葉県全県域汚水適正処理構想について」
  • 千葉県「都市別下水道処理人口普及率」
  • 千葉県「浄化槽の適正管理」
  • 千葉県「浄化槽の法定検査について」
  • 千葉県「浄化槽関連の各種手続に係る書類提出先及びお問合せ先」
  • 千葉市「浄化槽の維持管理」
  • 千葉市「浄化槽の『一括契約』をご利用ください」
  • 市原市「浄化槽は維持管理が大切です」
  • e-Gov法令検索「浄化槽法」
  • 環境省「浄化槽サイト」

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    千葉県市原市出身/在住。法政大学文学部史学科卒。 賃貸仲介を経て、2015年より不動産売買仲介に従事しています。 城南・城西エリア、横浜市、川崎市、熱海市、湯河原町を中心に一都三県で、約400件の購入・売却のお手伝いをさせていただきました。購入・売却・住宅ローンなど、不動産に関するご相談を、わかりやすく丁寧にサポートいたします。
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