Web会議で高額なビジネス講座を勧められたら|AI講座・副業スクールの契約前に確認したいこと
「無料の説明会なら、話だけ聞いてみよう」
「副業の面接だから、とりあえず参加してみよう」
そんな気持ちでWeb会議に入ったところ、途中から数十万円の講座を勧められた――。最近では、こうしたビジネス講座をめぐる相談が全国の消費生活センターなどに寄せられています。
国民生活センターは2026年9月16日、AI講座やSNS運用講座などについて、広告や勧誘時の説明と実際の内容が異なっていたり、Web会議で予定していなかった高額な講座を勧められたりするケースがみられるとして注意を呼びかけました。
新しいスキルを学ぶことや、有料の講座を利用すること自体に問題があるわけではありません。ただ、「話を聞いてみたい」と思うことと、「その場で契約する」と決めることは別です。
この記事では、国民生活センターの最新の注意喚起をもとに、Web会議で高額なビジネス講座を勧められたときに確認しておきたいポイントを紹介します。
- Web会議で高額なビジネス講座を勧められる相談が増えています
- 「説明を聞くつもり」と「契約するつもり」は別です
- 広告で想像した内容と、実際の講座が違うことも
- 「月々2万円」でも総額は数十万円になる場合があります
- 「解約できる」と言われても、条件まで確認したい
- Web会議でも「電話勧誘販売」に当たる場合があります
- 「ネットで契約した=通信販売」とは限りません
- Web会議のその場で契約を決めなくても大丈夫です
- すでに契約して不安なときは188へ
- 学ぶことと、その場で契約することは分けて考える
- 国民生活センターリーフレット|ビジネス講座のトラブルにご注意-広告・勧誘と実際の講座内容が異なる、Web会議での思わぬ勧誘に気をつけましょう
- 参考情報
- 辰巳地所のご紹介
- ご相談はこちら
Web会議で高額なビジネス講座を勧められる相談が増えています
PIO-NETにおける「ビジネス講座」に係る年度別相談件数の推移及びそのうち「通信販売」と「電話勧誘販売(Web 会議での勧誘を含む)」の平均契約購入金額の年度別推移
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※画像出典:独立行政法人国民生活センター公式サイト
国民生活センターが公表したPIO-NETのデータでは、「ビジネス講座」に関する相談件数は2025年度に3,551件。2026年度は7月31日までに1,121件が登録されており、前年同期の821件を上回っています。
ここでいうPIO-NETとは、国民生活センターと全国の消費生活センターなどを結び、相談情報を蓄積しているデータベースです。
そのため、この件数は「ビジネス講座を利用した人のうち何%がトラブルになったか」を表すものではありません。あくまで、消費生活相談として登録された件数を見るものです。
一方で、相談内容には変化がみられます。
以前はSNS広告などからそのまま通信販売で契約するケースが多くみられましたが、最近では、事業者とWeb会議で話したあとに高額な講座を契約したという相談も寄せられています。
2026年度の相談データでは、平均契約購入金額は通信販売が48万円、電話勧誘販売が79万円でした。電話勧誘販売の数字にはWeb会議での勧誘も含まれています。これも「Web会議だから高額になる」という因果関係を示すものではありませんが、相談事例のなかでは大きな金額の契約がみられることが分かります。
「説明を聞くつもり」と「契約するつもり」は別です
Web会議での勧誘で戸惑いやすいのは、最初から「高額講座の販売」と分かって参加しているとは限らない点です。
国民生活センターの報告書では、SNS広告や求人サイトをきっかけに事業者と連絡を取り、当初は「副業の紹介」「面接」「交流会」などと説明されていたにもかかわらず、実際には高額なビジネス講座を勧められたケースが紹介されています。
たとえば、副業を探していた30代の女性が求人へ応募し、Web会議による面接を受けた事例があります。
面接中に「副業をするにはAIの知識が必要で、有料研修を受ける必要がある」と説明され、月額約2万円なら支払えると考えて契約。しかし、あとから電子契約書を見ると、契約総額は65万円になっていました。
「面接を受けるつもりだったのに、いつの間にか講座を契約する話になっていた」というケースです。
Web会議へ参加したからといって、最後まで説明を聞かなければならないわけではありません。
「今日は契約するつもりではなかった」「最初に聞いていた話と違う」と感じたなら、その場で判断せず、いったんWeb会議を終えてから考えることもできます。
広告で想像した内容と、実際の講座が違うことも
講座を選ぶとき、「AIが学べる」「Webデザインを身につけられる」「案件獲得までサポート」といった言葉だけでは、実際に何を受講できるのかまでは分かりません。
国民生活センターには、広告や勧誘から受けた印象と実際の講座内容が異なり、「期待したような内容ではなかった」「支払った金額に見合う内容ではないと感じた」といった相談も寄せられています。
契約前には、カリキュラムだけでなく、自分のレベルに合っているかも見ておきたいところです。
動画を見る形式なのか、個別指導が受けられるのか。「案件獲得をサポートする」と書かれている場合も、具体的に何をしてもらえるのかによって内容は大きく変わります。
AIや副業スクールについては、当サイトの関連記事「『簡単に稼げる副業』に注意|AI副業・高額スクール・借金トラブルの実例と見分け方」でも詳しく紹介しています。
「AIを使えば簡単に稼げる」という説明と、実際に仕事として収入を得られることは分けて考えておく必要があります。
「月々2万円」でも総額は数十万円になる場合があります
高額な契約でも、「月々○万円」と説明されると、負担が小さく感じられることがあります。
先ほどの副業面接の相談では、月額約2万円という説明を受けて契約したものの、契約総額は65万円でした。
別の相談では、SNS広告から1万円の情報商材を購入した20代男性が、その後Web会議で上位プランを案内されています。約80万円のオンラインAI講座を勧められ、クレジットカードの限度額では足りなかったため、36回払いの個別クレジットを組んで契約しました。
月々の金額だけを見ると払えそうでも、支払いが何年も続けば負担は大きくなります。
確認したいのは、
「今月いくら払うか」だけではなく、「最終的にいくら支払う契約なのか」
という点です。
契約期間や支払回数、分割手数料なども含め、最後まで支払った場合の総額を見てから考えたいところです。
また、「受講すれば収入が増えるから、その収入で払える」と説明されたとしても、将来の収入が約束されているわけではありません。
高額な講座やコンサルティング契約の総額・解約条件・特定商取引法については、関連記事「高額な講座・コンサル契約で確認したい特定商取引法」でも詳しく解説しています。
「解約できる」と言われても、条件まで確認したい
契約前に「途中で解約できます」と聞くと、安心して申し込みたくなるかもしれません。
ところが、「解約できる」ということと、「いつでも負担なくやめられる」ということは同じではありません。
国民生活センターには、月謝払いだと思って受講していたところ実際には1年契約で、途中解約には残りの受講料の40%にあたる解約手数料が必要だと言われたケースが寄せられています。
別の事例では、副業スクールを約20万円で契約したあとに利用規約を受け取り、解約できる期間が限られていることや、提供された動画コンテンツを一定程度視聴していることなど、複数の条件が設定されていると知ったケースもありました。
そのため、「解約できます」という説明だけで安心せず、
いつまで解約できるのか。
解約料はいくらなのか。
返金はあるのか。
サービスの利用状況によって条件が変わるのか。
といったところまで、契約書や利用規約で確認しておくことが大切です。
その場では読み切れないほど長い規約であれば、あとで読む時間を取っても構いません。
Web会議でも「電話勧誘販売」に当たる場合があります
「ZoomなどのWeb会議なのに、なぜ電話勧誘販売なのだろう」と感じる方もいるでしょう。
消費者庁は、特定商取引法における「電話」について、インターネット回線を使って通話する形式も含み、映像を伴う場合も該当し得るという考え方を示しています。
消費者庁のQ&Aには、すでに購入した情報商材の使い方を相談するためWeb会議へ参加したところ、途中から別の商品を勧められた事例が掲載されています。
この事例については、消費者が別の商品を契約するつもりでWeb会議を希望したわけではないなどの事情から、電話勧誘販売の規制が適用され、クーリング・オフの規定が適用されると考えられる、と説明されています。
ただし、ここは慎重に考える必要があります。
Web会議で契約したものが、すべて電話勧誘販売になるわけではありません。
Web会議へ参加することになった経緯や、どの商品・サービスについて話をすると認識していたのか、契約をする意思があったのかなど、具体的な事情によって判断は変わります。
消費者庁のQ&Aも、想定される事例について考え方を示したもので、具体的な案件では実際の事実に即して判断するよう示しています。
「ネットで契約した=通信販売」とは限りません
もう一つ覚えておきたいのは、「インターネットを使って契約したから通信販売」と単純に決まるわけではないことです。
消費者庁の特定商取引法ガイドでは、通信販売について、インターネットなどの広告を見た消費者が、インターネットや電話などの通信手段で申し込む取引と説明しています。
ただし、電話勧誘販売に該当するものは通信販売から除かれます。
つまり、
「オンラインだった」
「Web会議だった」
「契約書をネット上で締結した」
という形式だけではなく、契約までの勧誘の経緯を見る必要があるということです。
これはクーリング・オフなどの扱いにも関係する可能性があるため、すでに契約していて判断に迷う場合には、自分だけで結論を出さず、消費生活センターなどへ相談した方が安心です。
Web会議のその場で契約を決めなくても大丈夫です
1対1のWeb会議で1時間、2時間と説明を受けていると、途中で断りにくくなることがあります。
「ここまで説明してもらったから」
「今日だけ特典が付くなら」
「いったん断ったら、もう申し込めないかもしれない」
そんな気持ちになることもあるでしょう。
国民生活センターは、「今日契約すれば特典がある」などと契約を急かされた場合でも、その場で決めず、いったん冷静に検討するよう呼びかけています。
説明を聞いたことと、契約しなければならないことは別です。
一度Web会議を終え、自分のペースで契約書や利用規約を読み直す。翌日になっても受講したいと思えるか考えてみる。
そうした時間を取ってもよいのではないでしょうか。
数十万円の契約であればなおさら、その場で結論を出さないという選択肢を持っておきたいところです。
すでに契約して不安なときは188へ
ここまで読んで、
「もう契約してしまった」
「クレジットカードで決済してしまった」
という方もいるかもしれません。
契約済みだからといって、自分だけで「もう何もできない」と決める必要はありません。
国民生活センターは、Web会議や電話で有料講座を勧められて契約した場合や、「この講座を受ければ仕事を提供するので収入が得られる」などと勧誘された場合には、契約の内容や経緯によってクーリング・オフの対象になることがあると案内しています。
一方で、個々の契約が電話勧誘販売などに該当するか、クーリング・オフや解約ができるかは、実際の勧誘方法や契約内容によって異なります。
判断に迷った場合には、消費者ホットライン「188(いやや!)」へ相談できます。
188に電話すると、最寄りの市区町村や都道府県の消費生活センターなど、身近な消費生活相談窓口を案内してもらえます。
契約について不安を感じている場合には、時間を置きすぎず、まず専門の相談窓口へ状況を伝えてみる方法があります。
学ぶことと、その場で契約することは分けて考える
AIやWebデザイン、SNS運用など、新しい仕事につながるスキルを学びたいと考えることは珍しいことではありません。
有料講座を利用することで、自分一人では学びにくいことを効率よく身につけられる場合もあるでしょう。
だからこそ、
「この講座を受けたいか」
ということと、
「今、このWeb会議の場で契約しなければならないか」
は分けて考えてみてもよいと思います。
講座の内容を理解できているか。総額はいくらになるのか。途中で合わないと感じたときはどうなるのか。
いったん画面を閉じて、落ち着いた状態でもう一度考える時間を持つことで、見えてくることもあります。
そして、すでに契約したあとで「説明と違う」「どうしたらよいか分からない」と感じている場合には、一人で抱え込まず、消費生活センターなどの相談窓口を利用してください。
国民生活センターリーフレット|ビジネス講座のトラブルにご注意-広告・勧誘と実際の講座内容が異なる、Web会議での思わぬ勧誘に気をつけましょう

参考情報
確認日:2026年9月27日
独立行政法人国民生活センター「ビジネス講座のトラブルにご注意-広告・勧誘と実際の講座内容が異なる、Web会議での思わぬ勧誘に気をつけましょう-」
URL:https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20260916_3.html
独立行政法人国民生活センター「ビジネス講座のトラブルにご注意」報告書本文
URL:https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20260916_3.pdf
消費者庁 特定商取引法ガイド「電話勧誘販売」
URL:https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/telemarketing/
消費者庁 特定商取引法ガイド「電話勧誘販売の解釈に関するQ&A」
URL:https://www.no-trouble.caa.go.jp/qa/telemarketing.html
消費者庁 特定商取引法ガイド「通信販売」
URL:https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/mailorder/
消費者庁「消費者ホットライン」
URL:https://www.caa.go.jp/policies/policy/local_cooperation/local_consumer_administration/hotline/
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