仲介手数料無料の不動産会社は怪しい?売主寄り・手抜き・追加費用の疑問を検証
「仲介手数料無料の不動産会社は怪しい」「無料にすると何か裏があるのでは?」
住宅の購入を検討していると、このような意見を目にすることがあります。
仲介手数料は、物件価格によっては100万円を超えることもある費用です。それだけの金額が無料になると聞けば、理由が気になるのも自然なことでしょう。
さらに、「売主寄りになって買主が不利になる」「物件調査が手抜きになる」「別の名目で費用を請求される」といった話を聞くと、利用をためらう方もいらっしゃるかもしれません。
結論から申し上げると、仲介手数料無料は法律上認められる取引方法であり、無料という理由だけで不動産会社の信頼性やサービスの品質が決まるものではありません。
ただし、不動産会社によって業務内容や費用、購入者への対応には違いがあります。無料という条件だけで判断せず、契約前に確認しておきたい点があるのも事実です。
この記事では、仲介手数料無料の不動産会社に向けられる否定的な意見について、宅地建物取引業法や実際の売買仲介業務を踏まえながら検証します。
仲介手数料無料の不動産会社はなぜ怪しいと言われる?
仲介手数料無料の不動産会社が怪しいと言われる背景には、通常なら高額になる費用が無料になることへの疑問があります。
不動産売買の仲介手数料は、宅地建物取引業法に基づく告示で上限が定められています。一方、上限より安い金額に設定することや、買主から受け取らないことも可能です。
例えば、新築戸建やリノベーションマンションには、売主である不動産会社や住宅販売会社から、買主を紹介した仲介会社へ報酬が支払われる物件があります。
そのような物件では、仲介会社が売主から報酬を受け取り、買主の仲介手数料を無料とすることができます。
この仕組み自体に問題はありません。
ただし、買主から仲介手数料を受け取らない場合、購入者は「自分のために十分な仕事をしてくれるのだろうか」という疑問を持つことがあります。
ここから、売主寄りの対応や物件調査の手抜きなど、さまざまな不安につながっていると考えられます。
なお、仲介手数料無料の詳しい仕組みについては、関連記事「新築戸建もリノベーションマンションも仲介手数料無料で買える?」で解説しています。
売主から報酬を受け取る会社は買主に不利になる?
仲介手数料無料に関する疑問の中でも、特に考えておきたいのが、不動産会社と売主・買主の関係です。
「売主から仲介手数料をもらっている会社は、売主の都合を優先するのではないか」
このような不安には、一定の理由があります。売主はできるだけ有利な条件で売却したいと考え、買主は価格や契約条件を十分に確認したうえで購入したいと考えるため、双方の希望が一致しない場面があるからです。
しかし、売主から報酬を受け取っているという事実だけで、その不動産会社が買主に不利な対応をするとは判断できません。
宅地建物取引業法第31条では、宅地建物取引業者に対し、取引の関係者に誠実に業務を行うことを求めています。
また、同法第47条では、取引の判断に重要な影響を及ぼす事項について、一定の故意の不告知や不実告知を禁止しています。
売主から報酬を受け取ることを理由に、買主へ必要な情報を説明しなくてよいわけではないのです。
実際の取引では、報酬の受取先よりも、買主の疑問や希望をどのように扱うかが判断材料になります。
例えば、売主が契約日や引渡日を指定している場合、その日程が買主にとって無理のないものか確認してくれるでしょうか。
また、住宅ローンの審査に不安がある買主に対して、契約条件を十分に確認せず、売主の希望する日程に合わせることだけを優先していないでしょうか。
こうした場面で、買主の事情や希望をきちんと聞き、売主との間で条件を調整する姿勢があるかどうかを見ておきたいところです。
仲介手数料無料だと物件調査や重要事項説明が手抜きになる?
「手数料をもらわないのだから、物件調査や契約書類の作成も簡略化されるのではないか」
こうした疑問もありますが、仲介手数料の金額によって、宅地建物取引業者に課される法律上の義務が軽くなることはありません。
宅地建物取引業法第35条では、契約成立前に、宅地建物取引士が法定の重要事項を説明することが定められています。また、第37条では、契約成立後の書面交付について規定されています。
これらは、仲介手数料が無料の場合にも適用されます。
法律上の説明義務と実際の調査内容
不動産売買では、例えば次のような事項を確認する必要があります。
- 登記上の権利関係
- 道路との接道状況や建築に関する制限
- 上下水道・ガスなどの供給施設
- 土地や建物に関する契約条件
- 契約解除や住宅ローン特約の内容
これらのうち法令で定められた事項については、必要な調査と説明が求められます。
一方、建物の詳細な劣化診断や専門家によるホームインスペクションなどは、通常の仲介業務と区別して考える必要があります。
法定の重要事項説明を適切に行うことと、購入者が希望する追加調査や任意のサポートをどこまで実施するかは、別の問題だからです。
手数料ではなく調査結果の説明を見る
購入者にとって確認しやすいのは、調査結果をどの程度具体的に説明してくれるかという点です。
例えば、前面道路が私道の場合、その権利関係や維持管理について説明してくれるか。リノベーションマンションであれば、室内の仕上がりだけでなく、管理状況や修繕履歴にも目を向けているか。
「問題ありません」という説明だけで終わらず、確認した資料や契約条件を示してもらえると、購入者も判断しやすくなります。
仲介手数料が無料かどうかではなく、実際にどのような確認を行っているかを見て判断したいところです。
仲介手数料無料だと値引き交渉をしてもらえない?
仲介手数料無料の会社について、「売主から報酬を受け取るため、値引き交渉に消極的になるのではないか」という疑問があります。
結論として、仲介手数料無料と価格交渉は別の問題です。
売買価格は売主と買主の合意によって決まるものであり、仲介手数料を無料にしていること自体が、価格交渉を禁止する理由にはなりません。
ただし、不動産会社によって交渉への対応方針は異なります。
また、実際に値引きが成立するかどうかは、売主の意向、販売状況、買主の購入条件などにも左右されます。
例えば、売り出されたばかりの人気物件と、長期間販売が続いている物件では、売主の価格交渉への考え方が異なることもあるでしょう。
購入者が確認したいのは、不動産会社が無条件に値引きを約束するかどうかではありません。
希望する購入価格や条件を売主へ伝え、交渉の結果とその理由を説明してくれるかという点です。
価格交渉が難しい場合にも、単に「無理です」と伝えるのではなく、売主の意向や販売状況について説明があれば、購入者も納得して判断しやすくなります。
なお、売買価格の値引きと仲介手数料の無料を組み合わせた場合の考え方については、別の記事で詳しく解説する予定です。
契約を急かされたり、不利な条件で購入させられたりする?
「仲介手数料無料の会社は、多くの契約を成立させるために購入を急かすのではないか」
このような心配をする方もいるかもしれません。
ただし、購入を急かす営業姿勢は、仲介手数料が無料か有料かという条件だけで決まるものではありません。
不動産の売買では、人気物件に複数の購入希望者が現れる場合があります。購入申込みや契約日程について、早めの判断を求められる場面があるのも事実です。
一方で、購入者が十分に検討できないまま契約を進めれば、後悔につながるおそれがあります。
特に住宅ローンを利用する場合は、借入条件や審査の進行状況を踏まえ、住宅ローン特約の内容を確認しておく必要があります。
また、手付金の額、契約解除の条件、引渡し時期なども、購入前に理解しておきたい事項です。
宅地建物取引業法では、契約締結などのために相手方を威迫する行為が禁止されています。契約しない意思を示した相手に勧誘を続けるなど、施行規則で禁止される行為もあります。
急いで判断する必要がある理由を説明し、購入者の意思を尊重してくれるか。契約書類について質問する時間を設けてくれるか。
そのような対応からも、不動産会社の姿勢が見えてきます。
仲介手数料無料のはずが別の名目で費用を請求される?
仲介手数料無料の不動産会社を検討する際、「別の名目で高額な費用を請求されるのではないか」という疑問があります。
この点は、実際に費用の内訳を確認しておきたいところです。
不動産購入では、仲介手数料以外にも登記費用、住宅ローン関連費用、火災保険料、印紙税などが必要になる場合があります。
これらは、仲介手数料無料であっても発生する通常の購入諸費用です。
一方、不動産会社が独自に請求する事務手数料や住宅ローン事務代行手数料については、その内容を確認する必要があります。
住宅ローン事務代行手数料は違法なのか
住宅ローン事務代行手数料を、仲介手数料とは別に請求することが、すべて違法となるわけではありません。
埼玉県の不動産取引に関するFAQでは、宅地建物取引業者が買主から依頼を受け、実際に住宅ローンのあっせん・事務代行業務を行った場合、仲介手数料とは別に報酬を受け取ることが可能と説明しています。
ただし、あらかじめ業務内容や金額を明確に説明すること、実際の業務に見合った金額であること、買主の承諾を得て別の契約書を作成することなどが求められています。
したがって、費用の名称だけで適法性を判断するのではなく、何に対する報酬なのか、事前にどのような合意があるのかを確認する必要があります。
「仲介手数料無料」の文字だけで判断しない
購入前には、不動産会社から諸費用の見積書を受け取り、次の点を確認すると分かりやすくなります。
| 確認項目 | 見ておきたい内容 |
|---|---|
| 仲介手数料 | 買主負担が本当に0円か |
| 不動産会社独自の費用 | 名称・業務内容・金額 |
| 住宅ローン関連費用 | 金融機関へ支払う費用との違い |
| 登記費用 | 税金と司法書士報酬の内訳 |
| その他の購入諸費用 | 必要な費用の総額 |
仲介手数料が無料でも、別の費用が加われば、想定していたほど負担が減らない場合があります。
複数の不動産会社を比較する際は、仲介手数料の金額だけでなく、購入時に必要となる費用全体で比較するとよいでしょう。
契約後や引渡し後の対応が悪くなる?
仲介手数料無料の会社に対して、契約が成立した後の対応を心配する声もあります。
不動産購入は、売買契約を締結すれば終わる手続きではありません。
住宅ローンの正式審査、必要書類の準備、登記手続きの調整、残代金の決済、鍵の引渡しなど、契約後にもさまざまな手続きがあります。
これらの段取りが不十分だと、購入者が戸惑うこともあるでしょう。
仲介会社に依頼する際は、契約成立後から引渡しまで、誰がどのように連絡や調整を行うのか確認しておくと安心です。
また、引渡し後に建物や設備の不具合が見つかった場合、売主の契約上の責任や保証、アフターサービスなどが関係します。
保証の対象や期間、連絡窓口は、売主や物件によって異なります。不動産会社がどこまで相談や連絡調整に対応するのかも、あらかじめ確認しておくとよいでしょう。
仲介手数料が無料だから対応が悪くなると決めつける必要はありませんが、契約後の対応範囲が明確になっていることは、購入者にとって安心材料になります。
仲介手数料無料の不動産会社で後悔しないために
ここまで、仲介手数料無料の不動産会社に向けられる否定的な疑問を検証してきました。
無料という条件だけでは、不動産会社の良し悪しは判断できません。
反対に、通常の仲介手数料を支払えば、必ず十分な調査や丁寧な対応を受けられるというものでもありません。
購入前に確認しておきたいのは、次のような点です。
- 物件の注意点や契約条件を説明してくれるか。
- 買主の希望する価格や条件を売主へ伝えてくれるか。
- 仲介手数料以外に必要な費用が明確になっているか。
- 住宅ローンや資金計画について相談できるか。
- 契約後から引渡しまでの対応範囲が分かるか。
また、不動産会社の選び方については、関連記事「同じ物件を買うなら、どの不動産会社に相談するべき?」でも詳しく解説しています。
すでに購入候補の物件が決まっている方は、掲載会社以外の不動産会社でも購入できるか確認してみるのも一つの方法です。
「SUUMOの物件は別の不動産会社でも購入できる?」では、別の不動産会社へ相談する方法や注意点を紹介しています。
まとめ|仲介手数料無料という理由だけで判断しない
仲介手数料無料の不動産会社については、「怪しい」「売主寄りになる」「調査が手抜きになる」「追加費用を請求される」など、さまざまな疑問があります。
しかし、仲介手数料が無料であること自体は、違法性やサービスの品質を示すものではありません。
大切なのは、不動産会社が必要な調査と説明を行い、費用や契約条件を明確にしたうえで、購入者の判断を尊重しているかどうかです。
住宅購入では、仲介手数料を抑えることで、自己資金の負担を大きく軽減できる場合があります。そのメリットを生かしながら、安心して購入できる会社を選びたいところです。
株式会社辰巳地所では、新築戸建・リノベーションマンション・リフォーム済戸建を中心に、売主様から当社へ仲介手数料が支払われる対象物件について、買主様の仲介手数料を無料としています。
SUUMO・アットホーム・HOME’Sなどで気になる物件が見つかった際は、物件のURLをメールまたは公式LINEでお送りいただければ、当社での取扱可否と仲介手数料無料の対象になるかを確認いたします。
「仲介手数料無料になるか調べる」からもご相談いただけます。
参考情報
確認日:2026年11月2日
e-Gov法令検索|宅地建物取引業法
https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176
国土交通省|宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001750229.pdf
国土交通省|宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方(令和8年4月1日施行版)
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001881261.pdf
埼玉県|不動産取引に関するFAQ(令和7年12月1日現在の法令に基づくもの)
https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/208895/r7faqgozyuonn.pdf
国土交通省|高齢者の自宅の売却トラブルにご注意ください!
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/totikensangyo_const_tk3_0053.html
辰巳地所のご紹介

株式会社辰巳地所は、千葉県市原市を拠点に、市原市・千葉市を中心とした千葉県内で、不動産の購入・売却をサポートしています。東京都・神奈川県・埼玉県の不動産についてもご相談いただけます。
当社の営業方針|お客様のペースを大切に
当社では、しつこい営業や購入・売却を急かすようなご案内は行っていません。
物件探しはお客様ご自身が主体となり、気になる物件が見つかった際に当社へご相談いただくスタイルを基本としています。
ご連絡はメール・公式LINEを中心とし、当社からのお電話は原則として行いません。必要な情報を必要なときにお伝えし、お客様ご自身の判断を尊重しています。
購入|仲介手数料最大無料(0円)
新築戸建・リノベーションマンション・リフォーム済戸建を中心に、売主様から当社へ仲介手数料が支払われる物件は、買主様の仲介手数料が無料(0円)です。
SUUMO・アットホーム・HOME’Sなどに掲載されている物件も、お取り扱いできる場合があります。
気になる物件のURLをメールまたは公式LINEでお送りいただければ、仲介手数料無料の対象となるか、諸費用の目安も含めて確認いたします。
※物件価格2,000万円以下は応相談。
住宅ローン・資金計画
住宅ローンアドバイザー・FPの視点から、毎月の返済額や購入時の諸費用、頭金、金利タイプなどを踏まえ、無理のない資金計画をサポートします。
自己資金が少ない方、住宅購入とあわせて諸費用やリフォーム費用も借りたい方、勤続年数1年未満の方、契約社員・派遣社員の方、住宅ローンの残債があるご自宅からの買い替えを検討している方、永住権をお持ちでない外国籍の方からのご相談にも対応しています。
注文住宅や建築条件付き売地で住宅を建てる際の、建築工事請負代金のつなぎ融資についてもご相談いただけます。
住宅ローンに関するご相談だけでも無料で承っています。
売却|仲介手数料は一般的な相場の半額
不動産の売却は、一般的な仲介手数料の半額に相当する「物件価格×1.5%+3万円(税別)」を基本にご相談いただけます。
直近の成約事例や周辺の売出状況を踏まえ、市場相場から大きくかけ離れた根拠のない高値査定は行いません。
市原市・千葉市の中古戸建・マンション・土地などの売却査定も無料で承っています。
※仲介手数料は物件価格・媒介契約の種類・取引条件等により異なります。
不動産の購入・売却、住宅ローンのご相談など、お気軽にお問い合わせください。お客様のペースに合わせて、丁寧にサポートいたします。
ご相談はこちら
※Outlook・Hotmailのメールアドレスは、当社からの返信時に送信エラーが発生する可能性があります。恐れ入りますが、別のメールアドレスをご入力ください。









